第37話 二人の魔王と独りの勇者 ①
「は?なんだあれは」
いや、少し前にこの世界で初めて見た侵入者だ。それはあの時も着ていたフルフェイスの黄金の鎧を見たらわかる。
ただ、なんだあの武器はあの時と同じ武器なのにまるで違う。
まるで存在ごと斬られて本当に死んでしまうんじゃないかとすら思えてくる。
「あいつ!お姉ちゃんから離れろ!!『呪翼』!」
「え?おい指輪…行っちゃった」
どうする?あいつ絶対強いぞ。
それにアエリアが先に攻撃したから話し合いも無理だろうし…
「ん?お前は——っ!?あいつ、結局また会うのかよ!はあ、あの羽の生えた女は…まあいいか『
「「っ!?」」
体が沈んで動かねえ。
なんだよこれ、
「この前は取り乱したが今回こそはちゃんと殺す」
「っ!あの剣で斬られたらやばいな。『死眼・解除』、『死脚』、『死腕』————ッシ!」
『死脚』、このバッタのような逆関節の黒く強靭な脚があれば『重力圧』のなかでも動ける。まあ、それでも動きにくいが。
それにもし倒れてもこの『死腕』があればまた起き上がれる。
ん?あれはアエリア?なるほど、後ろから奇襲するつまりかそれなら…
「『重力圧』、初めは驚いたがその程度かよ。俺でも動けるんだ、お前案外弱いんじゃないか?」
「チッ、確かにその脚は厄介だな————『
「キャッ!?」
なっ!?あの空に浮かんだ紫の光の球にアエリアが引っ張られてる…
「うお!?」
爪を地面に食い込ませないと俺も引っ張られるな。
「はあ、俺もまだまだだな。少し気が逸れれば技を切ってしまう。お前には切らないほうがいいな。その力は危険すぎる」
どうする?こいつと真っ向勝負は自殺行為だぞ。
「『呪詛・身代わり』!」
「ガァあぁぁ」
え?アエリアがいた場所に亡者がいる?
「アハハッ、私もあんな程度で抑えられるほど弱くないわよ」
なるほど、後ろにいた亡者と位置を入れ替えたのか。
「はあ、俺はアイツが…嗚呼もう!逃げんなよ!はあ…」
確かにメリメアがいないな。
「さっきからため息ばっかじゃねえか。そんなんだと幸運が逃げるぞ?」
「ふふ、そうね。そのまま不運になって勝手に死んで欲しいわ」
「アッハハハハ、あゝいいよもう。それならとことんやってやる。正義の勇者セガリアが悪の魔王を倒してやる」
「ハッ、俺たちが魔王ならお前は絶対勝てねえよ。————第二ラウンド開始だ!!」
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