第28話 KUZU file2 狛田 太一(クズ元父、浮気夫)

前置き : この作品は暴力や性的な描写を伴いますが、暴力行為を助長する物では御座いません。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


●時間は遡り、剣一が家を出て絶縁宣言した日のクズSIDE



狛田 太一(クズ元父、浮気夫)

※名前初出しで申訳ないです、剣一の元父親です




【ピロロロン、ピロロロン、ピロロロン】


「んだよぉ、こんな時に・・」俺はスマホに手を伸ばすが、その手を掴まれて柔らかい肉の塊に誘導される


「もぉ~~まだぁ途中でしょぉ~ちゃんと、最後まで・・・ねっ♡」


俺の下で、頬を赤くして妖艶な笑顔で見ている女性は、俺の同僚で部下の山岡 咲(やまおか さき)、今俺の手は誘導され咲のふくよかな胸を揉みしだいてる


「あぁん♡もうぅ、早くぅ~~太一君ん~」「はっはっはっ、咲・・咲・・」


俺は鳴り響くスマホを無視して、若い彼女の体を貪った・・・


結局、抜かずの2回をしてから、俺は妻の電話に出る


『ちょっと!何時まで待たすのよ!!、何してんのよ!』

はぁ~久しぶりの妻のヒステリックに、俺は咲にウインクしながら自分のスマホを指さし先にシャワーするように促す


咲は悪戯っぽく笑うと、俺の足の前に座り俺のモノを口で包む『お、おい・・』


電話口では大声で叫ぶ妻の声が、スピーカーにしてないのに咲にも聞こえる程部屋中に響く


『アナタ!息子にどういう教育して来たの!?勝手に家族の縁を切るとか、しまいには琴音が全面的に悪いと断罪してきて私達を見下す様にして出てったのよ!もう!あんな自分勝手なガキだと思わなかった!』


電話口で剣一の事を、ガキ呼ばわりしているが俺は下半身への刺激でそれどころじゃない・・俺はスマホを持つのと反対の手で咲の頭を押さえて動かない様にしたが、咲の手で振り払われて今は完全に無防備だ


『とにかく!こんなのじゃご近所さんに変な噂をされて私恥ずかしくて表を歩けないじゃない!貴方から息子をキチンと説得して!所詮、私は他人なんだから!!』


「わ、わかった、た、お、おれか・・俺から・剣一に言い聞かせ・・るぅ・」


咲の動きが激しくなるにつれ俺は足もモジモジして必死に耐えるが、上目遣いで悪戯っぽく笑うと咲は激しく動かし手を緩めない


「と、とにか、かく、俺から一度、で、電話してみる、ま、またかけ、かけ直す・・」慌ててスマホの通話終了の赤い丸を押すと同時に俺は咲の口で果てた







【シャー――――】結局あの後、もう2回戦して満足したように咲はシャワーを浴びに行った


その間に俺は剣一に電話を掛けるが、応答が無い・・・「ちっ、俺もシャワーを浴びにいくか・・」そう思い着ているガウンの紐を解いて咲の居るシャワールームに向かおうとしたところでスマホに着信が入る


表示されたのは息子だった、おれはガウンの紐を結び直して、化粧台の前の席に座り電話に出た


「剣一、久しぶりだな元気にしてたか?と聞くのはおかしいな・・」

咲の使ってる香水の瓶を弄りながら話す


『何?今更なんの用?おれから話す事は何もないよ?』答えた息子は聞いた事の無い冷たい口調だった


「お前の言いたい事は判る、しかしそれで、いきなり家族の縁を切るだの家を出ていくだの少し自分勝手すぎないか?」


『自分勝手?俺が?何で?』


「お前が困ってるなら何で俺や義母に相談しなかった?そうすれば・・」


『はぁ~、あのさ元義妹との関係は元義母もうすうす気づいていたはずだよ?もし本当に気付いてないなら子供に興味のない本当のクズ親なんだろうねw』


俺は先ほどのヒステリーで怒鳴り散らす妻の顔を想像して思い浮かべると言葉に詰まった


「くっ!し、しかし、それなら何で父さんにも話してくれなかった?」


『いやいや、父さんさぁ俺たち家族の様子を誰かに聞いたり確認したりした?少なくとも俺は聞かれてないよ?普通これだけ家を空ける日が続くなら多少なり家族が気になるもんだろ?』


昔から頭の回転の速い子供だったが、最近は也を潜めていたのに今日はどうしたのか・・こちらが追い込まれる


「そ、それは・・・お前達を信頼してだ・・」

『信頼ねぇ~』


「そ、そうだ俺は家族を信頼して・・

『〇〇商事の茨木支店営業2課、入社3年目の27才女性、地元栃木県出身で地元の私大を卒業して〇〇商事茨木支店に入社、そして総務課を経て今年から父さんの要る営業2課へ配属、その指導係りに父さんがなり二人で青森のメーカーへ商談出張に出向いた時に関係を持ちそれから、ほぼ毎日の様に彼女のマンションに入り浸る』


「なっ!おまっ!」俺は慌ててシャワールームの方を見る【シャーーー】シャワーの音とたまに咲の鼻歌が聞こえる


『ああ、一応元義母達には伏せてあるけど俺の事にこれ以上干渉するなら・・・わかるよね?』


俺は、前のめりになり咲の居るシャワールームを背にして会話が聞こえないように口元にもう片方の手を添える


「お、お前は!実の父親を脅迫するのか!!」


『ぷっ!アハハハハハ、何言ってんの?自分のしてる事棚にあげて何を偉そうに説教してくれてるの?wウケるんですけどw』


実の息子に自分の女性関係を暴かれて、親の尊厳もプライドも消え失せた、会社にバレたら、家族にバレたら・・頭が混乱する


「お、お前などもう息子でも親子でもない!何処へでも勝手にいけばいい!親子の縁はこれで終了だ!」


おれは咄嗟に、息子に向かって捨て台詞を吐く


『ああ、イイネwそう来なくっちゃwああ因みに俺、未成年だしね叔母さんとの養子縁組する旨とその親権を叔母さんに譲る旨を記載した公文書関係の書類を郵送で送ってるから1週間以内に必要事項を記入して同封の返信郵便でおくってね』


息子の手際の良さに、背中に冷たい汗が滴るのを感じる


「お前というやつは!金輪際お前の生活費も学費も支援しないからな!」


俺はお金という大人の力に縋り、再び息子に対しどちらが優位なのかはっきりさせる


『ふっ・・ハハハ、アハハハ』しかし、俺の言葉に息子はこらえきれず笑い出す


「な、なにが可笑しい!ガキが生活の事も考えずに親を馬鹿に・・

『不動 けんいち  って、聞いたこと無いか?』


「ふ、不動・・?確か死んだ妻の旧姓だが・・それがなんだ?」息子は突然、昔死んだ前の妻の旧姓を言い出した


『はぁ~~本当に世間知らずだな・・よくそんなので主任出来てるな、まぁその程度だから主任止まりなのかな?』


俺が気にしてる事をーーー!馬鹿にされて頭に血が上る


「お、お前!親に対して、どの口が

『ググって検索してみよろ、ふ・ど・う・け・ん・い・ち、てよw』


俺は通話を保持しながら、検索エンジンに 「ふどう けんいち」と入力し検索したが、一番上の表示は昨年くらいから大人気の売れっ子小説家の名前しかヒットしない

この小説家は俺も名前は知ってる、作品のほとんどが映画化やドラマ化されてると大ファンの咲から何度か聞いた事があったからだ


「ちっ・・検索したが、最近話題の人気小説家しか出てこないぞ・・何が言いたいんだ?」


『はっwその人気小説家って俺の事だよw』

え?一瞬息子の言ってる事が理解できなかった・・・


「!?な、な、なに!?お前が小説家の不動 けんいち だと!?」

ば、ばかな・・偶々死んだ元妻の旧姓が不動で名前が剣一だからって俺を騙そうとするにしても、もう少しましな


『まぁ別に信じてもらわなくて結構だけどよ、叔母さん・・つまり母さんの妹の純香さんが何処に勤めてるか知ってるか?』


前の妻の葬式の時に会ったきり、口論になって疎遠になったが確か・・・

「た、たしか・・大手の出版社に・・!?、っ という事は!ほ、本当に!?」


『まぁ住む所は、叔母さん通じて出版社に年間で3冊は俺が執筆するとの打診したらポンと都内のタワーマンションの最上階をプレゼントしてくれたよw』

『生活も、学費も心配頂かなくて結構だ、アンタが4回人生やり直して得られる収入を俺2年で稼いでるからw』


自分の息子が、既に社会で大成功してる事実に驚愕し嫉妬する


「お、お前というやつは!何処まで根性が腐ってるんだ!」


『おい、あまり俺を舐めるなよ?この通話も録音してるしな何時でも、お前の不倫映像や証拠を世間にバラまけるんだぞ?書類処理が完了すればお前とは赤の他人だ、あまり俺の機嫌を損ねるなよわかったか?』


何とか息子の隙を伺い関係の再構築を模索するが息子の無慈悲で残酷な一言で打ち砕かれた


「・・・・・わ、わかった・・言う通りする・・だから・・」


『最初から素直にそう言えよ、ああ、ちなみに郵送したのはアンタが不倫相手と過ごす為に新しく借りようとしてるワンルームマンションだしなw』


俺は部屋を慌てて見渡す、コイツは何処まで知っているのか俺のスマホを持つ手は震えてて、そのまま床に落としてしまい、その衝撃で通話は終了してしまった。




シャワーから出てきた咲は、ベッドに座り俯く俺に首を傾げながら冷蔵庫からもってきた缶ビールを俺に渡し俺の膝の上に乗って蓋を開けて飲みだした

俺は咲の風呂上がりの甘い香りのする体の上で蓋を開けると、少し飛沫が飛んで目に入りそれを見ていた咲に笑われるのだった




【ふっ・・ハハハ、アハハハ】咲の笑い声はいつの間にか、息子の勝ち誇ったような先ほどの笑い声に置き換わった










そして俺の転落ストーリーは確実に幕を開けた・・・



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る