10代の時に書いた詩(6)
天川裕司
10代の時に書いた詩(6)
「スーパースター男」
「スーパースター」、今頃になってそんな真面じゃない言葉が出て来た。人を〝ゴボ〟にするくらい野垂れ殺してやりたい。キレたら怖いんだぜ、この俺だって。誰でも出刃包丁持って相手の頸動脈掻っ切ったら、血が天高く吹き出て、白目をむくのさ。(笑)それを見てネクタイ締めたままでいい気になれば、警察はどこを走り回ってるのか。きっとこの俺は捕まる。両手に〝出刃包丁〟を持てないように手錠を掛けられて、拘置所へと連れられて行く(笑)。そんなのが俺の一部分のスーパースターだなんて、親が見たら泣いてしまう程。でも背中見せたスーパースター(臆病)がこの生れて来た不条理を克服する為に〝人を殺したい〟と五月蠅いのさ。(笑)
「不眠指数100%ノ部屋」
やりきれない程の眠気を覚えて、この部屋にたどり着いた。早く夢の中にと、この現実から絶望を覚えた。〝死ぬなよ…〟と言われても〝死ぬわけないよ〟と誤魔化す以外に何を言えるのか。書かなきゃいけない事が沢山あるんだ。誰にも邪魔させない。細かいルールなんてどうでもいいのに全く審判どこ見てるんだ。そんな日常で僕はこの世を上手く生きるために自分を売り込もうとしている。その判事が男だったら、その主人公が女だったら大変だった。色彩溢れて愛情溢れた女だったらもっと辛くなるだろう。独房の中じゃ色っぽい女の声でさえ死の恐怖で消える。勇気と悪知恵は違う。不眠指数100%の部屋はホントだった。俺の親友はその部屋から早く出たいと願ってました。それが俺の日常のチューニングポイントの一部でもある。ちきしょう、あ~あ…腹減った。(笑)
〝この人は変わる…〟というのはその人が型に嵌り易いという事だ。
偽善者というのは僕には理解できない。誰もが成り得る偽善者。生きて行く以上、早死にする事はできない。少なくとも僕は両親の為に生きなければならない。しかし世間では僕を滅亡させる方向へ導く罪が、のさばり続けている。
〝堅忍不抜〟―――堅く堪えて耐え忍んで心を動かさない事。
何故か、また頭痛がする。有りの侭に生きてみても、この頭痛がひどくなり続けるばかり。この世に生きて行く事と、理想は違う。
もう駄目さ。感動的な物を見ても聞いても、何も書けやしない。結局、僕に素晴らしい明日がある以上、書いてもその明日を苦しませるようなだけだから。だからこの文字が本当に生きて来るのは死ぬ間際だろう。良い方向か、悪い方向か、どちらかは分らないが。
世直しする気なんて毛頭ない。唯、口裏合わせて〝言った〟だけさ。
あいつは邪魔だから殺して。あいつも置いとくと危ないから殺して。あいつもいつ発作が起きるかわからないから牢屋に入れて。あいつは気違いだから殺害して…。(笑)結局殺すなんて事、生きて行く上では出来ないのさ。特に臆病には。
人殺しでなければ人殺しが捌け口と見える。人殺しになれば自分の身が不安になる。それが諦めに入る。憎しみとは難しいものだ。
〝あたしをさらって〟―――真面目じゃあ居られないよね。(笑)
こんな馬鹿らしい愛が沢山転がる世の中。それでも男と女は一緒になるもので居なければいけないらしい。やりきれないなぁ、やはり。人は二つの面を持つ。その二つを見続けられなくて、見続けようとも思えない僕はこの世を生まれたのが果たして、恵みか?人間の世界は行き先が分かる。死の向こう側は関係なく、人間の生(せい)の部分じゃない。人間は本当に愚かだ。欲望は生きて行く上で必要不可欠なもの。欲望は盲目を限りなくして行く。そんな中をクリスチャンが生きて行くのは、本来これ以上なく苦痛と幸福だ。その苦痛は生きている間の周りの穢れとの決闘、その幸福はこの世で神を見た時と、死の間際。死の苦痛は人間の恐怖の原点。死は怖いものだ。何を言っても生きて行かなくてはいけないのだ。死に対しての恵みを人間が勝手に決められるものじゃない。そんな事を考えると、又、僕は昔の僕に逆戻り、煩わしい。それが嫌だと否定して生きて行くとしても、この世の汚れに出逢う度に、その方に沈んだ自分が浮んで来る。どうしても。単に僕が生きて行くのが難しい考え方の人間なのだろう。その自分を、親の為に生き易い自分にする為には、簡単な考え方のこの世を生きる為だけの知恵を身に付けなければいけない。しかしその自分に成ろうとする度に、今度は深みのある人間に成れない、と理想の自分を盾にとって、又もう一人の自分が出て来るのだ。そう、ここ何年間も、この繰り返しだ。
「Drive to my world」
そんなやり方で女が、来るなら、男VS女の戦争だ。この時だけ甘い愛情深そうな顔して囁いても無駄さ。もう戦争は始まるのだ。振り回されるのはもう御免さ。どっちが上か、白・黒はっきり付けようじゃないか。調子に乗っていたのは本当はどちらか、哲学があるのは本来はどちらか、これではっきりするのだ。ざまを見ろ。男VS女で戦争してどちらが勝つかな。(笑)
〝女は女神があるだろ。上手く利(い)かしな。(笑)〟
〝さぁ、この重い武器はどちらが扱えるかねえ。〟
〝さぁ、これからの戦略、今までの過程で来て、どちらが上回るかな。〟
〝愛情。表裏あるその愛情。それは男も同じさ。でも男にはそれ以上外に力がある。パワーだ。どちらが勝つかな。〟
〝女は幼稚。何か困惑するとすぐ「狂い」を表に出す。それでいいと思い込んでいるのだ。しかし狂っても戦いには勝てない。狂って笑って怒っているところを遠くからマシンガンでズドンだ。…〟
〝男は今の時代、いや以前から闘わねばならない。現在、陰で女が手を回しているのだ。欲望という躰を武器にして。男はそれに溺れて、この世の主導権を女に奪われてはいけない。これから一生その陰で生き、ソドムの市を造って行く事になる。その町は今より犯罪の宝庫だ。だからそうなる前に色気ある若い女を殺す必要があるのだ。死人に口なし、それでソドム市よりは安く付く。〟
〝男のくせに、女に根負けしてはいけない。女はもはや、以前の女ではなくなった。若い世代は、その色気に任せて男を食い物にしようとしている。時代は変わり切ったのだ。今の女を全て殺して、(若者)、新しい「命」を育てるのだ。…〟
〝新しい命を男のロボットのような女にして、忠誠を誓わせる。…〟
〝どっちが上かを、はっきり思い知らせてやるのだ。〟
―――――――――――――――――――――
それに肖るのは男。どうしようもないんだよねえ(笑)―――
それで今でも〝愛だ〟〝恋だ〟って騒いでいるんだもん。男と女とは。
「THE・END」
又、人間不信になった。不安定な儘で、同じく止まらないこの時間の中を息継ぎしながら歩き続ける。…従兄妹同士でもその従兄妹がまた帰宅した後で、その従兄妹の悪口を言うという…。根底で信頼し切って居ると言っても、僕(個人)はその一場面の悪口が末々(あとまで)気になるのだ。人の気持ちを自ら思いやるマザー・テレサのような友人は居ない。求めること自体が常識でない、と言うが、それが本性だ。その本性が、その本性を否定しながら生きて行くなんて事はストレスの溜まる事。ストレスの溜まる事は嫌な事、我慢する事。続けば必ずダウンする。とかく刺激を欲しがる人間だ。最も嬉しい刺激を。範囲を知りながら先が見えない人生のゴールラインは、人をひたすら怠けさせる。何故か。〝ダサい・クサい〟なんてものは人間の流行語。真面目な〝愛〟ですら、公衆の目の前に〝ひょい〟と出りゃ、…馬鹿にされる事がある。その事実を背負いながら人はまたTVの向こうでも、この現実でも、〝愛〟なんてものを〝恋愛〟なんてのに見立てて演じてやがる。単なる金と労力の無駄遣い、生活すりゃ同なじさ。最近そういう若人(やから)が増える一方、自分は違う。本性を見せる事なくこの世の中を去ってやる。僕の夢は神様に会う事、神様と話したい。―――
それを余所に俺はこの世が憎たらしい。この世を殺してやりたい。〝なぁに、隣人を殺さず、大勢を殺せばいいのさ。〟と臆病が付き纏う。何にも言えない筈の臆病がひたすら物を言って現実に立ち向かって居る。〝道化〟でなけりゃあ通れない程、俺の臆病は荒んだ。〝もう終わりか…〟とも思える程に。
「狂気」
クリスチャン。僕は狂った。〝神様が見えない。どこに居られるのか。こんな事を呟いていれば神様は現れて下さるのか。ああ、神様が見えない。心までが盲目になってしまいそうだ。この周りに負けて盲目になりそうだ。いや、この周りに勝っても負けても僕はその時狂ってるだろう。――虐められりゃあ、その突破口は闘わずして得られない。それは逃げる事じゃない。そんなんで逃げてその逃げた先でまた同じ繰り返しをすりゃどうなるのだ?延々続いた逃げ回り旅行で結局居場所がなくなるんだ。勝つ必要がある。ただこの世間あまりに極端で愚か過ぎる。自分の為の知識と知恵で自分が捕まるのだ。警察はその人の犯罪を押さえると共にその人の才能を潰す事になり、それは常識上〝良し〟とされている。〝虐めに勝った〟と言いながら、完全に決着を付ける為、(不意打ちを喰らって殺されない為)正当防衛でその悪人を殺害した、と。その弱き少年は警察に捕まった。警察が理由を訊くと、その少年は〝警察が僕一人の時に守ってくれなかったからだ〟と。その少年は反省の色が無いからと、牢屋に入れられ一生を台無しにした。その少年はクリスチャンであった。
―――TVで、ドラマで、映画で、漫画で、少年の夢を描く場面に、暴力で正義を表すストーリーが描かれていた。その題材は分かり易く、日常の出来事にあった。ヤクザ、チンピラ、不良、気違い、虐めなどが散々絡まって出て来る。少年は自分の身を守る為にその少年誌、映画、ドラマを見過ぎていた。
ある日に、不意に気の変な非常識人のような人が包丁を振り回して少年を追い駆けて来た。少年は何が何だか判らず逃げ出した。その気違いはその少年の逃げる様を見て、余計面白くなりより早く少年を追い駆けた。いい加減疲れてもう走りたくなくなった時、その諦めの念が少年に身を守る本能を教えた。いつか見たあの場面の憧れの強者が、その相手を負かす絵である。主人公の絵だ。その時、手助けになる如くそれに似た流行歌も頭に流れ、少年はポケットに手を入れた。見るとジャック・ナイフがあった。少年は疲れて立ち止まり、振り向いて、笑いながら自分の方へ走って来るその気違い目掛けてジャック・ナイフを振りかざした。そのナイフは勢い良く空を切り裂き、その気違いの喉から胸を突き裂いた。悲鳴を上げて気違いはのたうち回り、やがて黙り込み息をしなくなった。白目を剥いたその気違いを目の前にその少年は息を切らしながら疲れを癒し、自分の身の安全を手に入れた。翌日、その少年は牢屋の中で自分の事が書いてある新聞を見た。〝十四歳の少年が酔っ払いを刺殺!!…〟と記事が載っていた。その少年の両親はクリスチャンであった。その両親は、日々泣いて暮らしている。―――
「強き光」
―――弱き者は闇を。強き者は光を。そういう時代なのか。…
しかし今、その現実を夢に変えようとしている国がある。
朝鮮である。自分達は強い。その強い国がなぜ〝核〟を手にしたままで使わずに滅亡するのか。そんなだから〝弱き者〟と見なされてしまうのだ。光を手に出来ないのだ。今、この時代にその夢を叶えてやる。この時代を新しい時代にしてやる。それも流行だろうし、従人も増えるだろう。どうせ死ぬのなら、賭けて一か八かで生き抜いてやる。本当は何も怖いものなど無いのだ。―――
僕の本心で思う事が恰好良くない。そんなような、連続だ。
「困惑した8月20日の夢の中」
混乱していた。随分長い間混乱していた。夢の中で沢山の音楽と妄想が飛び交った。飛び降り自殺もそこのベランダから、あった。エロティックなものもあった。そして沢山の紋章と証拠を探そうとしていた。でも夢だと分かっていた。僅かに〝これは夢か!?〟と疑う事もあった。でも夢だった。何回も苦し紛れにこの字を書く場面を映し出した。結構面白かった。エロティックな場面では相手の女の感覚も実感できるのだ。夢は何でもありなのだ。まさに自分の世界だった。それでも、何の紋章を捜そうとしても、残そうと試みてもそれを映し出す根底が夢ならば、全て消えるのだ。今みたいに。外は夢の中より明るかった。そして過去の記憶が甦っていた。
俺ながらに夢で良かったと思った。
「プライド―pride―」
勇気と苦悩、僕の中ではそうなっている。いろいろ転がり変わるものだ。他人(ひと)助けをプライドと〝本気〟で思う時もあれば、自分を助ける事を〝本気〟でプライドだと思う時もある。ただ死ぬ時を思えば、その先を〝本気〟で不安がら去るを得ない僕は、この世と違う場所でとの自分の勇気を、考えなければと。その時、僕は表面的に明るみのプライドを置いてその見えにくい裏に暗さのプライドを置いているだろう。僕の中のprideとは、勇気と苦悩なのだ。
〝命よりも大切なもの〟その事を思う事が出来るのも、命があるからではないか。人とは生きながらにして、死の世界を自分の中に創り上げる事が出来るのだ。
「私」
私はその人の側に立ったのではない。人間の側に立ったのだ。私は人間だから、同じ人間のその人の気持ちが分かると思ったから。
〝私は告白する。――私にはあなたをこういう形で殺すなんて、とても出来ない。したくない。――〟
〝いい、生きているから人は動く事が出来るの。他人(ひと)に感情を伝える事が出来るの。喋る事だって出来るし、面白い話や事で笑い合ったり出来るのよ。すべて生きてるからなの。私はあなたに生きてほしい。――〟
教会の人達でさえ、世間一般と同じ他人なのか。
10代の時に書いた詩(6) 天川裕司 @tenkawayuji
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