UFOの日

クロノヒョウ

犠牲





 六月二十四日はUFOの日。

 一九四七年のこの日に世界で初めてUFOが目撃された日だそうです。


 私は小さい頃幽霊や未確認モノが大好きで全て信じていました。テレビでやる心霊特番とかUFO特番が大好きでした。兄がたまに買っていた雑誌「ムー」を読むのが楽しくてしかたなかったです。


 怖いものが好きだと言うとだいたい男の人は「え」という顔をする。なのであまり口に出さないようにしてきました。昔、まだDVDをレンタルしてた頃、おうちデートで映画を借りに行きますよね。ホラーとかSFを観たかったけど自分からは言えなかった。今は好きなものを自由に観れるからいいですよね。


 あれは二十歳くらいの夏。付き合ってはいないけどいい感じの人と特設のお化け屋敷に行きました。並んで待っているとあちらこちらから悲鳴が聞こえてきます。いざ、二人で入りました。私は……脅かしにかかってくるお化けにビクリともせず声もあげず……彼がたまに「わっ」とか言うだけ。その辺の女の子みたいに「キャア♡」とか可愛く怖がればよかったものの、私にはそれができなかった。その人とは結局お付き合いすることはできなかったけれど今でもこうやってたまに思い出すほどには大好きでした。


 大人になるにつれUFOなどからは遠ざかっていきました。周りと歩調を合わせるには他のジャンルも必要だった。でもそのおかげでいろいろな本や映画もみるようになって自分の好きが増えていきました。


 何か一つのものを好きで極めるのは素晴らしいしすごいことだなと思います。でも私にはできなかった。のちに私は演劇を好きになりダンスを好きになり音楽を好きになり、今は小説を書くことが好き。あちこち浮気して結局何一つ極めていない。ただその時その時に好きになったことを精一杯真剣にやるだけ。好きなことをやるにはもちろん何かを捨てなければならない。何かを諦めなければならない。それを犠牲と言うのなら、犠牲はいくらでも払うからずっと好きなことをやっていたいものだと思う。


 UFOの日に何か書きたかったのです。

 そう、書きたいけど書けなかった。でもこれは書けなかったのではなく自分が書かなかっただけ。本当に書きたいのなら書いたはず。私はいつも自分にそう言い聞かせています。

 好きで、いつかやろうと思っていても時間という犠牲はずっとは待っていてはくれませんからね。


 あ、最後に一つ。

 映画は一人で観るべきものだと気づきました(笑)






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