第26話: 再び発見‼︎ ~隆太郎~

「見つけたわよ。今香穂ちゃんがいる場所は……」


 沙織からの電話があったのは、香穂が家を出てから、一日たった朝だった。


 寝ぼけ眼だった理恵子の目は、その言葉で覚醒した。

 すぐに支度をして、隆太郎の家へ向かう。

 連絡が取りやすい方がいいからと、健太もそこで寝泊まりしていたはずだ。


「リュウくん、ケンちゃん!!!

 香穂、見つかったって。今沙織さんから連絡があった。

 今他の人たちでその場所に行ってるらしいよ」


 隆太郎が食い入るように理恵子に飛びついた。


「ほんとなのかそれは!! 香穂が見つかったって!!

 それはどこなんだ? 僕もすぐ行く。

 ケンちゃん先いくぞ〜。

 リエは自転車使ってくれていいからなるべく早くきてくれ」


 場所だけ聞くと、玄関を開け、すぐに出ていってしまった。


「もう、どれだけ必死なんだか」


 そういう理恵子も、落ち着かない様子で、自転車を取りに出て行った。

 一人残された健太は、二人を見て


「なんだよ、そういうリエだって、急いでるじゃんか」


 理恵子も香穂ともう一度話がしたくてたまらないのだ。

 もう一度会えたらいいたいことはきっとたくさんあるだろう。


 理恵子に遅れてはいけないと思い、健太も家を出た。

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