第10話 チュートリアル大浴場(2)
「なんで俺が選ばれたのかは、分かります?」
「申し訳ありませんが、分かりません」
と、シアユンさんはあっさり答えた。
「王国の
そうか。でも、今回の場合はリーファ姫が
「これまでに召喚されたマレビトっていうのは?」
「初めて召喚されたのは約700年前で、初代マレビト様は当時の王国を
「え? じゃあ、俺は300年ぶりに召喚された『マレビト』なんですか?」
「その通りです」
それは……、伝説の存在だわ。
300年? 日本でいうと
「
「呪術師が祖霊に働きかける力とされていて、
「誰でも使える?」
「いえ。祖霊と
「それを
「いえ。呪符を用いずとも、直接その場で
「そっか。じゃあ、まだお湯が
と、俺が先生に答える生徒のように明るく問いかけると、シアユンさんは「あっ……」と、言葉に
そして、両手でそっと顔を
「も、申し訳……」
と言う、シアユンさんの言葉が続かない。
いっぱいいっぱいに
――魂は生きている。
きっとこの言葉が、シアユンさんの中で張り詰めていたものを切った。リーファ姫を
シアユンさんの細い
――早く、リーファ姫の目が覚めるといいですね。
と、思った。だけど、まだどんな言葉が思いがけず
もちろん、もっと聞きたいことは山ほどあったけど、今はこれだけにしておこう。
そう思って、
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