第7話 頑張ってる人には弱い(1)
シアユンさんに案内してもらった、本来は王族専用だという大浴場は広くて白くてキレイだった。
シアユンさんは俺の話をベッドの上でとても真剣に聞いてくれて、最終的に涙をこぼされた。
幼馴染にフラれただけでもダメージ大きいのに、その話で泣かれると、
――そうかぁ。共感されて泣かれるような話なのかぁ。
と、
その後で、俺を大浴場へ案内して
渡された
第2城壁から逃げるとき、青髪のリーファ姫を
絶体絶命のお城なのに、
とか、必死で関係ない話を考え続けるんだけど、油断すると体を洗う手が止まってて、里佳のことを考えてる。
フラれて
年上のお姉さん――シアユンさん――に話を聞いてもらって、少しはスッとするんじゃないかなんて期待したけど、今のところそんな気配はない。しっかり
異世界召喚って大事件が起きても気持ちが上書きされてない。どれだけ里佳のこと好きだったんだよ、俺。
「はぁ……」
と、何度目か分からない溜息を吐いたとき、背後からスルスルスルと音がした。
――スルスルスル?
振り返ると、大浴場の入口が開いてて、
――だからぁ! なんで無理するかな? ほんとは、そんなキャラじゃないんでしょ!?
入口の戸を閉めたシアユンさんが、どう反応していいか分からず
「ど、どうされました……?」
「マ、マレビト様……。半分……。半分、シキタリを守らせていただけませんでしょうか……」
「は、半分……?」
「い、今のマレビト様のお気持ちでは、こ、
「あ、はい……」
「せめて半分。『
なにを言ってるんだろう? この人は――。
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