終わりを迎えるその日まで

@Umasuke

第1話

俺はとある村に住んでいる、この村には昔から絶対にしてはいけないという儀式があった。

高校生の悪ふざけでやった儀式に、俺は初めて後悔した、本当にやってはいけないことをした自分に…

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俺は金木里村(かねきりむら)に住んでいる高校2年生の田島 将吾(たじま しょうご)だ

この村は人口が千人くらいという少人数が暮らす山奥にある小さな村である

高校生の数も40人ととても少ない人数である、そのため学生のみんなは殆ど顔見知りであるし仲良くしている

昼休み時の事俺はクラスで友達と一緒に話をしていたのであった

「将吾、私あの儀式やってみたいと思うんだけど、一緒にどう?」

と聞かれてしまった

こいつは俺の幼馴染で彼女である佐々木 莉奈(ささき りな)だ

昔からよく一緒に悪ふざけをしていた

「いや、あれ人数多くいないとダメだし無理じゃない?」

と言うと

「人数なら集めるしやろうよ!」

と言ってきた

こいつ…正気か?

叔母さんからよく

「儀式だけは絶対にしてはならないよ、生きて帰って来れなくなるかもしれないからね…」

と執拗く言われているというのに…

そんな事を思い出し肩のあたりがなんだか重くなった。

「で!どうなの?やるの!やらないの!どっちなの!」

と聞いてきたので俺は面倒だ、や怖い、なんて感情を抱きながらも小さく2回頷いた

「ありがとう将吾!それじゃあ放課後にね!」

という彼女の有無を言わせぬ発言により、会話は終わった。正直怖くて午後からの授業が殆ど頭に入らなかった、実際は強がっているが俺は大のビビりだ。彼女の前ではカッコつけて怖がらないが家族でお化け屋敷行った時には叫んで逃げたりもしていた。

まぁ、そんな事は言わずに心の中に閉まっておこう。

ーーー放課後

約束通りの場所で待機しているのだが、時間になっても莉奈が現れず、

(あいつ怯えてこないやつだな!)

胸の中は帰れるかもしれないと言う歓喜が支配していた。然しそんな感情も虚しく元気そうな声が。

「ごめんごめん!遅れたーー!」

と奥からぴょんぴょん兎のように跳ねながら笑顔で来る莉奈がいた。

その後ろには死んだ魚のような目をしたと奴がいた見覚えのある奴らだった

1人は高校からの知り合いである

坂口 寛人(さかぐち ひろと)

その後ろにはそのまだ小学2年生の妹の

坂口 彩芽(さかぐち あやめ)

が居た、

(え、妹を連れてきたのかこいつ、正気か?)

と思いつつ、よくよく考えてみると

こいつシスコンだったな、妹の言うことは基本的に否定できないやつだから多分どうしてもと来たのだろう。

止めてやれよ、一応儀式だぞ…

と考えつつも来たのを帰すのも可哀想なので

帰れというのはやめておこう…

そしてあと2人いる

1人は学校一のイケメンと言われている

樋口 愛斗(ひぐち あいと)

こいつは莉奈の事が好きだからおそらく来たのだろう、

(よくこいつに莉奈の好きな物聞かれたりしたな)

まぁ、好きな人に誘われたらそりゃ来るわなと

自己完結した

あと一人は知らない人だった

「莉奈、あの人は?」

と莉奈に聞くと

「あぁ、あの人はね私の友達!金谷 早苗だよ!とても良い子だから大丈夫だよ!」

この金谷 早苗(かなたに さなえ)はパッと見で思った感想としては胸元に目が行く。そしてギャルだな、と思った

「初めまして、俺は田島 将吾、莉奈の幼馴染です」

と返すと

「初めまして、あたしは金谷 早苗、儀式やるのに人数欲しいって言われたから来ましたー

儀式って何するんですかー?」

と言われた

え?こいつ何するか言ってないの?と思い誘った当人の方を見ると、

反省した様子も無く舌をだして可愛くこちらを見ている莉奈がいた。

説明も無しにこんな事に巻き込むなんて…とも思いながらも、話を進める。

「とりあえず人数も集まった事だし儀式を始めるとするか、とりあえず今の時間が18時30という訳だから、21時には集合するように」

と言いその場は1度解散することに

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集合時間の5分前の俺は着いた、

森の中なのであたりは鬱蒼と翳り、月明かりですら頼もしく思える。

俺は儀式の準備を先にすることにした

この儀式で必要な事は4つある

1.動物(なんでもいい)の生肉を用意する

2.人を5人以上集める

3.水と米とお酒を用意する

4.円状になりみんなの指から血をだし自分らの周りに血で円をかく

この全てをするために必要な道具が肉、米、水、酒、血を出すためのナイフ

この儀式は途中で終わらせてしまっては絶対にいけない。

この儀式をやっては行けない理由が多くある。一つ、

死んでしまう可能性があるということ

二つ、

儀式の途中で意識を失いその気がなくても途中で終わってしまうこと

三つ、

必ず最後まで綺麗に終わらせなければペルナルティが課せられてしまうこと

俺の祖母が言うところ昔の学校?に行ってしまうのだとか、

なぜ知ってるのかと聞くと

「経験したことがなければ止めるなどしない」

と言われた。

確かにそうだ、話だけで本当かどうかも分からないものを信じ、止めるはずがないと、しかし経験者ならば止めるのは至極当然だろう

そんな話を思い出しながら準備しているとみんなが時間通りに集まった

俺は親には一応お泊まりするとだけ伝えといた

そして儀式の準備を始めた

みんなで円になり外に一人一人手を少し切り血をだして周りに撒いた

そして呪文をみんなで言い始めた

ーーーーーーー

莉奈を初めに右回りに寛人、彩芽、愛斗、早苗と来て最後俺の番が来た時周りの空気が変わったのを感じた、

(おい、本当に大丈夫なのかこれ)

と思いつつも途中でやめては駄目なのでそのまま続けた

呪文を言い終わった途端周りの空気が歪みはじめ、意識がどんどん遠くなっていく。

しばらくして意識が闇の中に消えていく中、最後にカラスの不気味な声が響くのを聞いて、意識を手放した。

ーーーーーーーーーーーー

目が覚めると俺は見覚えのない景色の場所にほっぽられていた。

「うっ…ここは…」

ズキズキと痛む頭を抑えながら辺を見渡しても、見覚えの無い部屋である。

(他のみんなはどこにいるんだ?)

するとすぐ側には坂口彩芽がいた

(おいおい、よりによってこの子といるのかよ)

と思いつつも辺りが暗いので彩芽が起きるまで待つことにした。

スマホで時間を確認しようとしたが、何故か電源がつかない

(電源がつかない?壊れたのか…)

新品なのに、と、少し悲しい気持ちに浸かりながらもスマホを諦める。

どれくらい時間が経ったのだろうか…目覚めてから数10分ほど経過してから彩芽が目を覚ました

「うっ、うーん…」

目を擦りながら目の前の幼子は自分と同じ行動をする。

「あれ、お兄ちゃんはどこに行ったの?」

無邪気で健気な質問にどう返せば良いかを迷いながらも、嘘を吐いても仕方が無い、と思いありのままの事実を述べる。

「うーん、はぐれちゃったから分かんないな…」

と応えれば、見ていて思わず胸が痛む顔をしながら目の前の小さな彼女は続ける。

「お兄ちゃん、どこ行っちゃったの…?」

年相応に彼女は涙ぐむ。慰めと元気づける意味も込めて、小さい頭を撫でてから、にっと笑顔を見せてみた。

「今からお兄ちゃん探しに行こうか」

不安げな手を繋ぐ。自分も心のどこかでは怖かったのか、なんだか気分が楽になった気がした。

捜索開始である。

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