#4 充電完了!


薄暗い路地裏を歩いていたとき。

スマホの充電が切れた瞬間、なんと俺は異世界にいた。


「おいおい、充電ケーブル忘れたのに!?」


途方に暮れる俺。目の前にはファンタジーな世界が広がっていた。剣と魔法、そして獣人やエルフたち。


「まさか、スマホの充電が転生のトリガーだったとか?」


呆然とする俺に、一人の老人が近づいてきた。


「君か、選ばれし者よ。君の持つ力は、この世界を救うであろう」


老人は俺に古びたランプを手渡した。


「これは?」


「魔力ランプ。君の生命エネルギーを魔力に変換する。さあ、充電せよ!」


半信半疑でランプを握りしめると、体内からエネルギーが湧き上がる。ランプは光を放ち、周囲を照らし出した。


「これが、俺の力……?」


戸惑いながらも、俺はランプを掲げて歩き出した。魔物に襲われる村、干ばつに苦しむ大地、争いに明け暮れる人々。


俺はランプを掲げ、魔物を撃退し、大地を潤し、人々の心を繋いだ。

なぜランプの光で解決するのかは不明だったが。


「充電完了! みんな、元気出していこうぜ!」


俺の声は世界中に響き渡り、人々は希望を取り戻した。


そして、世界が平和を取り戻した時、俺は元の路地裏に戻っていた。


「あれ、夢だったのか?」


手には光るランプ。そして、スマホの充電は100%。


「いや、夢じゃない。俺はこの世界を充電する、選ばれし者だ!」


俺は胸を張り、スマホのライトを点けて夜の街を照らしながら歩き出した。


もちろん、この世界では変人扱いされた……。


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