第3話 恐怖の茶会

「さて、皆さん。今回は、村上一郎が桜庭館の茶会で体験した恐ろしい出来事の続きをお話ししましょう。前回、一郎は不気味な前兆に翻弄されながらも、何とか茶会を終えることができました。しかし、この夜の恐怖はこれで終わりではありませんでした。では、その続きへとご案内しましょう。」


茶会が終わり、仁一は一郎を茶室の外まで見送ろうとしました。静寂の中で「コツコツ」と足音が響く中、二人は庭園を歩いていました。しかし、ふと立ち止まった仁一が一郎にこう言いました。


「村上さん、今夜はお泊りいただけますか?この館には、夜になると奇妙なことが起こるのです。」


一郎はその言葉に驚きましたが、仁一の真剣な表情に押され、泊まることに同意しました。


「仁一さんがそんなことを言うなんて、ますます不安になりました。でも、何かが起こる予感がしていました。」


その夜、一郎は桜庭館の客間に通されました。客間は静かで落ち着いた雰囲気でしたが、どこか寒々しい感じがしました。床に敷かれた布団に横たわり、一郎はしばらくの間、眠れないでいました。


「布団に入っても、なかなか眠れませんでした。耳を澄ますと、何かが動くような音が聞こえてきたのです。」


深夜、館の中が静まり返った時、「ギシギシ」と古い木の床が軋む音がしました。一郎は目を覚まし、音のする方を見ましたが、何も見えませんでした。それでも、音は確かに聞こえてきます。次第に、その音は「コツコツ」と階段を上がるように変わりました。


一郎は布団の中で身を縮め、心臓が早鐘のように打つのを感じました。音が近づいてくるにつれ、冷や汗が背中を伝いました。突然、部屋の障子が「スッ」と開く音がしました。


「その時、全身が凍りつくような恐怖を感じました。障子の向こうに何かがいる、そう感じました。」


一郎は恐る恐る障子の方を見ました。薄明かりの中に、白い着物を着た女性の姿が浮かび上がっていました。彼女の顔は青白く、目は虚ろで、まるでこちらを見透かしているかのようでした。


「その女性は、まさに幽霊でした。目が合った瞬間、全身が震えました。」


女性は何も言わずに一郎を見つめ続けました。その視線に耐えきれなくなった一郎は、思わず叫び声を上げました。「うわぁー!」その瞬間、女性の姿は消え、障子も元の位置に戻っていました。


翌朝、一郎は仁一に昨夜の出来事を話しました。仁一は静かに頷き、こう言いました。「村上さん、それがこの館の秘密です。あの女性は、かつてこの館で悲惨な最期を迎えたお夏という者です。彼女の霊は今もこの館に留まり、時折姿を現します。」


一郎は驚愕しつつも、仁一の話を聞きました。お夏は仁一の家族に深い恨みを持っており、その怨念が幽霊として現れる原因となっていました。


「仁一さんの話を聞いて、やっと昨夜の出来事の意味が分かりました。でも、それが終わりではないことも感じていました。」


一郎と仁一は、お夏の霊を鎮めるために霊媒師の清水を呼ぶことを決意しました。二人は力を合わせて、桜庭館の恐怖を終わらせるための準備を始めました。


こうして、一郎は桜庭館でさらに恐ろしい体験をすることになります。次回は、お夏の霊との最終対決についてお話ししましょう。それでは、またお会いしましょう。

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