漫画と町中華
のすけ
漫画と町中華
私がそれらと出会ったのは小学校1年生の時であった。父親が所属する草野球チームの飲み会に同伴した時である。暇を持て余す中、ふと町中華の店内を見渡すと一角に輝きを放つものがあった。漫画であった。彼らは大量の油が使われたであろう中華料理よりも輝きを放っていた。気が付くと私はある漫画を手に取っていた。「浦安鉄筋家族」と書かれていた。私はその日、雷に打たれたような衝撃を受けた。ゲームや外での遊び以外にこんなにも面白いものがあるのだと。以来、私は漫画と町中華が大好きになった。
小学校高学年になるとスポーツ漫画に没頭するようになった。そして漫画の主人公のようにライバルとの熱い勝負や仲間達と高め合うことに憧れ野球を始めた。その後中学に上がると大人ぶって小説に浮気してしまった。そして漫画とは少し疎遠になってしまった。しかしすぐに私は漫画とヨリを戻した。理由は単純なものだった。恋である。学年で1、2を争うマドンナと漫画の話題で急接近した。さらには彼女と私の好きな作品が同じだったのである。私は光をも凌駕する速さで恋に落ち、お付き合いをした。漫画は運命の赤い糸になってくれたのである。
一方で町中華もそんな役割を果たしてくれた。私が高校や大学へ進学した当初は友人がなかなかできずにいた。そんな時に助けてくれたのが町中華だった。漫画の話題や町中華での食事を通して最高の友人達に出会えたのである。両者は自らの人生という名の物語を豊かにしてくれる。さらに言えば漫画の中に存在する世界は独立した存在ではなく私の人生という名の物語の一部なのである。つまり漫画は町中華であり、町中華は漫画なのだ。私自身も何を言っているのか分からない。ただ両者は誕生した当時から根本的な姿・仕組みは変わらずいつも私たちの傍で見守ってくれている。私の人生の転換期にはいつも両者が存在した。ありがとう漫画と町中華。私は今日も町中華へと足を運ぶ。
漫画と町中華 のすけ @nosuke_1001
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