アメリカの自由

道草与作

第1話

 もう風俗に行けないと知って、はあまたかと落ち込んだ。感染状況がB型肝炎で悪くなったりよくなったりするので、一時解禁されていた風俗も、辞めることにした。


まあ気合いを入れれば手コキだけで、俺専用風俗嬢を作れると思うのだが、それはとっておきに封印しとこう。マッサージとかそういうの組み合わせれば出来うるが、マッサージでも本番が出揃ってるのだから用心が必要だ。まあ所詮、風俗は風俗だし、女は女だ。所詮産まれた時から母子感染だから最悪だ。B型肝炎をお袋にうつしたのが日本の注射なのかもわからない。


B型肝炎訴訟は生活保護があるのでやめた。蒸し返してもいいが三百万円である。億は損害がでてるところなので、実際には肝炎訴訟なんてインチキくさい。双極性障害も億だ。基本年収は億に届いていた。まあいい。公務員だった頃が夢のようだ。俺はb型肝炎で社会人というものにうまくついていけなかった。社会は健康な奴隷にしか道を与えなかった。今沸々と小説家として再びやっていけるのではないかと思う、要するに人間というものは何らかの奴隷だ。俺もなんか奴隷になりたくて仕方ない。公務員試験の勉強なんかまだしてるし、小説も書き始めた。俺はまだ奴隷としていける。少なくともまだ世俗に通じている。廃人なら廃人で構わない。世間というやつは奴隷でいるのが好きなんだ。そして俺は奴隷として疑問を持っていることも見せている。まあそういう。人間らしさは残しておかないとダメだと思う。それにつけても公務員の奴らのメンタル疾患への差別的な振る舞いには目に余るものがある。俺がH大学の掲示板を躁転して荒らしてしまったら、俺が初年度喧嘩した変な先輩がのこのこと荒らしにやってきた。この先輩は要するに公務員という特権階級を失うのが怖いし、落伍者を馬鹿にしたがっているが。どうせこいつ自体が一つの落伍者なのだろう。こいつとの因縁はこういうことだった。こいつは高卒なので舐められないように気を張って生きていた。役所はキャリア制と言って、大学卒特に東大などが牛耳っているので高卒などは悲哀を招くこともある。いや実際そこから苦学して大卒の資格をとって官位を上げる人もいる。通信教育で地方支部で上位に着く、確かNo.3位に上位に行ったあの人は偉かったが、高卒で働いてせいぜい係長として仕事の出世コースがないと歪んじゃう人が結構いるわけだ。まあそれでも地方の係長にのぼってまだ満足できているだけ成長したではないかね。

「はい、中野課長」

「村田くん。君のいる公務員と私のいたブラック印刷会社では労働環境がまるで違う。君は君で公務員の世界に不満はあったかもしれんが、私は私で義憤に駆られて経済学でも学ぼうかとそれは結局ただの趣味になっていたが、同時に私はボヘーっとしてる公務員業界に喧嘩を売っていた。君は舐めていると言ったが、そりゃそうだ、お業務中ゲームなんかやってる君をハードワークで洗脳されて自分は革命でも起こすんだと思い上がった俺に、自分が仕事ができるとアピールしたところで、売り込み方が業界すぎる。公務員業界で通用することと、印刷業をかじった俺のやり方が齟齬を生むのも頷けんかね。僕もね。悪かったよ。あの時僕はまだまだガキだった。今もたいして変わらないがね。本当に悪かったよ。公務員で挫折して十六年窓際族やった俺のやり方も拙かった。正解はね。医者なんか信用せずに自分で精神医学を学んで、もっと薬だけでなくカウンセリングを重視して金銭感覚を身につければこうもキュウキュと経済的に嘆かなかったさ。まあ君にしたところでそうだろう。君はH大学の出身者を一人廃人に追い込む手助けをした。だが君は野心家だよ。君を僕の王国で課長補佐にしてあげよう。どうだね。小説の世界で課長を目指してはどうか?」

「いややめておくよ、これは君の作ったゲームか。ずいぶん大掛かりなものだね」

「結局、みんな奴隷になりたいのさ」

「君は神にでもなったつもりかな。小説の世界の神様だ。でも君の世界はすっかり歪んだものだねえ。君は何をやっても自分のために世界を歪めてしまう。私小説ばかり読んでいてそれに感化されたのかな。君みたいなプチ太宰治みたいな異常者が俺をあの時いじめに走らせたんじゃないか。君はそんなに何を求めている?」

「若い頃、人間失格を読んで、作家になりたかった俺は、悪魔に魂を売ろうと考えてやっぱり神の方が強いと思うが、神に洗礼して従っても、神のやり方にはおかしいと思う。かと言って自分が悪魔には従えない俺は、自分が神になることを思いつくとは言っても小説の上のことだ。神の視点では俺が神になるから色々小説の世界では神の気分を味わえる。せめてただ一作は本物の小説が書きたい」

「そういうわけか、君は存在の秘密に気づいたか」

「ヨブ記という文学があるがあれはなぜこの世には苦しめる人々が存在するのかということだ。俺の答えはこの世は理想的な世界を作るための神の実験場だということだ。もちろんこれは仮説だが。神はおかしいヨブにわかったふりをさせているが本質的には神の実験にヨブを突き合わせてるだけだ。君は神はいないと思うか? だがこの複雑な世の中を統一する原理がないとやっていけない。存在するなら原理がある。だが苦痛やこの世の残虐はなぜあるんだ?」

「君は確かB型肝炎で社会に出て苦しんでいた。そもそも酒社会の公務員で、酒が飲めないのいうのはハンデ、先輩にいきがっても通用せず、酒が飲めないから、生意気な態度をとったことを注意されず、そもそもそういうことを教育するのが昼間ではなく酒の場だという理不尽、肝炎で酒が飲めなくても、茶でも飲んで指導しようとはせず、結局仕事を教えずに、仕事でつぶすようになった。それが悪いか。それが世の中だ。それが役所だ。いつまで学校にぶら下がっている。君は悪魔に魂を売りたくはないのだろう」

「だがことは神学的様相を帯びてきた。俺はこの作品が神学的様相を帯びていると思うが、神にも悪魔に深入りしたくない」

「自分が霊的にまで搾取されるおそれがある。神も悪魔も信じられないというわけか。そうだよな君はクリスチャンになったが女性問題でストーカー騒ぎが出て本質的に神に逆らう自分の哲学的本性のニーチェやマルクスに対して悪魔側かなとも思うが悪魔も神も要するに同じようなものだろと思うんだよな。」

「要するに、自分の身に神学小説なんか書いてると霊障が出るんじゃないかと」

「思えば僕は無神論から先ほど読ませていただいたきけわだつみの声の日本兵士の方の手記を読むあたりから有神論にシフトしていって、神様助けてーって方法に縋るようになった。まあそうすると確かに後でいいことあるような気がしたが、実際神様はいるんだろうなと思うし、神学小説なんか書いてると恐怖心が起きる。神と悪魔の戦いに巻き込まれていくような。それはKメンタルで言われたナルシズムのような気持ちな訳だ。

神様は多分小説を書くように失敗することもあるはずだし、全知全能だけど全知全能って時にはできないってのできるうちになるのではないかな。わからんわ。神の気持ちなんかさっぱりわからない。


ブッタの気持ちもわからない。


神のやり方に従うか。おれは結局神ではない。神の視点を使っても使いこなせない。

一人称で行くか。


2


時系列で年表使って説明する。

1972〜

生まれつき頭が悪く、自分が頭がいいと思い込んだ幼少期。

1980〜

度重なる引越しでいじめられる

1990〜

大学に受かったが受かった学歴を活かせず、病気ざんまいの人生。

B型肝炎、視覚障害、双極性障害、二型糖尿病

公務員をやっていたが落ちぶれ、窓際族になって退職。

人生残りの間際にノーベル賞を全部取るといきんで、実家の親父を警察に引き連れ躁転してますね。と入院、躁転は治ったが実家暮らしを失い、グループホームに行く。一軒めのグループホームとは四日前に申請を出さないと外出できないで揉める。結局一年近く入院して二軒目を入院して一年ようやく見つける。ようやくここまできた。もう入院はうんざりだ。かと言って目も悪く、精神の方もウンザリするように悪い。そもそも障害者がこの先人権を抑圧され食い物にされる。人生に何の展望もないが、どうしろってんだ。まあ俺のカンだがここらが本当の正念場だ。衣食住の住が損なわれての入院暮らし、住には生きる意味も住居も含む。生きる意味は失ったし、強度とやらもない。二軒目でようやくまともなグループホームなのか、ここも収容所ジャパンの中だ。


日本が収容所だと気づいたのはつい最近のことだ。この国には裁判には低所得ではかかれない。投票しても政党が機能しない。行政は学システムが立ち遅れ意味不明。マルクス経済学と主流派経済学の馬鹿馬鹿しい争いで世は乱れている。具体的にはブラック企業が多い。人権侵害が多い。学問が完成しないのはロックフェラーやロスチャイルドなどによる妨害があるのではとやっかまれるほどだ。特にそこそこの大学の社会学部を出てもろくに就職がうまくいかず。社会の底辺で搾取労働に苦しむ。役所に転職してすったもんだするが相当良くできている収容所であっ脱出口はない。そして神がそのバックにいる。なぜなら神はこの世の全てを作る原理なのだから、この世が良くないならば神も良くないはずなのだ。


まあ神を信じないほうが、洗脳されにくくっていいかもな。どうもあの教会に信者としてのこのこ乗り込んでいって以来碌なことがない。ヨブ記なども読んだが、神が悪魔を従えて人間に悪をなすのに対抗するには要するに神を人間が倒して、新しい神の座につかなければダメだろう。この神様は完全やる気なしだ。


要するに収容所ジャパンに暮らしてるんだから神に逆らってもよかろう。正直言って



逆らいたくないが神様が仕事を投げている。


4結局、運が悪くてウンザリだ。B型肝炎までは割と普通だったのに。


何でこんなダメな人生なんだろう。まあb型肝炎も双極性障害も糖尿病も緑内障もよくある病気だがな。しかし本当に神様がいるならここで全ての病気を癒してくれよ。そうもいかないみたいだな。神様なんて祈っても無駄だな。


結局のところ、もう自分の人生は個人情報だから書けないんだ。小説家失格さ。


京太郎くんのようなまっすぐな少年が素晴らしく背負ってくれればいい。まあわからん。

病んで何にもなれなければ、そのことを憎むものだ。京太郎くんと俺は変わらんよ。殺人には興味はないが俺も極度のオタクだった。女と付き合えず絶望したものだ。そうなんだ、男なんて女と付き合えない程度で絶望するんだ。笑っちまうだろう。あと地位だな。地位で負けると凹む。あとなんだかんだ自分が闇の存在になると凹む。自分は絶対いい人間でいたいのさ。でもいい人間ってなんだ? その時言葉は回復した。You can’t expose your story。いい人間か。俺はいい人間でいたい。でもいい人間ってなんだ。世の中堕落した腐敗物で満ちている。本当はいい人間なんていないのかもな。でもだからこそいい人間のフリをしたいのだな。どいつもこいつも腐ってるよ。

京太郎くんの小説を書いてやろう。君は地位に目覚めたあんなに振られる。あんなも愛を失ったところでどうでも良くなる。結果殺し合うのさ。つまらないな反吐が出る。結局な京太郎は病むんだよ。それであんなも病む。病んだもの同士メンヘル村に来るのさ。まあまあだなリアルでもありそうだ。今日もメンヘル村は穏やかなもんだ。生活保護でキュウキュウとして医者や看護師のモルモットになるんだ。俺の人生あいつらの畑みたいなもんだ。


ちょっとだけおまけしてやろう。


京太郎君に俺の人生を分けてやろう。

俺のb型肝炎を背負えばいい。俺の双極性障害を背負うがいい。俺の緑内障を背負うがいい。俺の二型糖尿病を背負うがいい。どうだ? 何が見える。闇の力ってのはそういうものだ。

俺はリアルでこれだけ病んでいる。君も闇の権力につきたいなら病んでみればいい。


ああ、それはいい人間のすることじゃないか。いい人間か。いい人間ってなんだろうか。中2哲学だぞ。これは結構難しい問いだぞ。そもそも人間自体が邪悪、その大元の神も邪悪なんじゃないか。神ってのがな。そもそもちゃんとしてれば俺みたいな病気にはならないはずだよ。病気はなぜあるんだ? 神がそれを作ったからだ。じゃあやっぱり神からしてこの世界は邪悪だろう。

まあ俺もb型肝炎の極度の中途半端なオタク。彼女作るのが一苦労だし、双極性障害でリアル彼女には捨てられた。

まあ俺も彼女の何を好きだったんだろうな。

B型肝炎ワクチンを打ってもらわなくても感染大丈夫だったからセックスしてたけどあの時ワクチン打って貰えばよかった。

大学の時、b型肝炎キャリアだと気づいた。大学の時は我慢したがブラック企業に勤めると感染の危険はあるが風俗へ。


それで労働条件が悪かったから風俗に行ったっていうけど、すけべだったからだよね。

でも心ではそれを気にして経済学にのめり込んだ。


だけどb型肝炎キャリアだけど風俗行ったのは勤めてたのがブラック企業だったから? もちろんそれもあるけど、すけべだったからだよね。ブラック企業をなくせばB型肝炎キャリアでも風俗行かない?

どうかな。


結局自分の快楽のために行くんじゃないかな。


風俗嬢はワクチンを打ってくれん。じゃあどうしろというのさ。禁欲かい。イライラする。じゃあうつしちまえ。結局禁欲して、どこかで破綻する。母さん。ひどいや。

すごい贈り物だよ。


B型肝炎。呪われた病。


















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アメリカの自由 道草与作 @kusareosyou

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