デバフスキルで世界最強、困っている配信者を助けたら配信が人気になりました
@kaminetu
第1話
誰も見てくれない……」
深海のダンジョン地下、薄暗い海の中のダンジョンのような場所。俺は【デバフマジシャンのダンジョン討伐】と書かれた配信画面を眺めていた。
その横には、悲しいことに同時接続者0人と言う夢も理想もない数だ。現実は夢を見せてはくれない。現実は悲しく心細いものだった。
一つだけ残っているコメントは、「つまんねぇ」のみ。もちろんその人はすぐに消えていった。
デバフマジシャンは、俺の配信者としての名前だ。本名は魔原青木、高校一年生、彼女いない歴=年齢。ダンジョン配信してはや一年、ベテランでもなく初心者でも中級者でもないが実力はトップクラス。
世界中にダンジョンが突然現れて以来、一攫千金を求めた人たちがこぞって集まった。だが簡単にうまくはいかずに今はお遊びみたいなものだ。同時に配信での収益化もはじまり、配信ブームが一気に広まった。
勿論話題性としては難易度の高いモンスターに挑むのはいいが、基本はキャキャウフフの弱い魔物を狩るものばかり。
そんな俺も人気配信者になろうとダンジョンないにいるのだが人気は皆無だった。
もちろんできることはしている。ただ配信するだけじゃなくて、SNSで告知したり(フォロワー0人)、わかりやすい初心者動画をあげたり(視聴回数2人)、交流をしようとしたり(オフ会0人)
だけど、一向に人は集まらない。それはそうで知名度が低すぎる。そのため工夫が足りないとはいえダンジョンの難易度は高いと言っていい。これ以上上のダンジョンを探すのはない。何故なら一番難易度の高い深海のダンジョンの中にいるんだから
そのとき、ピロンという軽快な通知音が聞こえた。同時に接続者1人と表示される。
あまりにも驚いた俺は、笑顔で挨拶を返した
「デバフマジシャンのダンジョン配信へようこそ」
これは、俺が考えに考え抜いた挨拶だ。歓迎されて喜ぶはず。
ーーやべぇ変なうさんくせぇ動画に来てしまった。
ちなみに朝昼夜兼用の挨拶なので、時間は関係ない。
反応は不快感を強く感じるものだが笑顔を見せて視聴者にサービスをし続けるちなみに今の俺は、マントをつけてピエロのような格好をしている。マジシャンなのだからピエロがいいだろうと思い装備しているのだ。
以前、スーパーで買っている安いやつだ。俺の配信にも相応しいためお気に入りとしてきている。勿論普段着としては着ない。だって目立ちすぎる下手に身につけたら変質者と言われるかもしれない。
ーってかここはどこだ。初心者専用のダンジョンではないみたいだけどCGか?”
そのとき、続けてコメントが2つ目。俺は嬉しくなった。
「ここは深海のダンジョンです。難易度は未知のダンジョンでレベルはカンストしないと相手にはならないダンジョンです」
ーやっぱりCGじゃないかよ。こんな雑魚が行ける場所じゃないんだよ
「そ、それでは私は主様を討伐する!」
配信を固定しながら、剣を投げた。しばらく無言が続く。
「そこには種も仕掛けもございません
ー何もおきねぇじゃんハッタリか?主様なんていないんだよ。主はSSランクのモンスターだぜ。こんな簡単に姿を現すわけがない。
最後に右手の人差し指と中指をピンと立てる。
「ホリや釣れたぜ。主様をよ」
主様は剣を刺さり可哀想な感じだ。だが主様も当然魔物、誰かが討伐しないといけない。
【王者のデバフ」
そして俺は主様にめがけて突っ込む。当然主様は抵抗するが俺の素早さに目がついていけずに深く一発殴った。殴っただけで大きなダメージをくらい主様は滅びた。
ダンジョンが現れて以来、多くの人が【能力】を得た。それは個性が反応されているらしく、俺は【デバフ魔法】を使っている。
今のはスキルの一つでしかないが、まぁ弱さも調整はできる。今回はスライム並みの戦闘力までダーンさせたが、やろうと思えばもっと弱らせることもできる。
「魔物もマジシャンには勝てないか!!」
かっこよく言い切り、俺は配信を見つめたが 返事はない。だがどうやら試聴人数は変わっていないみたいでホッとした。
デバフスキルで世界最強、困っている配信者を助けたら配信が人気になりました @kaminetu
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