【ASMR】終末の世界で自壊出来ない彼女と壊れゆく君

ちゃんちゃらめ

第1話 エピソード0

「予定期間の経過を確認。オリジナルとの一致率7%と算出。前回の一致率と比べ3%の上昇を確認。聴覚器官が38回ぶりに発現したことが一致率上昇の理由と推測。一致率の低さを懸念する。しかし、肉体の大規模な成長の低下を確認、以後肉体は成長から老化と呼ぶべき過程へ変化すると演算。装置内の成長液を50%排出し、マスターの体を回収する」


SE:カプセルが開く音


「おはようございます、マスター。今日は何をしましょうか?」優しい声


SE:オープニングになりそうな音


【間】


SE:地震とコンクリートの破片が落ちる音


「了解しました。このお方をマスターとして登録します」


「前マスター……いえ、マスターのお父様とお母様は如何なさいますか?」


「償いを……かしこまりました。では、命令に従い、私とマスターは地下1253階の核シュエルターへ移動。その後、通路の破壊、隠蔽を行い、以後はマスターのお世話及び通路を除いた全設備の維持と管理に務めます」


SE:数発の銃声が断続的に続く


「マスター、お時間がありません。お父様とお母様にお別れの挨拶を……よくできました。では、行きましょう」


SE:エレベーターのドア音

SE:エレベーターの降下音


「脈拍が乱れています。不安なら手を、繋ぎましょうか?」


「暖かくて柔らかい手ですね。ですが少し震えています。まだ、不安ですか?」


【間】


「そうですか。では、こうしましょう」


「ハグです。今のマスターに最も効果的なアクションだと演算されました」


「マスターは何が不安でしたか? ノアに教えてください」


耳元


「銃声・・・・・・あの大きな音が怖かったんですね。大丈夫です。シェルター内にマスターを傷つけるものはありません。」




「マスターのご両親は世界を終わらせに行かれました。あの二人は世界で最も聡明な夫婦と呼ばれたお方です。そのおふたりが開発したミサイルが衛星軌道上の侵略衛星から発射されれば地上は瞬く間に熱と放射能に覆われるでしょう……人類の罪は地球の生命体の全てと共に清算されるはずです」


「どうしましたか? これは失礼しました。まだ、5歳のマスターには難しすぎたかも知れませんね。ですが私が様々なことをお教えしますからね」


「さあ、もうすぐ地下1253階、マスターの新たなお家に到着しますよ」


【間】


「着きました」


SE:チーンって音

SE:エレベーターのドア音

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