2-18

 北門に着くとギルドで登録してくれた受付嬢がいた。

おろおろしてて落ち着きがない様子だった。


「受付嬢!状況は!?」


「カイ様!北門はAランクの魔物が2体出現し、ギルド長率いるギルドメンバーが1体を倒して2体目の討伐最中です!…ですが1体目の討伐報告からずいぶん経つのですが連絡がなく…」


「わかりました!俺も向かいます!」


そして俺はナックルバックルを手に持ち、ベルトに装着した。


「変身!」


全身に防具が装備されていく。

受付嬢は大きく口を開けてみている。

そういえばリン以外の人前で変身するのは初めてだっけ。


「カ、カイ様…それはいったい…」


「俺の職業はヒーローですよ。ヒーローはかっこよく変身して戦いに臨むんです。では、行ってきます!」


脚力強化×2


 俺は北門を出て急いでギルドマスターたちのもとへ向かった。

途中、休憩している冒険者?だろうか。

黒いコートのような服を着た男の人が町に向かって歩いてむかっていったのが見えた。

きっと街に戻ってる途中なんだろう。

俺も急がないと。


***


 北門を出て2分くらい走っただろうか。

まだギルドマスターたちの姿が見えない。

脚力強化をかけて2分ほど走っているのにおかしい。

一度止まって辺りを見渡す。

すると…倒れこんでいる人が一人いた。

急いでその人の所へ向かう。


「大丈夫ですか!?ひどい大けがだ…」


ヒール×2


「ギ、ギルドマスターたちが…」


「もう少しだけ待って!今この状態でしゃべるのは危険だ!」


「頼む…俺はある程度でいい。ギルドメンバーたちは相手の結界の中に閉じ込められていて姿が見えない。俺はたまたま結界に入らないところにいたが…ぐふっ!」


男は血を吐き出した。

よくよく見ると男の傷は刀のような切り傷で方から腰に掛けて大きく切り込まれている。


「すみません、今はこれくらいの回復しかできませんが致命傷は避けれるはずです!」


「ありが…とう…、結界は…すぐそこにあるはずだ…。頼む…」


そして男は黙ってしまった。

大丈夫、眠っているだけだ。

ある程度回復魔法をかけてから俺は頼まれたギルドメンバーの救出に向かう。

結界がすぐそこにあると言っていたが正直どこにあるのかわからない…

それに結界の壊し方だって…


「とりあえずやってみるか…」


ファイアボール×2


両手を横に広げてファイアボールを放つ。

とくに異常はない。


ファイアボール×2


すこし角度を変えてまた試してみる。

すると右手で放ったファイアボールがすぐに消えてしまった。


「そこだ!」


脚ノ型 必殺 飛蹴!


俺は高く飛び上がりファイアボールが消えたところに向かって真っすぐ足を出して地面に向かって落下していく。

すると


バリン!


謎のにぶつかりガラスが飛び散ったようになる。

これが結界か!?


「増援か!?」


結界があったところにはギルド長と戦士の格好をした大男、それから僧侶のような女性が立っていた。


「な、なんだよ、これ…」


ギルド長の周りには5人ほどが攻撃をくらったような跡がありその場に倒れていた。


「やつじゃ!やつにやられたんじゃ!」


 ギルド長が指さした先には片手に杖、もう片方の手に刀をもった顔が2つある魔物、フタガオがいた。

人型のAランクモンスターで攻撃力、攻撃魔法が高いらしい。


書物には載ってたけど遭遇はそうそうないと読んだ。

そんな魔物がどうして…

考え込んでいるとフタガオは俺のように向かって飛び込んできた。

とりあえずこいつをどうにかしないと!

俺はさっきの3戦に続き4戦目が始まった。

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