第6話:使えなかったコンドーさん。

新婚さんの時、マンションに住んでたんだけど、僕が仕事から

帰ってくるとキッチンテーブルの上に20センチ角くらいのビニー

に包まった何かがデ〜ンと置かれてあったらら、ちょうと夕食の

支度をしていた麻美子ちゃんに「これなに〜?」って聞いたら


な、なんとコンドーさんだって言うじゃないか。

なんでそんなものが・・・コンドーさんなら僕が薬局でうす〜い

やつを厳選して買ってきてるのに・・・。


そしたら昼間、コンドーさんいらないって、おばちゃんふたりが来た

んだそうだ。


最初は「いりません」って断ったらしいんだけど、「どうせ、使うでしょ」

「買っておいても腐るもんじゃなし」って言われて「そうだよね、どうせ

使うしね」って思って買ったらしい・・・・。


メーカーも分からない、まがい物かもしれないコンドーさんに一万五千年も

おばちゃんに取られて・・・。

そりゃ買ったんだから使わないと、もったいないって思ったんだけど・・・


ビニールを開けてコンドームを一個袋から取り出してみたんだな。

そしたらなんか粉がいっぱいついてて・・・一個使ってみようとしたんだけど

・・・で結局使わなかったんです。


使えなかったってのが正しいかな。

それはね、僕の僕ちゃんにコンドーさんのサイズが合わなかったのです。

コンドーさんの方が小さかったんですね。

それか僕のが大きかったか・・・・自慢するわけじゃないけど多分後者でしょう。


麻美子ちゃんはまだ若かったから、押し売りを追い返す強さはまだなかった

んんですね、その頃は・・・。

今なら「いりません」の一言で終わっちゃうのにね。


つづく。

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