第15話 テンション・リゾルヴ
【前回のあらすじ】
レもん「
# ♪ ♭
「
「
「
「
「
カウンターの反動が
他方、蹴りをまともに浴びた
(流石に効いて……――いや、違う!)
レもんは
はたして、空中に投げ出された
いち早く受け身を取る
「〈
撃ち出された波動が、突進直後の
「おぁっ!? め、
「やだなー、先生。
「そ……それもそうだな……」
さて、
「いいねェ……今のが
「そりゃどうかな」
「
これまでになく壮絶な殴り合いは、戦いの終りが近いことを物語る。
「ヒャッハ~ッ! アンタ最高だぜェ、
好敵手との
そしてそれが、
ぶつかり合う拳と拳の間で、色とりどりの光が飛び散った。
「正解だよ。今のオレは……過去最高潮に高ぶってるんだからなぁっ!!」
「
レもんは
(決まったな)
試合場を覆う結界が極光の輝きで満たされる。光が止むのを待たずして、
マキナは隠し持っていた小瓶の栓を開け、霊質の回収を図る。
「ほほぅ。これは大漁大漁……って、ちょっと多すぎやしないかい?」
予備の瓶も含めて三本が満杯となった時点で、マキナは全回収を諦めた。
「欲張んなよ。そんだけありゃ充分、だ……ろ……」
「
「大丈夫か、
レもんは
「平気だ……二回目だし、身体も慣れた……はず」
「無理をするな。ほら、スポドリだ。飲め」
「さ、
「落ち着いてください、先生。そこにいるじゃありませんか」
マキナが指差す先には、ぶかぶかの空手着に
「ち……縮んどるぅ――っ!!」
「悔しいけど今回はおれちゃまの負けだじぇ……約束どおり空手部に入るので、よろしく頼むのだじぇ」
幼児化した
「……分かった。お前の身は我が部で預かろう。女に二言はない!」
「恩に着るのだじぇ!」
約束は果たされた。
これにて一件落着――と言いたいところだが、クラス担任でもある
「しかし、あれほど屈強な
「あのデカブツは着ぐるみでした、とか言っときゃいいだろ」
「それだ!
非常識な出来事の連続で、
それはそれとして、クラスの生徒たちには後日すんなり受け入れられた。結果オーライである。
「それにしても一瞬でこんなに縮むなんて、一体どういう仕組みなんだ?」
「それは悪魔の――」
「悪魔の呪いです!」マキナがそれを阻止する。「カラテの神秘的パゥワァーによって、
「なるほど! やはりカラテは素晴らしいな!」
やはり
「よかったねー。
「いえ、オレが今日中に目覚められたのは、先輩が看病してくれたおかげッス」
睦まじく寄り添う
(ドナツィエルに続いて、あーしやファイ゠トノファまで打ち負かすとは……
もしその時が来たら、自分はどう立ち回るべきか。レもんの悩める日々はすでに始まりつつあった。
*
所変わって、ここは七伯爵のアジト。
円卓についた三者の人影が、あれこれと言葉を交わしていた。
「何たることだ……あのファイ゠トノファまでもが
「いよいよアブナいかもしれないわね」
「それはどういう意味だい?」
輝きが消えた一つは、ドナツィエルの分。
本来の赤から青色に変わったのは、レモノーレの分。
弱々しい
「無事な宝玉は四つあるわ。で、ここに残っているのがあたし含めて三人」
「ミナノミアルは帰って来ないね」
「そう。形勢不利を見越して逃げたのかも、ってこと」
上座に座る影が身じろぎをする。
「こうなれば、やはり
「例えば、ですが」
「聞こう」
「七伯最弱のボクが状況をひっくり返した、となれば痛快に思いませんか?」
大口を叩く男に、残る二者の視線が集まった。
「……許す。行くがよい、ソラオクよ」
「御意」
ソラオクは
「……大丈夫かしら」
「奴は確かに最弱だが、策が噛み合ったとき、最強の駒となり得るのだ……!」
「噛み合ったこと、今までにあったっけ?」
「…………」
「あたし、次の出撃準備しとくわね」
(次章につづく)
# ♪ ♭
★
https://kakuyomu.jp/users/mano_uwowo/news/16818093084368360370
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