夢で見た物語③!
崔 梨遙(再)
1話完結:1000字
総司は、同じ職場の瑞樹に憧れていた。瑞樹は6歳年下。瑞樹は、仕事は出来るが、バリバリのキャリアウーマンという印象ではなく、明るく社交的な女性だった。誰にでも優しく、いつもソフト、そして誰よりも美しかった。総司には、瑞樹が眩しく映っていた。年下の女性に、総司は憧れていた。
総司は、瑞樹を性欲の対象として見たことがなかった。憧れていたからだ。自分なんかが簡単に触れてはいけない、雲の上の存在として見ていた。芸能人のファンの心理に近かったかもしれない。そう、総司は瑞穂のファンだったのだ。もし、瑞穂が歌手になったら、ファンクラブに入ってライブにも行くだろう。
だが、瑞樹は結婚していて子供もいた。総司は、旦那様を羨ましく思っていた。同時に、“自分は瑞樹に対して芸能人を相手にするような憧れの思いで接しているのに、簡単に触れる男がいる”ということに驚いた。繰り返しになるが、総司は、瑞穂を、触れてはいけない雲の上の存在だと思っていたのだ。
或る日、たまたま職場で2人きりになった。珍しく2人で雑談をしていて、総司が言った。
「瑞樹さんはモテたでしょう? いや、今でもモテるでしょう?」
「私、モテそうに見えますか?」
「見えます。瑞樹さんはいつでも輝いて見えます」
「私……自分でこんなことを言うと“自惚れてる”と思われるかもしれませんけど、モテてたんです。学生の頃から」
「“自惚れ”とは思いませんよ、モテただろうなぁと思います。今もモテるんじゃないですか?」
「でも、私、旦那に浮気されたんです。もう、私に魅力は無いのかなぁと思って」
瑞樹の目には涙が滲んでいた。
「それは、浮気する旦那様が悪いんですよ」
「そうでしょうか?」
「そうですよ、僕が瑞樹さんと結婚できたら、絶対に浮気なんかしません。瑞穂さんより魅力的な女性なんていないんですから」
「すみません、涙を隠さないといけないのでトイレに行ってきます」
戻って来た瑞穂が、総司に言った。
「総司さん、今度、飲みに行きませんか?」
6月28日、こんな夢を見ました。総司君と瑞穂さんは、今までに見たことの無い、初めて見る人でした。総司君と瑞穂さんは、誰なのでしょう? っていうか、この物語の続きが気になるんですけどー!
夢で見た物語③! 崔 梨遙(再) @sairiyousai
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