薔薇と剣

たたり

第1話出会い

エドワードがエルムスウィードに到着したのは、収穫祭の準備が始まったころだった。


彼は戦場での激しい戦いから傷を負い、疲れ切った体を癒すためにこの静かな村を訪れた。


馬に乗って村に入ると、村人たちの好奇の視線を感じたが、彼は優しく微笑んで応じた。


エドワードは村の宿に泊まることになり、荷物を解いた。


「さすがに疲れたな。早いが休もう。」


---


翌朝、エドワードは早起きし、新鮮な空気を吸いに村を散策することにした。


石畳の小道を歩いていると、教会の庭から聞こえる柔らかな歌声に惹かれ、足を向けた。


庭の中央には、美しい金髪の娘が薔薇の手入れをしているのが見えた。


彼女はアリアだった。


アリアはエドワードに気づくと、驚いたように顔を上げたが、すぐににっこりと微笑んだ。


「おはようございます。見知らぬ方ですね。お手伝いが必要ですか?」


エドワードは彼女の美しさと優しさに一瞬言葉を失ったが、すぐに笑顔で応じた。


「おはようございます。私はエドワードという者です。この村にしばらく滞在することになりました。美しい庭ですね。」


アリアは軽く頷き、「ありがとうございます。私の名前はアリアです。教会の庭を手入れするのが私の日課なんです」


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それからというもの、エドワードは毎朝教会の庭を訪れるようになった。


彼はアリアの薔薇の手入れを手伝いながら、少しずつ彼女と親しくなっていった。


アリアもまた、エドワードの誠実さと優しさに惹かれていった。


彼は戦場での厳しい経験からくる静かな強さを持ち、アリアにとって新鮮な存在だった。


ある日、アリアはエドワードに問いかけた。


「エドワードさん、どうしてこの村に来たのですか?」


エドワードは少し考えてから答えた。


「戦場で傷を負い、心も体も疲れていたんだ。この村の静けさと美しさが、私を癒してくれる気がしたんだ。」


アリアは彼の答えに感銘を受けていた。


「この村があなたにとって少しでも安らぎの場所になれば嬉しいです」


二人は毎日を共に過ごす中で、お互いに惹かれ合い、深い友情を築いていった。


しかし、エドワードには騎士としての使命があり、いつか戦場に戻らなければならないことを二人とも理解していた。


それでも、今この瞬間を大切にしようと決意した。


秋の風が少し冷たくなり始めた頃、村全体が収穫祭の準備でさらに忙しくなった。


村人たちはエドワードを温かく迎え入れ、彼もまた村の一員として祭りの準備を手伝った。


エドワードとアリアの関係も、ますます深まっていった。


エドワードとアリアの間には、言葉にしなくても分かるほどの深い絆が芽生えていた。


彼らは毎日、教会の庭での時間を楽しみ、心の中でお互いの存在を大切にしていた。


そして、この静かな村での時間が、彼らにとってかけがえのないものになりつつあった。

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