いたいポエムと深夜の虹

はるよ

朝日

 肌の上をさらり。滑るようにしてなお、憎たらしい面持ち。きらめきと誤認して、海馬を壊していく、白銀は堕ちていった。たった三本の線は、得も言われぬ勇気を孕んでいる。溜りから滲む恐怖を、私だけが救いとれるとしたら。

蝶番と踊るようにして、かたかた、鍵をかけては落とし、開けては戻す。あなたに会いたいと空を想う。ふちにこびり付いた焦げが落ちづらいと、白い人が言っていた。

大地を踏みしめる間もなく、人知れず可もなく、不和が咲く。是が火でも尽きぬように、私は武装蜂起する。それでも、しかし、やはり、仕方なく。水性ボールマーカーと取り越し苦労を日田雨期に。狂喜乱舞する神様を受け入れる人間を私が愛してあげなければいけない。目に見えないものを信用し、居もしないものに首を垂れて、受け入れがたい現実をふと、祈りに昇華する精神性を。異常者は誰か。私だ。でも異常者は言う。「異常者は自分で異常者と言わないよ」

美しさをはき違えた馬鹿が、嫌になるほど目につく。暗雲と仲良く、そこに凹凸を感じた。握りしめ、解れた服を一枚、また一枚。顕示する、名誉ある、鈍い刺激を。ごめんね。ごめんなさいね。あなたに見てもらいたくておしゃれしたのよ。。もっとほめていいのよ。もっと美しくなるべき、あなたに、君に、お前に、あれ、こんなにも脳を閉じ込めて。


赫は溜りとなって落ちていく。唾液の艶やかな曲線を、受け止めきれない。なだらかに浮かび上がる人の顔。恋慕をこの体に抱いたとして、僕に何ができるというのか。腹をすかした童が呼びかけてくる、あんちゃん、どっかにもいかんで。いかん、いかん、あんだらさみしぃさせてどないするねん。夜明けが訪れる。許可も得ずに明りをつけると、怒られると幼稚に習わんかったか。絶望は時々光って見えると正常者は申しています。手放せないところまで来てしまった。ゴミ箱にカフェイン、神に鉛、黒煙と如雨露。影はみとってくれる、さいごのさいごまで。


プリズムの果てにあなたを垣間見た。天照ディスプレイ、僕は悪くない、ぼくだけは是が陽に溶けることを知らなかった。嫌悪すら私を培う太刀、軛に繋がれた我にふさぐフラストれいしぉん。ばかなことを言っていないで、早く帰りなさい。教は隕石が降るぞ。かみはいっていた、かみはそんざいしないと。かみは私だ、刃を握る手にはもはや力はいらない。



「…以上が被害者が遺したメモだということです。ダイイングメッセージってやつですね。」

「論理は破綻しているし、脈絡もあったもんじゃない。私には頭がどうかしてるとしか思えないな。」

「同感です。文字起こしした文章ですらこれ、原文は読めたものじゃないらしいですよ。」

「こんなことなら、原さんと飯行けばよかったよ。残業は確定だし、引継ぎが難い。」

「ですね。これで頭がどうにかなってれば良かったんですけどね。なかなかどうして狂人のふりが巧い。」

「ジュブナイルの喪失と埋め合わせが、直に響いてる。自己結界プログラムの決壊だ。」

「急にダジャレなんてはしたない。結果、烈火の閣下が直下に却下、石化の着火に一同一驚っすね。」

「うるせぇ、ごちゃごちゃ遊んでないで仕事だ仕事。感傷統合ストラクチャーにアクセスしろ。アカズキースから符号送るから、葛藤バックアップから補修してくれ。」

「丑の刻までに終わらせましょう。自分、ライブ配信あるんで。」

「気合入れていけよ。」

陽が落ち、月も陰る地球の空、孤独感に包まれた負け犬が吠える。世界が間違っている。俺も間違っている。

是はどこにある。よもや神の喉元に。

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