最後に会った日、あなたは…

幸福

最後に会った日、あなたは…

雨に濡れながら俺は夜道を歩いていた


「激しく降り出したな、雨宿りでもするか」


俺はコンビニの前で雨宿りをした


傘をさしながら1人の女性が俺に近づいてきた


「良かったら、私の傘をどうぞ」


「あなたが濡れますよ」


「私の家は近くだから、走って帰ります」


女性は俺に傘を渡し走っていった


「名前を聞くの忘れた、ここから家が近いって言ってたから明日、探すか」


俺は傘をさしながら夜道を歩き家に向かった


翌日、俺は傘を持ちながらコンビニから近い家を探し歩いた


そして11軒目の家の前に着きインターホンを鳴らした


女性が出てきた


俺は傘を貸してくれた女性のことを説明した


女性は涙を流しながら


「娘の傘です、あなたが探してる女性は私の娘です」


「俺に傘を渡してくれた直後に事故で亡くなった」


「傘を返しに来てくれたのにごめんなさいね」


「お参りしても良いですか?」


「どうぞ」


「……」


俺は仏壇の前に座り手を合わせ参った


その後、俺は女性の母親に口にした


「傘を貰っても良いですか?」


「娘の傘を?」


「はい、迷惑じゃなかったら」


「迷惑だなんて、どうぞ貰ってやってください、娘も喜びます」


「ありがとうございます


俺は傘を貰い家を出た


その時、雨が降り出した


俺は貰った傘をさし歩き出し女性の家を離れていった

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