第45話 不正な金貸しの調査に向かった。

それと……ミリアのお父さん役は……軍の人が良いかな。


ミリアが着替えて降りてきた。


 

「よし。じゃあ、ここで待っててね」


「は、はい……」


 

緊張してガチガチに固まっている感じになっていて、これじゃトイレにも行けないんじゃない?


一応、近くに居たメイドさんにお世話を頼んでおいたが大丈夫か?


 

「どちらに行きますの?」


「まずはお城かな」


 

馬車に乗って、お城まで移動して王城の門を御者が帝国の旗を掲げると、検問を素通りをして王城の入り口まで馬車で入って来れた。俺とミリアが平民服を着ていたので兵士達が驚いていたが、顔を知っているので問題なくて良かった。

 

偉そうな兵士が近寄ってきた。


 

「今日は、どの様な御用でしょうか?」


「軍の偉い人と会いたいんだけど大丈夫?」


「少しお待ち下さい」


 

走って呼びに行ってくれた。


 

「失礼ですわ……まったく。ここで待たせるのかしら……」


「すぐに来るんじゃないの?」


「ですけど……お話をするのですよ?立ち話をさせるおつもりなのかしら?」


 

すぐに軍のお偉方さんがやってきた。


 

「ちょっと!失礼ですわよ!ここで待たせるなんて教育がなっていませんわね」


「失礼しました……きちんと教育をさせて頂きますのでお許しください」


 

呼びに行ってくれた偉そうな兵士が、お偉いさんに睨まれていた。偉そうなだけで、お偉いさんじゃ無かったのね……


 

「では、改めましてお話をお聞きしますので、ご案内を致します……」


「あ、すぐに終わるから、軍で強い人を一人貸してくれる?」


「え?は、はい……分かりました。ですが何をされるのですか?」


「ミリアの護衛かな……それとお金を借りにね」


 

俺が本当にお金に困り借りに行くと思い、気不味な表情となり言い難そうに言ってきた。


 

「え?お金を借りるのですか?それでは、まず国王様にご相談を……」


 

それを聞いたミリアが、ムッとした表情となりお偉いさんを睨んだ……。俺の説明不足で悪かった!


 

「お金が無い訳じゃないよ。金貸しの調査をしに行くんだよ。だから……ミリアのお父さんに見える人が良いかな」


「はぁ……かしこまりました……」


 

不機嫌そうに頬を膨らませているミリアの頬を触って、潰して変顔になったミリアを見て俺がニヤニヤと笑いを堪えていると。


 

「ユウヤ様?」


「頬が膨れてたよ」


「え?」


「無意識だったんだ?」


「……は、はい」


 

ミリアが触られて嬉しそうな顔になった。怒るところじゃないの?まぁ。機嫌が直って良かった。


 

「膨れて柔らかそうだったから、触って潰してみた」


「もぉ……恥ずかしいですわ」


 

遊んでたら、すぐに連れてきてくれたけど……防具を付けてるしいかにも兵士という格好じゃん……


 

「えっと……防具を外して平民の格好でお願いします」


「はい!」


「それと、喋り方も親が子供に接するように話をして下さい」


「はい!」


 

話し方も軍人っぽいし……おいおい……大丈夫か?


 

「それから、ミリアを呼びにくいと思うからミーアって呼んで下さい」


「はい!」


 

軍人さんに任務内容を話した。


 

「貴方の任務は、ミリアの護衛とお金を借りる振りをしてもらう事で、金貸しの不正があった場合の証人ですね。字が読めない人への説明が無く、返済金の合計額を言わないで、借りたお金を返済金額として言ってくるのも違法ですよね?」


 

軍のお偉いさんを見ると頷いていたので問題は無いようだ。


 

「不正の取締だったのですか……」


「そうですけど?」


「でしたら不正があった時の為に、兵士を手配をしておきます」


「よろしくお願いします」


 

兵士の準備も出来て3人で金貸しのある店の近くまで馬車でやってきた。


 

「さ~て……ここからは歩きで向かうよ」


「はぁ~い」


 

ミリアは……なんというかデート気分なのか楽しそうで、一方の兵士さんは緊張で一言も話さず緊張しきっていた。


 

「はい!」


「喋り方に気を付けて下さいよ……」


「はい……」


「ミリアの名前は?」


「はい……ミーアですよね?」


「はい。あってます」


 

店に入ると、偉そうな店主が自ら対応をしてくれた。


 

「どの様なご要件でしょう?」


「金を貸してくれ」


 

おぉ……兵士さん良い感じじゃん。


 

「はい。いくら程でしょうか?」


「金貨1枚で頼む」


「でしたら……支払えない事があると困りますので、そちらの娘さんのを譲り受ける契約をお願いします」


 

ニヤニヤしながら言ってきた。

 

書類を渡されて何の説明もなく、そのままサインをする場所を指で指してサインをする事を促された。


 

「それと返済期限は1ヶ月後で返済金は金貨1枚です」


「分かった。説明はそれだけか?」


「はい。1ヶ月後にまでに金貨1枚を返済をして頂ければ問題ないですし、サインも頂いてますので正式に契約も成立していますし、何も問題ないです」


「そうか……分かった」


 

兵士が俺の方を見てきた。


 

「それじゃ……ミリアを馬車まで護衛を宜しく」


 

兵士に収納から剣を出して、ミリアの護衛の為に渡すと一瞬、驚いた表情をしていたが気にせずに受け取って頷いた。流石、お偉いさんの紹介してくれただけの事はあるね。


 

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