第30話 ミリアに別れを告げて出ていき冒険者になろうかと考えてみた。
朝食を食べ終わると出発した。
はぁ……なんだかミリアと居るとモヤモヤするし話もしたくないな……
「久し振りで会うのが楽しみですわ♪」
「へぇ……そうなんだ……」
「1年振りくらいかしら……」
「1年振りなら最近まで会ってたんだ……」
「それまでは毎日のように会ってましたし」
「あっそう……毎日ねぇ……」
「はいっ♪」
嬉しそうな表情で話をするので、あまり聞きたくないんだけどな……朝に反省をしたばかりだし我慢、我慢……
なんとか数日間耐えてやっと目的地に着いたらしく、また立派で豪華なお屋敷だった。
「こちらも、わたしのお屋敷ですので、ゆっくりとして下さいね」
「ありがと……」
「これからどう致しますか?」
「町を見て回ろうかな……」
「ご一緒致しますわ」
「そうだね。詳しくないし迷子になっちゃうかもしれないし」
「ご案内をいたしますわね」
荷物を降ろし終わると馬車に乗って移動した。
「まずはミリアム王子をご紹介いたしますわね」
「え?」
普通は、初めは国王に挨拶じゃないの?まぁ……もうどうでも良いけど。
「そんなに早く会いたいんだ?」
「はいっ♪久し振りなので……」
「そっか……」
「早くユウヤ様にご紹介をしたいですわ」
王城に着くとチェックを受けることもなく王城に入れて豪華な応接室に通された。一般の応接室じゃなさそうな感じだな。
部屋に案内をされると、すぐにミリアム王子が入ってきた。
うわ。思った通りのイケメンじゃん。へぇ……ミリアはこういうのがタイプなんだ?
ミリアが嬉しそうな表情をして、楽しそうに話をしていて更にモヤモヤしてきた。
はぁ……楽しそうに話をしてるな。苦痛なんですけど。
しばらくして、俺の存在に気付いたのか俺の紹介をされた……
早く俺に紹介をしたいって言ってた割には、完全に俺の存在を忘れて楽しく話してたよな……ヒドくない?それで婚約者なのか?俺じゃなくてコイツと婚約すれば良いんじゃないの?俺と話す時より楽しそうだし。
「お友達のユウヤ様ですわ。こちらはお友達のミリアム王子ですわ」
え?ミリアム王子には婚約者じゃなくて、お友達として紹介するのね……かなりショックなんですけど。ミリアム王子には婚約者と言いづらいのか?まぁそういう関係なのね。お似合いのカップルで良いんじゃないの?楽しそうに話をしてるし邪魔者は消えますよ!
頭に血が上る感覚がする……もうどうでも良いや。
「婚約は解消して、俺と友達になったんだ?そっか……仲が良いんだし、そっちのお友達と婚約すれば?お似合いの美男美女で良いんじゃないの?邪魔者の俺は、消えるよ……」
「ちょ、ちょっと待ってください。まだ婚約の発表をしてませんし……」
「他の国では、堂々と嬉しそうに発表をしてたのに?そいつの前では隠すんだ?まぁ……もう婚約をお互いに解消したから、どうでも良いけど。今までありがと、お幸せにね。さよなら!」
「お待ちになって!ユウヤ様ーっ!!」
そう言うと、部屋を出て追いかけてくるミリアを振り切って王城を出ると、早足で王都を出て山の中にテントを設営してバリアを張ってベッドを出してふて寝をした。
はぁ……まぁ……仕方ないよな。散々、婚約者だって堂々と嬉しそうに発表しておいて、アイツの前では友達ってなんだよ。
どうせ付き合ってたんだろ?あの王子が好きで婚約したと言えなかったんじゃないの?まあミリアにお別れを手紙や伝言じゃなくて、直接ちゃんと顔を見ながら言ったしキレイサッパリ別れたし。
これからは俺の好きで、やりたかった生活をするぞ。豪華な生活じゃなくて普通の生活が良いよな~これからは平民として生きるぞ。うん。
落ち着いてきたのでテントを片付けて山の奥の方へ進むと人型の大きなモンスターが現れた。
おぉ〜丁度いいかも、ストレス解消をさせてもらうかな。
すぐに倒しちゃ勿体ない……お前には悪いけどストレス解消させてもらうよ。
剣をバリアで覆って剣が破損しない様にした。
ここの世界の剣は、素材が悪いのか直ぐに切れなくなるし折れたりするからな~
モンスターの攻撃が面白いように避けれる……やっぱり前回、倒した大型の犬のモンスターを倒してからレベルでも上がったかのように力、体力、素早さが上がった感じがしてた。
剣を振るうとスパスパと斬り刻んで一瞬で終わってしまった。
うぅ~ん……見掛けだけで、低級のモンスターだったか……つまらないなぁ。それにしても剣をバリアで覆うってかなり良いかもな……剣の耐久性は関係なくなるし斬れ味も落ちないし。
あれ?これって冒険者って感じじゃない?結構、楽しいかもな……戦闘が嫌いだって言ってたけど実は結構……楽しくて好きなのかも。思った通りに体が動いて討伐できると楽しいかも。
調子に乗って、どんどんと進み森の奥に入り迷い込んでしまった。
「うわ。やっちゃったよ……現在地も分からないし、帰り道も覚えてないや……あ、でも帰る場所も無いんだった。テントもあるし別に問題ないか」
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