第20話 王城へ行くと色々と授与された。

#2024/07/07 読者様から誤字脱字のご指摘を受け、誤字脱字の訂正を行いました。誤字脱字のご指摘をありがとうございます(^^)



「そりゃ……お姫様だと知らなかったしビックリするでしょ」


「お嫌なのですね……ふんっ」


「ミリアがイヤとかじゃなくてさ……地位とかお父さんが心配で」


「そうなのですか……わたしがイヤなのでは無いのですね?」


「そうだよ」


「では……その証拠にキスをお願いしますわ」


 

どういう話の流れなんだよ……まぁ機嫌が直ってくれるなら良いんだけど。


ミリアを抱きしめて唇にキスをした。


 

「はぅ……♡ ユウヤ様……大好きですわっ♡」


「ああ。俺も大好きだぞ」


 

抱き合ってると店の外から商品の補充を頼まれた。


 

「もぉ!ウルサイですわねっ」


「悪いね……俺の仕事なんだよ……」


「ち、違います……幸せな所を邪魔をされて……つい」


「あと少し頑張ってくれる?」


「はいっ♪ 勿論ですわっ」


「ありがと……」



ちゅ♡



「わぁっ♡ 頑張ってきますわ」


 

そろそろ従業員を雇わないとかな~


それと作り溜めが出来る在庫を置ける倉庫も欲しいよな……置き場所が無いから商品が無くなると一箱作るって繰り返しだから出掛けられないんだよなぁ……

 

 


翌朝……

 


ギルド前に護衛とメイドさんを行かせて屋敷で合流して王都に向かい、いつも通りミリアの膝枕で快適に過ごして何事も無く王都に着いた。


 

いつも通りに応接室で待たされて王の間に入ると、前回とは違い勲章の授与式なので貴族やお偉い様が大勢が並んでいた。

 

うわ~緊張するんだけど……大勢の人に注目されるのって苦手で緊張するんだよな。隣で緊張してない人がいるけど羨ましい。ミリアは余裕なのか俺と腕を組んで嬉しそうにして笑顔だ。

 

そういえば……王様って俺達が来るの知らないんじゃないの?俺を指名してた訳じゃないよな?後々、聞くとモンスターを倒した冒険者宛の手紙だったし……今更だけど不味い気がする。


 

指定された場所で跪くと王様が来ると言う声が掛かった。


っていうか何でミリアまで跪いてるんだよ……同席しなくても良いんじゃないの?王様が気不味いと思うんだけど……


せめて観客席の方に居てくれれば、って言っても聞かないと思うけどさ。

 

王様が登場して司会をしている者が話しだした。


 

「長年モンスターに襲われ危険な道として有名な道ですが、重要な道なので何度も討伐隊を出すも失敗に終わっていましたが、ついにそのモンスターを討伐をしてくれた者が現れました!その方の功績を称え勲章の授与を王様が自ら行います!」


 

授与式なので平民の服ではなく……一応、王国から出席者全員分の正装を貸してもらっていたので王様は気付いていないようだった。


 

「そこの冒険者達よ面を上げよ。そして名乗るがよい」


 

おいおい……名乗るのかよ。あ、ミリアに名乗ってもらった方が良いかもね?皇女殿下って皆が分かれば王様が対応しやすくなるんじゃない?

 

このままじゃ王様が挙動不審でミリアの対応に困るでしょ。


 

「はい。薬屋をやっておりますユウヤと申します」


「わたしはユウヤ様の婚約者で薬屋を手伝っていますわ」


 

うん。ミリアさん・・・名前も名乗ってないし地位も言ってないのでダメじゃん。


こんな感じで護衛やメイドさんも名乗っていたので王様が固まって顔を引きつらせていて困っていた。


 

「モンスターを討ち取った者は前に出よ」


「はい」


 

王様に近づくと小さい声で会話をした。


 

「悪いね……」


「いえ……私の確認不足でした……討伐がされた日はユウヤ様がお帰りになられた日でした……再びご足労をおかけして申し訳ないです」


 

勲章を授与されて終わるかと思ったら冒険者のライセンス証と冒険者のSSSクラスの認定証を渡される時に認定証を読み上げていた。


 

「その功績を国王ラウムが認める」


 

と言った時にミリアが反応して、急に立ち上がり国王に近づいてきたので近衛兵が武器を構えた時に王様が慌てて止めた。


 

「護衛、近衛兵よ!その場を動くな!武器を直ちに下ろせ!!下がれ!」


 

そりゃ……そうなるわな……前回のお怒りなミリアを王様が見ちゃったしね。


 

王の間は騒然として、ざわついたがお構いなしのミリアが更に王に近付いた。


 

「わたしの名前も書き加えよ」



静まり返った国王の間に可愛い女の子の声が響いた。当然、参列者は不思議そうな顔をしていた。



「は、はい。仰せの通りに・・・。ミリア皇女殿下」


「その現場に居て命を再び助けて頂いた、このわたしが認めなくては恥になりますわ」


 

それを聞いた参列者達は驚いた表情で皆がミリアに跪き頭を下げた。


ほぉ~。さすがミリアの名前は知られているのね……王の近衛兵は跪いちゃダメじゃない?王様の警護出来なくなってるじゃん。


 

すぐに新しく書き直されて新しいクラスの認定証が出来上がってきて国王に渡された。


 

「これは・・・ミリア皇女殿下様がお渡し下さい」


「うむ。わかったぁ。ユウヤ様よ……お近くにいらっしゃって下さい」


 

おいおい……そこは普通にユウヤで良いんじゃないの?しかもなんで敬語を使ってるんだよ。


 

「はい」


「いつも、わたしを守って頂き感謝しておりますわ。……ちゅっ♡」


「あ、有難う御座います……」


 

は?せめて……頬じゃないの?なんで唇?


 

「この者は、わたしの婚約者でもありますの、無礼は許しませんわよ」


 

その言葉いらなくない?授与式……だよね?婚約の宣言をしたかっただけじゃないのか?超恥ずかしいんだけど……キスをされるし、婚約発表をされるし。ミリアは満足そうで笑顔だから良いか……


 

「それを言いたかっただけじゃないの?」


「ち、違いますわよ……」


「ほら。列に戻るよ」


 

ミリアの手を引くと笑顔で嬉しそうだった。


 

「はいっ♪」

 

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