第18話 帰り道にモンスターに襲われた。
#2024/07/07 読者様から誤字脱字のご指摘を受け、誤字脱字の訂正を行いました。ご指摘をありがとうございます(^^)
なんとなく嬉しくミリアに甘えたくなり、ミリアのお腹に顔を付けて抱きしめた……
はぁ……柔らかくて良い匂いで癒やされる……これ最高かも。
「うふふ……♡ ユウヤ様……赤ちゃんみたいですわ♡ 可愛いです♪」
なんとでも言ってくれ……。ふぅ~疲れたぁ……こうしてると安心するなぁ……
ミリアが優しく頭を撫でてくれて、いつの間にか眠りについた。
しばらく眠っていたのか分からないが馬車が急停車するとミリアが支えてくれて落ちずに済んだ。
ん?もう着いたのか?長時間寝たのかな?いや、こんな乱暴な停め方をミリアを乗せてするワケがないか。重い瞼を開いてミリアを見つめると……珍しくというか初めて見る表情だった。
ミリアが窓の外を見ていて、凍りついて震えて怯えた表情をしていた。
ん?これは盗賊では無いな……盗賊で怯える様なミリアじゃないし……って事はモンスターか……?
「ミリア……絶対に外に出るなよ」
「…………」
ミリアの頬を軽く叩いた。
「おい!しっかりしてくれ!」
「はっはい……?」
「馬車から絶対に出るなよ?馬車を攻撃されても何があっても出るな!分かったか?」
「はい……」
「俺を信用できるか?」
「はいっ!信用してますっ。絶対に出ませんわっ」
「よし!いつものミリアだな……ちゅ♡」
ミリアの唇にキスをして馬車全体にバリアを張った。よし!これでミリアは安全だな。というかミリアが出てくてもバリアで出れないか……
よし。状況を把握しないとな……むやみに戦っていても不意を疲れると大ケガをするよな。
周りを見渡すと前方の馬車から護衛が大勢出て大型犬程の犬のモンスター5体と闘っていた。
後続の馬車からも護衛が駆けつけモンスターと交戦を始めた。
周りには他のモンスターの気配を探ると他には、牛程ある大きさのリーダーというかボスらしき犬のモンスターが潜んでいて計6体が現れていて6体のモンスターを倒せば終わりかな。
ボス犬は茂みに隠れていて、こちらの様子を伺っているようだった。女性の護衛は、すでに傷を負って座り込んでいた。
さ〜て……どうしようかな……俺の力を見せたくないし、女性の護衛の剣を借りようか……って、俺は剣を出せるんだよな。
高価で斬れそうな剣を出した。これは……王様から貰った事にしとこう。
女性の護衛は貴重だし、店の看板娘だし死なれたら困る……せっかく店にも馴れてきて顔も覚えられて、礼儀正しくて清楚で人気があるし。
治癒薬を出して傷口に掛けて治癒薬を1本を渡して、使用人の乗る馬車に担ぎ入れた。
「少し休んでて!もう出てくるなよ!命令だ」
「ですが……あなたじゃ……倒せないですよ!」
「それでも出てくるな。コイツを出さないでくれ」
メイドさんに向かって言うとコクリと頷いた。
「よく耐えてくれた。お前も休んでいてくれ」
治癒薬を男性の護衛を渡した。
「お前じゃ無理だぞ!お前は薬屋だろ……剣術を習っていたのか?鍛錬はしているのか?」
「ウルサイって……休んでいてくれって」
「お前に死なれたらミリア様に殺される!」
「じゃあ、どっちにしても殺されるんじゃない……?だったら少し休んで俺が死んだ頃に出てきて皆を守ってくれるか?」
「はぁ……。わ、分かった……悪いが少しだけ頼む。俺が回復するまでの間だけ少し時間を稼いでくれ」
男性の護衛が馬車の中に入るとバリアを張って馬車から出れなくした。外からも内側からの攻撃も効かなくなった。元気そうな護衛を数台の馬車で休ませ、負傷している護衛には睡眠効果のある治癒薬を飲ませて寝てもらって安全な馬車の中や安全な場所へ運び寝かせてバリアを張っておいた。
よし!楽しい実験の時間かな?というか……実践でバリアでの攻撃の練習だな。
剣で斬ったように見せてバリアで切断……うぅ~ん……難しい……切断なら簡単に出来るんだけどな。
どうしても俺の剣の腕だと剣が遅れるんだよな。斬れるタイミングが合わない。剣の修業をしないとな……
いっその事、剣を抜いたら切断される感じにして高速過ぎて見えないって事にするか!
試しに襲ってくる犬の魔物を剣を抜くと十文字に斬れて地面に落ちた。そう、ただ剣を抜いただけだった。
これってラクだし格好良いんじゃない?
剣を鞘に収めた。
ん?あれ?モンスターが襲ってこない……?警戒をされてる?そんな知性あるのか?本能的に危険を察知ってやつ?逃げられても面倒だし。誰も見てないし……はい。サヨナラ。5匹を纏めてバリアを使い十文字斬りで討伐完了っと!
うわぁ……服が返り血で血だらけじゃん……最悪。
護衛の馬車のバリアを解いてドアを開けたらスゴイ勢いで男性の護衛が心配して馬車から出てきた。
「おい!お前……大丈夫か!大ケガを負ってるじゃないか!お前も治癒薬を使って休んでろ!後は俺に任せろ!俺が死んでも守り抜いてやる!」
周りを見渡して呆然として俺の顔を見てた。
「あ、終わってるよ」
「は?お前が倒したのか?」
今度はモンスターの死体を見て男性の護衛が固まっていた。
「まぁ……そうだね」
「どうやって?」
「王様から貰った剣でスパッと……」
「は?いくら斬れる剣でも腕がなければ斬れないぞ……?」
「その腕が、あったみたいだね……」
「そ、そうだな……現に魔物の死体があるし……周りに誰も助けてくれるヤツは居ないしな……」
他にも聞きたいことが有りそうな感じだけど答えるのが面倒だったので……
「じゃあ先に進もうか?また、モンスターが襲ってくるかもしれないしさ」
「は、はい……ソウデスネ……」
護衛が納得できない表情をしていたが、また襲われると対応できる護衛が少なくなっている。完全治癒薬の使用をミリアに禁止されてるし、俺自身もその決定に賛成だったからだ。
ミリアの待つ馬車のバリアを解いた。
「おまたせ~」
「ゆ、ユウヤ様!おケガですか!?早く治癒薬をお飲みになってください!」
ミリアの表情が、また青褪めてオロオロして心配をしてくれて嬉しい。俺の心配をしてくれるのは今はミリアしか居ないし。前世では両親くらいか……親族以外で初めて異性で心配してくれる人だし大切にしていきたいな……
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