第17話 ミリアの幼少期の出来事。

#2024/07/07 読者様から誤字脱字のご指摘を受け、誤字脱字の訂正を行いました。ご指摘をありがとうございます(^^)



慌てて王様を助ける為に色々と考えてミリアを宥めようとした。


 

「俺の言うことは聞いてくれないの?だったら俺は一人で、ここに残るけど?」


「ち、違います。聞きます……すみませんでした。ユウヤ様を捕らえられて投獄されいたので……イラッとしまして……」


「俺は気にしてないからさ、じゃあ許してくれる?」


「……はい」


 

まだ納得行かない表情だったミリアだったので皆が見ている前でミリアの頬にキスをした。


 

「きゃぁ♡……恥ずかしいですわっ♡ もぅ! 分かりました。許しますわよ……」


「はぁ。王様助かったね……」


「は、はい……有難う御座います。ユウヤ様、ミリア皇女殿下」


「で、そもそもの原因を作った者達の仲間を一人残さずに全員捕らえて処分を致しなさい」


 

ミリアが冷たい声で国王に命じた。


 

「勿論です。直ちに……」


「では、さっそく取り調べをして仲間を全員捕らえなさい」


「はい」


「じゃあ……もう帰ろうか。疲れたし」


「はい♪そうしましょう。それでは国王ラウム。帰りますね」


「はい。お気をつけてお帰り下さいませ、ミリア皇女殿下。ユウヤ様、色々と有難う御座いました……」


 

国王に深々と頭を下げられて気不味いんですけど。ミリアが先に行ったので、こっそりと王様と小声で話しかけた。


 

「あの……国王がそんなに簡単に国民や兵士の前で平民に頭を下げたらダメなんじゃないですか?」


「いえ……ユウヤ様は平民とは誰も思っていませんよ。ミリア皇女殿下を宥め、名前で呼び、キスをして頭を撫でる等、普通の平民はお会いする事は不可能ですし、貴族や王族でも出来ませんし……誰もが知っている事です」


 

褒めるのに頭を撫でたり……可愛がって頭を撫でるくらい良いと思うけど?


 

「はい?王族の方でも頭は撫でられないの?」


「はい。出来ませんね。ミリア皇女殿下が幼い頃に宮殿の廊下で遊んでいて、某国王が邪魔だと腕を軽く掴んで廊下の端に寄せた所、大泣きをしてしまい。それを聞いた皇帝陛下が激怒なされまして王国に攻め込み国王を打ち取りました……それ以来、誰もが恐ろしくてミリア皇女殿下に触れる者はいません。噂話では無く実話です」


 

は?娘を泣かせただけで?国王の首を取ったの?っていうか皇女殿下の腕を掴んで退けるのはダメだと思うけど。避けて通れば良かったんじゃないの?泣かせてはいないけど……俺はキスとか抱きついたりしてるけど?ヤバ過ぎるんじゃないの?泣かせてはいないけど。うん。俺も恐ろしくなってきたわ。


 

「はい?俺って……ヤバくない?」


「いえ……ミリア皇女殿下のお気に入りなので大丈夫かと」


「お気に入りだと大丈夫なのですか?」


「はい……なんと言いますか……皇帝陛下はミリア殿下を溺愛しているのでミリア殿下の言う事は皇帝陛下も従うそうです」


「はぁ……そうですか」


 

先に行っていたミリアが戻ってきた。


 

「ユウヤ様!遅いですわよ……あら?顔色が悪いですわよ……誰か!医者をよこしなさい!」


「はい!直ちに」


 

近くにいた兵士が反応して返事をして呼びに行った。


 

「おいおい……俺は薬屋だぞ?」


「あ!失礼をしました……大丈夫なのですか?」


「俺……ミリアのお父さんに殺されるんじゃないか?っていうか……ミリアに恐怖を覚えたんだけど」


「はい?恐怖ですか?何を仰っているのですか?何を聞いたのか存じませんが大丈夫ですわ。お父様は、わたしを大切にしてくれていますし」


「要は娘を溺愛しているんだろ?」


「まぁ……そうなのですかね……?」


 

ミリアが可愛く首を傾げた。


 

「溺愛をしている娘に平民の男と仲良く一緒に居たら……消されると思うけど?」


「大丈夫ですわ。そんな事をされたら、わたしも死にますから!」


「は?いやいや……死ぬなって」


「それに命を助けられた事はお父様にお話を致しましたし……命を助けられてその方に生涯を共にしたい。結婚をすると伝えましたわ」


「そうれで?」


「激怒しましたが命の恩人ですし。お父様が手出しをすれば、わたしは自害すると言うと認めてくれました」


 

はぁ……やっぱり激怒したのか……溺愛してる娘だし当然、激怒するよな。


 

「それって……認めてくれてるのかな?会ったら睨まれて口も聞いてもらえない感じじゃないかな……」


「そんな無礼はお父様でも許しません!」


「それは心強いけど大丈夫なのかな……」


 

国王に挨拶をして王国を出た。

 


 

馬車に乗ると、さっそく笑顔のミリアが話しかけてきた。


 

「ユウヤ様……どうぞ……♡」


 

と言うと恥ずかしそうに膝をアピールしてきたので素直に膝枕をして寝転んだ。


 

「ありがと……ミリア」


「はいっ♪」


 

こうしてるとスゴく可愛いんだけどなぁ……火が付くと危ないくて恐いんだよな。


 

「ミリアは俺が命を助けたから婚約してるんだよな?」


「そうなのですかね……?」


 

また可愛く首を傾げて美しい青い目で見つめてきた。


 

「なんで疑問形なんだよ」


「ユウヤ様と一緒にいて普通に楽しいですし……命を助けられなくても知り合っていたら結婚を考えてると思いますわ」


「そうなの?」


「そうなんですっ♡」


「そっか……キスしてくれる?」


「え?」


 

ミリアが頬を赤くして戸惑っていて可愛くて……ついイジメてしまった。


 

「あはは……♪ 冗談だよ」


「むぅ~ヒドイです!」


「ミリアからキスは無かったな~って思って」


「普通は男性からで女性からは、はしないのですっ!」


「なら仕方ないか……」

 

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