49.結界

「ワタシもそういうの鈍感どんかんだから、ハルトくんと再会さいかいしたときなにかんじなかったの。ただただうれしかっただけなんだ、エヘッ」

陽菜ひなちゃんは、結界けっかいってオオカミたちをまもちからがある!スゴいことだよ!」

「それはそうなんだけど……ありがと、ハルトくん」

「……?ハサウェイ、どうしたんだ?なんかくらいぞ?」

 ボクは、いままでことがないほど、くらいハサウェイのかおのぞんだ。

 けど、してわせてはくれない。

べつに。なんでもねぇよ……』

 オレさまは、ハルトの眷属けんぞくでもない……みんなのように、ハルトの不思議ふしぎちからかんじることすらできない……オレさまとハルトは、ただのイヌぬし関係かんけい兄弟きょうだいだなんて、図々ずうずうしくてえねぇや……


 そして、そのときは、突然とつぜんおとずれた……

 キーーーンッ!!

「うわっ!」

 はげしい耳鳴みみなりりがみんなをおそった!

 パキパキパキ……パリンッッ!!

 そらが、まるでガラスのようにれた!

 ユートピアの結界けっかいやぶられたのだ!!

 くだった結界けっかいからあらわれたのは、邪神じゃしん天迦久神アメノカク洗脳せんのうされたオルドマンたち。

〖ついにつけたぞ!にっくきミコトの眷属けんぞく!それと、結界屋けっかいや末裔まつえい!〗

〖むぅ……みなものがれ!陽菜ひなたのむ!〗

まかせて!」

 バッバッバッバッ!!

てんけつこう!」

 陽菜ひなは、両手りょうてインむすんだ!

「みんな、ワタシのうしろへ!ハァー!!」

 てんにかざした陽菜ひなのひらから、ドームじょう結界けっかい出現しゅつげん!みんなをつつんだ!

 アメノカクたちは、結界けっかいはじかれ地面じめん着地ちゃくちした。

結界屋けっかいや小娘こむすめが!こざかしい真似まねを!〗

 陽菜ひな結界けっかいは、アメノカクにやぶことはできない!しかし、ものちがった。

〖おまえら、け!!〗

 ニホンオオカミの3兄弟きょうだいマルコビッチ、オルドマン、ブシェーミは、完全かんぜんあやつられている。

『ガルルッ』『ガァアア!』『ガフッ!』

 3とう結界けっかいびついた!

 バリバリバリバリバリバリバリ!

 なんと、結界けっかいべてしまった!

 オオカミのための結界けっかいは、オオカミには通用つうようしない。アメノカクは、結界けっかいやぶるために、3とう洗脳せんのうしていたのだ!

オオカミども!ユートピアはこれでしまいじゃ!〗

 アメノカクは、あかひからせた。

『マルコ!オルド!ブシェ!やめなさい!しっかりして!』

 パックのアルファであるサウスとノースは、3とうどもたちにうったえかけた。しかし、3とうあやつられているため、アルファのこえでさえもとどかなかった。

「ノース、サウス、どもたちはまかせて!ワタシたちが絶対ぜったいたすけるから!ふたりはユートピアにいるオオカミたちにげるようつたえて!」

『すまない、陽菜ひなおんる!』






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