レベル上げ
翌日ダンジョン前の施設に行く
すると優一が刀を持って待機していた
全身鎧ではなく執事のような見た目で
恐らくこれが優一本来の正装なのだろう
近づく
「悠永様ですね」
優一の持つ刀を見る
柄も鞘も真っ白な刀
俺が昔使っていた刀、そしてとある理由から使わなくなった物
あの時の事を思い出して手が震える
「受け取るまで私は毎日待機するように言われています」
「だろうな」
刀をしっかり掴み受け取る
詠見の言う通り恐らく必要になる時は来る
その時迷わず振るえるかは分からないが
「その刀は詠見様が大事に扱っておりました。その刀が何かお聞きしても大丈夫ですか?」
「俺が昔使っていた刀だ。そうだな強いて言うならこの刀は刀という武器種においては最強だ」
「最強の刀ですか」
「元の状態ならこの刀なら皇さんにすら勝てるってあぁ知らないよな」
詠見、鳴は分かったが優一は呪いを知らないはず
「呪いの件なら少し聞いております」
……詠見言ったのか、まぁ口止めしてねぇから良いか
口止めはしていなかった
「私は秘密を漏らすような人間では無いのでご心配なく、成程道理で、質問に答えて頂き感謝します」
「そりゃ助かる。余り知られたくないからな」
「それでは私はこれで」
優一が立ち去る
すぐに刀をバックに詰め込む
「そんじゃ俺も帰るか……」
行きで疲れたから休憩をしてから家に帰る
刀は取り出さず念の為にバックに入れたままにしておく
……狛と俺で別でバック欲しいがあれ相当希少だからなぁ
今使っている大容量バックはダンジョンで入手した魔導具
階層主が稀に落とす、稀過ぎて持っている人は少ない
しかし、階層主なら誰でも落とす
「10階層の階層主で落ちればいいがまぁ余り期待は出来ないな」
翌日ダンジョンへ向かう
10階層の階層主に挑む為にレベル10に上げる
6階層に行きドローンで動画を取りながら魔物を倒していく
狛が前衛をやって俺が後ろや横から援護をする
狛の服装が前回と変わっている
コート型だが前回とは違う装備を使っている耐久補正を敏捷補正にその下の服は弱ステータス補正から耐久補正の服に変えている
両耳にそれぞれ別のイヤリングを1つずつ付けている
……防御、障壁系2個か。腕輪は登録した武器を出し入れ可能の奴か。それを左右に1個ずつ、他にも……足にも何かつけてるな
魔物の攻撃を避けて反撃を叩き込む
俺は保有している装備や魔導具の効果を全部は覚えていない
狛が着けている装備の性能は見れば分かるが途中で辞める
それより狛の身に付けている魔導具を見て考える
武器保管用の魔導具、これにあの刀を入れて保管しておけば必要な時に素早く取り出せる
効果発動に微量の魔力を使うが戦闘に支障が出る程では無い、維持に魔力を使う訳でも無い
……確かあのタイプは他にもあった気がするが……後で確認するか
「どうした?」
考え事をしている俺の顔を狛が覗く
戦っていた魔物を倒し終えたようだ
……魔法を使ってるとはいえもう楽に倒すか
「お前のつけてる魔導具を見て使えると思ってな」
「どれの事だ?」
「保管用の魔導具」
「あぁ、これか確かもう1個あったぞ」
狛はバックから魔導具を取り出す
「使わないのか?」
「2個あれば充分だ。他にも腕輪型の魔導具使ってるからちょっと邪魔」
「成程」
「何の武器を入れるんだ?」
「バック貸して」
「ほらよ」
狛からバックを受け取り中から真っ白な刀を取り出す
魔導具に登録して魔導具に仕舞う
「そんな刀あったか?」
狛からすれば見覚えのない武器
「俺が昔使ってた刀だ。詠見に預けてたのを強制的に返された」
「強いのか?」
「かなり強いぞ。使うか?」
「使わなくなったって事は何か理由あるんだろ? やめておくわ」
「まぁ理由あるな。それよりレベル上げするぞ」
「了解」
狛が2本の剣を振るい暴れる
それ程離れていない距離であればすぐに間合いを詰めて切りかかる
複数体同時に相手取って余裕で倒していける
6階層だけでなく7、8階層まで進む
休憩を挟みながら魔物狩りをしていく
「上がらないな」
「レベル6や7が多いからだな」
魔物の数は倒しているがレベル6や7が多く倒してもレベル8から中々上がらない
「下のレベルの魔物だと上がらないんだったな。下の階層の方がレベル高いのが出やすいとかあるのか?」
「あるぞ。今いる8階層や9階層はレベル8、9、10が多い」
「そういや10って見てないな」
「そうだな、そんなレアでもないんだがな」
8階層で魔物と戦う
すると狛が気配に気付く
遅れて俺も魔物の気配を感じて視認する
二足の魔物が少し離れた距離に居た
「お前の察知能力どうなってんだよ」
俺よりも早く広い範囲で察知している
仮にも俺は経験の多い方の探索者、魔物を察知する力はスキル無しでも身に付けている
……生まれついての才能って奴なのか。狛の察知能力は高いのはそうだが、俺が身体が変わった事で感覚鈍ってるのも有りそうだな
戦闘時など反応が遅れる事があった、今までならそんな事はほぼ無かったのにだ
反応だけでなく感覚も変わっているのならかなり致命的
「レベル見えない」
「……噂をすればって奴か? レベル10だな」
「成程、敵は1体、どうする」
「俺が先手で仕掛けるから突っ込め、その後はいつも通り」
「先手で仕掛ける?」
魔法を発動させる
翼の魔法から派生した魔法をここで初めて使う
『羽よ飛べ
翼を勢いよく振るう
すると翼から数枚の羽が抜けて真っ直ぐ飛んでいく
「おぉ! 翼キャラが使う技だ」
「この地形だと余り使い勝手良くないがな」
魔物に襲いかかる
速度は早いが数が少なく威力も弱い
軽く刺さる程度、だがそれでも充分
魔物が刺さった羽に意識が向き俺にヘイトが向いた事で狛がフリーになる
戦乙女の祝福を高倍率に変更して狛が突っ込む
地を蹴り素早く接近する
魔物は狛に反応しすぐに攻撃を仕掛ける
スレスレで攻撃を躱して腕を切り落とし剣を突き立てる
魔物は消滅しない、倒せていない
「しぶといな。だが」
魔物の意識が狛に向いた瞬間に俺は駆け出していた
そして視界外から翼を魔物の首に叩き込み討伐する
「しぶとかった」
「レベルが上がると生命力高い奴増えるからな」
「て事は倒したと油断するとってパターンあるのか」
「あぁよくあるぞそれ、しぶてぇんだよなやべぇのは何処かのGクラスに」
奴が生息する地域に暮らしている人なら分かる例えで言うと狛はすぐに理解して露骨に嫌そうな顔をする
「うわぁ」
「まぁ油断せずしっかりトドメを刺せば問題無い」
「本当に気をつけるわ」
休憩を挟みながら魔物を倒し続けているとレベルが9に上がる
俺はすぐにステータスを振り分ける
狛はまだ決めかねていて仮ステータスで戦っている
ペースを上げて2日に1回でダンジョンに潜り倒していく
そしてレベル9に上がってから1週間経った頃にレベル10へ上がった
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