~逆転~(『夢時代』より)
天川裕司
~逆転~(『夢時代』より)
~逆転~
物の内から他人(ひと)に奪(と)られる「逆転」が在り、現代人(ひと)の足元(ふもと)にほっそり先立つ〝丘〟の麓は未だ明るく、俺の全てを包容して行く幻(ゆめ)の切先(きさき)は未だ萎えずに、俗世(このよ)を介して不意に懐ける孤独の謳歌が珍味を運ぶ。稀有の気色に伽藍が寝そべる情景が在り、現人(ひと)に秀でる魔欲(まよく)の儀式は俺の寝床に散住(さんじゅう)して居り、俺の目下(ふもと)に運べる意識は紺(あお)い宙(そら)から真横にたえ得る平面傾斜を意識して居り、純白(しろ)い空白紙(はくし)へ雑多を描(か)け得る輪舞曲(ロンド)の〝輪廻〟を欲も分らず身欲を呈して置き去りにした。
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…そして、その光景をブラウン管を通して見て居た俺の方にも、仲咲(なかざき)が放屁する後、放屁による匂いの無い風が予想以上に吹き付けて来た。
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憑女(おんな)の香りは宙(そら)へ突き出た夢遊の冷裸(れいら)へ分散した儘、文句(ことば)を生やせぬ無機の鬼畜を幻(ゆめ)に投げ置き、女性(おんな)の白差(しろさ)を矛盾に帰す内、男性(おとこ)に擦(す)り寄る魔欲(まよく)の怜悧は向きに従い膨張して活き、孤独顔した俺の様子は逆鏡(かがみ)を手に取り、可愛い眼(め)をした太い身形の憑女(おんな)の内から、姑息に射止めた奈落の満腔(あいだ)を大目に見て居る。俺の文句(ことば)の精神(こころ)の内(なか)には自然に対する憤りが在り、神に対する憤りが在り、創造(イメージ)しながら弾んで活き得る生(せい)の独気(オーラ)を一生に観た。自分の死地から生(せい)の還れる極致を想い、神の発する木霊が還るを空気(しとね)に包まる暗夜(やみよ)に観ながら、自分に課された怠惰の罪からもっと早くに逃れたい等、覚悟の下地(したじ)に覚悟を認(したた)め、跳んで生くほど悦びを識(し)る。跳んで行くのは俺の身元をすっと離れる現行(いま)を活き得る喝采であり、俗世(このよ)を離れて矢先に観るのは暗(やみ)を突き出た白雲に在る。矮小(ちいさ)な木霊が自然(あるじ)と俺との巨躯の狭間に悠々立って、俺の生(せい)から死後への生流(ながれ)を暗(やみ)の内(なか)から上手に先立ち、生地と死地との膨(おお)きな違いを教えて在るのは無為を知らずに無機を操(と)らない人間(ひと)を包(くる)める暖かさである。神の元(もと)から自然(あるじ)へ羽ばたく温(ぬく)もりが出て、明日(あす)の孤独を未然に防げる概(おお)きな幻(ゆめ)から生気を拡げ、人間(ひと)に生れた俺の仕種に〝俺〟に纏わる軌跡が刻まれ、俺の覚悟は膨(おお)きな宙(そら)へと憤悶(もが)く間(あいだ)に「自分」を片付け消沈して居る。俺の視(め)に在る無為に手倣う白紙を観ながら、一つ一つを一糸を纏わず記(しる)して行くのが自己(じこ)の定めと納得して活き、膠着して行く軟裸(やわら)の無粋を自己(おのれ)に得ながら、明日(あす)の気流(ながれ)にふっと片付く暗夜(やみよ)の規律を見守り続ける…………………―――。
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…しかし放屁を浴びる度に「はぁ…」と相応に感じて居た様(よう)だ。
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泥濘(どろ)の背後に黄泉を映せる屍が在り、俺に宿れる残骸(むくろ)の暗夜(よる)には俺の活き得る屍が立ち、俗世(このよ)の背後をそうっと離れる逆鏡(あわせかがみ)の主(あるじ)の容姿(すがた)は、俺の意欲が幼少時に観た月夜の〝女神〟に酔似(そっくり)だった。人間(ひと)の下(くだ)れる言い争いから〝品(ぴん)と切(きり)〟まで幾何に成り立つ水疱(あわ)の人煙(けむり)も概(おお)きく解(と)かれて、始めて成り立つ人の行事は黄色の放屁の末端から漏る。態と逸らせる幾様(きよう)の梯子を感覚(いしき)の伸び得る架空に迄架け、苦慮を呈せる微弱(よわ)い美声(こえ)には自己(おのれ)を蔑む陽気が吠え発(た)ち、幾分生けずの無想の碑の子を人間(ひと)の生気の鱗粉ともして、何も化(か)われぬ無意(むい)の境地は俺の残骸(むくろ)を膨(おお)きく彩(と)った。矮小(ちいさ)な独創(こごと)を生気の連呼に事毎仕上げ、無機を呈せる脆弱(よわ)い〝有(ゆう)〟には栄養不足の器用が成り立ち、暗(やみ)の集積(シグマ)に安穏頬張り無為に過せる岡目の姿勢(すがた)は、天の川まで立脚して酔いの醒(覚)めなど充分立った。
幻想(ゆめ)の空間(すきま)を自由が埋め生く無想の原理が現代人(ひと)には解らず、俺の文句(ことば)は宙(ちゅう)を跳び行く〝破局の理(り)〟を成し、滔々過ぎ行く無数の星座は生気を織り成し男・女(だんじょ)を繕い、斜に構える俺の遠慮を未知へ揉み消し至純(しじゅん)へ辿れる老気(ろうき)の温度を新拓(しんたく)していた。俺の呼気(いき)には〝生(せい)〟を奏でる生徒の分身(かわり)と、暗(やみ)を背後に消沈して居る俺の実体(からだ)を量産して活き、孤狼(ころう)の呈(てい)して旧友(とも)を離れた未業(みぎょう)を意図する俺の少年(こども)を侍らす「未知の奥地」を用意して居た。俺の記憶は小言を呈する連呼から成る、透明色した無機に巻かれて、旧友(とも)の視(め)からも少年(こども)の視(め)からも脱却して生き、仁王に挿(す)げ立つ五月蠅(あわ)い翳りに人生を観て、可脆弱(かよわ)く咲き得る百合が野に立つ風景を見た。
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…熟女女優は後ろ手に縛られ、黙って座って居る。
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小声で意図する俺の〝向き〟には眼界(かぎり)が在って、俗世(このよ)から発(た)つ現代人(ひと)の本能(ちから)は我欲に徹した臨界など敷き、何処(どこ)へも生(い)けない惨い眼(め)をした末期(まつご)の感覚(いしき)を、現代人(ひと)の幽体(からだ)は未完(みじゅく)に繕い後悔さえ無い。悔み識(し)れずの現代人(ひと)の窓から純白(しろ)い過失は憤りを経て、両親(おや)も子も無い脆弱(よわ)い未覚(みかく)を充分睨(ね)め付け、明日(あす)と〝今日〟との相異の根元(ねもと)を暗(やみ)に配(はい)すが、俺の実体(からだ)を非常に包(くる)める無機の空気(しとね)は俺の頭上(うえ)にて絶えず明るみ、無欲で居るのを好しと出来ない人間(ひと)の感無(オルガ)を吹聴して居た。人間(ひと)に根深い原罪(つみ)の欲手(よくしゅ)は種子(たね)を頬張り、俗世(このよ)を活き抜く現代人(ひと)の交響(こだま)を孵(かえ)せる必要温度の出元(でもと)を気にして、明日(あす)の行方と今日の行方を共に捜せる気力を保(も)ち出し明る味(み)さえ識(し)り、人の無力を宙(そら)に掲げる脆(よわ)い子羊(ひつじ)の群れの内でも、そうした業(ぎょう)から離れないのは人間(ひと)に役立つ業(ぎょう)とするまま幻(ゆめ)の感覚(いしき)は美欲(びよく)の美味(びみ)へと優(ゆう)に懐いた。
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…話の中盤にて、AV女優(俺を狂わせてくれるような奴)が他の(それほど俺を狂わせない)どちらかと言うと比較的熟女のAV女優と共演して居り、俺を狂わせる女優とは仲崎千春のようで、仲崎の尻にはボンテ―ジが覆い肛門だけが覗く形となって在り、熟女女優の顔に、すか~~っと屁を吹っ掛ける企画と成っていた。
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身欲を火照らす五月蠅(あわ)い騒音(ノイズ)がテレビから鳴り、幻(ゆめ)の帰路から逸れた俺には女優(おんな)の上手が真横から発(た)ち、身寒い眼(め)をした魔性の膣(さや)から宙(そら)の彼方へいきり立ち生く男性(おとこ)の情(なさけ)が棒に静まり、慌て無沙汰に昨日へ還(もど)れる幻想(ゆめ)の解(ほつ)れに無駄足を観て、女性(おんな)の膣(なか)から自分を絞れる微弱(よわ)い安堵を幸福に見た。紺(あお)い火照りは宙(そら)の内から幸福を挙げ、手当たり次第に美欲(びよく)を侍らす少年(こども)の密室(へや)へと官能(オルガ)を向かせて、着慣れないのに上衣(うわぎ)を羽織れる無為の行為を横手(よこて)にしながら、えっちらおっちら、人の霧から矛盾を射止める個業(こぎょう)の有利に目算して居る。〝堂々巡りの人の問い〟には感謝知らずの女性(おんな)が先立ち、幻夢(ゆめ)の両眼(まなこ)に拡散され得る一理(いちり)の端(はた)から寡黙をも挙げ、完璧(かべ)に仕上げる無欲の美味(あじ)には固陋に向かない宵の主観(あるじ)が活き活きしていた。
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…そこでも矢張り、店長が幅を利かせて居た。高校時代の友人も居たようだ。
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無想の両眼(まなこ)に夢想(ゆめ)を遮る現代人(ひと)の孤独が先に跳び出し、両親(おや)の背を観て子供が生育(そだ)てる不意の寄宿に我欲が飛んで、発破の撓(たわ)んだ幻(ゆめ)の緊張(はり)には肌皺(しわ)が目立って、二進も三進も当然行かない人間(ひと)の精神(こころ)は崩壊して生く。俺の精神(こころ)が少年時代(こどもじだい)に、箱庭(にわ)に沢山垣間見て居た聖光(ホーリネス)に居る人間(ひと)の精神(こころ)は、我欲に満ち生く都度の倣いに宙(ちゅう)を仕立てる大袈裟を採り、聖書の生糧(かて)から至難を経て解(と)く僅かな御言(ことば)を向きに認(したた)め、聖(せい)の光に邁進して行く無尽の火蓋を自分で切った。切った後(のち)から人の哀れに自分を侍らす向きの仕種を大目に観て生き、過酷な立場を自己(おのれ)に遣らない攻撃態度に矛盾を勝ち取り、「神の身元」と自己(おのれ)を引き上げ、自分の周囲(まわり)に滑稽(おかし)く集える〝美味〟に恋した信徒の人群(むれ)には、清書の生糧(かて)から充分束ねる人の排除が充満して居た。物見豊かな信徒の人群(むれ)には二人の〝牧者(ぼくしゃ)〟が〝聖(せい)〟に映って、聖光(ホーリネス)から強靭差(つよさ)を儲ける黄泉の脚力(ちから)を大目に見て取り、自分の傍(そば)から離れる信徒を、ひたすら祈って地獄へ遣って、自分が射止める聖光(ひかり)に吟味(あじ)わう気色の内(なか)には、原罪(つみ)に落され死に往く者には絶えず取れない「王座」の灯(あか)りがぽつんと在った。無為の儀式が暗(やみ)に屠られ、人間(ひと)の実体(からだ)が葬り去られる陽光(ひかり)の内(なか)へと前進しながら他者へ掛かれる自分の打つ手は人間(ひと)を無視して聖光(ひかり)を観て生き、語り尽(き)れない正義の幌(ほろ)から人間(ひと)の主観(あるじ)が進行して活き、把握(りかい)出来ない神の御意志を人間(ひと)の言葉で脚色して生く〝信じる強靭差(つよさ)〟に依存して居る。依存し尽す暗(やみ)の信徒の大躯(たいく)の端(はた)から歪曲(まが)った審理が滑走して活き、独創(こごと)を配する悪魔の伝手から強靭(つよ)い真理が滑って入(い)った。悪魔の真理が入(い)った体は人間(ひと)の真理を揺るがし始めて、堂々巡りの虚無の許容(うち)から未完(みじゅく)に仕上げる教典(ドグマ)を切り出し、泡(あぶく)に透れる無為の業査(ぎょうさ)に虚構を阿る一つの血滴(しずく)が無感(むかん)に跳んだ。
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…女子(おんな)は、或る長くそれでも広い部屋の中で、新体操のような事をし、体を動かして居り、「相変らず体動かすの好きやなぁ」等と、或る意味、感心して見て居た。
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孤独の空間(すきま)に俺の退路が渡って入(い)って、俺の生歴(きおく)が他人(ひと)と交わる〝団結論〟など想う最中(さなか)は、独創(こごと)を捉える無為の信者は行為を欲してその場に立った。俗世(このよ)に活き得る透った〝意味〟から未完(みじゅく)が照らせる哀れが煌(かがや)き、厚い空気(しとね)に白壁(かべ)が掛かれる現世(うきよ)の情緒を除ける夢想(ゆめ)の限界(かぎり)が宇宙へ跳び立ち、苦労話に夜目(よめ)を割け得る小言の文殊が煌びやかに在る。俺と他人(ひと)との夢想を隔てた空虚の乖離は数多に遍(わた)れる魅力の空間(すきま)に自己(おのれ)が意図する無機の集積(シグマ)が罷り通って、明日(あす)の旧巣(ふるす)へゆっくり遊泳(およ)げる孤独の〝神秘〟に結託して居る。自分の意識の通り一面、夢想の文句(もんく)が囀るけれども、俺の精神(こころ)に呈した〝夜目(よめ)〟には俗世(このよ)の〝伝手〟から何も問われぬ無為の境地が還って在って、俺が目にする白紙の先には他人(ひと)の孤独と自己(おのれ)の孤独が虚無に先立つ脆弱(よわ)さを識(し)り抜き、滅法誇れる無言の許容(うち)には朝から夜まで俺に煌(かがや)く黄泉の生き血が惨憺して居る。
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…俺は、何か用事の用を足す為に、部屋毎を歩き(当り)回り、自分のニーズについて知人を含めた周りの人達に突き付け、条件が合う返答を待って居た。
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俺の精神(こころ)は矮小(ちいさ)な生理(せつり)に従いながらも自分の生歴(きおく)がそこら辺りに散乱するのが如何(どう)とも言えずの憤悶(ふんもん)に在り、女性(おんな)と男性(おとこ)の先行(さき)に燃え立つ俗世(このよ)の主情(あるじ)に隠れる存在(もの)は、何時(いつ)も観て来た鳥籠(おり)の内での行儀であった。失敗続きの奇妙な文句(もんく)が煌(かがや)き始めて、純白(しろ)い景色に人間(ひと)を射止める女性(おんな)の〝奈落壁(かべ)〟さえ上手に仕上がり、何も無いのに「何かが在る…」等、人間(ひと)が束ねる錯覚から観て〝得体知れずの空虚な呼笛(あいず)〟が渡航を携え俺まで寄って、暫く振りにか俺の心に定める〝呼笛(あいず)〟は空気(もぬけ)を袈裟懸け気分で仕上げる強靭(つよ)い動機に苛まれて居た。男性(おとこ)の肢体(からだ)はとにかく執拗(しつこ)く女性(おんな)を追い駆け、女性(おんな)の肢体(からだ)は俗世(このよ)に挙げられ貴重を保つ(も)たされ女性(おんな)に見えても男性(おとこ)に見えても、結局退(ひ)かない無重(むじゅう)の価値にて、両者の狭まる「人間(ひと)の生絆(きずな)」を覆って在った。人を裁ける聖光信者(クリスチャン)には、俗世(このよ)に羽(は)ためく真理(しんり)を定めず、脆弱(よわ)い他人(ひと)へは自分を崇める強靭(つよ)い轍を充分気取らせ、自己(おのれ)の審理を宙(そら)へ観(み)せては、神の訓(おし)える〝隣人愛〟から具に逃れる手法(すべ)を見て居た。鳥籠(おり)の内でも派閥がそうして派閥を啄み、信じる思惑(こころ)を空気(まわた)に隠して自己(おのれ)を育む土台を牛耳り野戦に赴き、俺の心身(からだ)と袂を分かてる優(ゆう)の侮辱を禁じてもない。ひたすら、ひたすら、独走して活き、他人(ひと)の心へ土足で踏み込み、遜りさえ思い遣りさえ終(つい)とも観(み)せずに暗黙信者の思惑(こころ)の自糧(かて)に置くのは無敵を誇れる勇者であった。〝幻想的〟から真(しん)に迫れる「佳日に含める受難」を承(う)け継ぎ、自派(じは)の各時が「使徒」の独創(こごと)を受け継いだのだと俗世(このよ)に対して独身を立て、常に人影(かげ)にて他人(ひと)を殺せる自審(さばき)を携え潜伏している。そうした悪魔が聖光信者(せいこうしんじゃ)の俗に成り立ち、常に常へと他人(ひと)を裁ける〝清めの晴嵐(あらし)〟をその実(み)へ片付け、神を見ぬ間(ま)に人間(ひと)に具わる本能(ちから)に頼み、幻覚(げんかく)から観る幻想(おもい)の火蓋をその実(み)に遣った。
事の始めに流れた季節は何も見果てぬ詩吟から成り、人間(ひと)に操(と)られた詩吟(うた)の内具(ないぐ)は〝堂々巡りの信徒〟の内から、暇(ひま)に立てられ〝密室(へや)〟を忘れた人間(ひと)の内へと至順(しじゅん)に流行(なが)れ、人間(ひと)の信仰(まよい)が宙(そら)へ蔓延る矛盾の内(なか)から実に気高い幼稚を採るのと、そうは変らぬ無極(むきょく)の聖地へ臨従(りんじゅう)して活(ゆ)く。
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女を含めた、合宿場のような施設に居て、俺も居た。楽しく、黄色い明かりの中、皆で楽しくわいわい遣って居る。
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文句(ことば)を忘れた金糸雀(ことり)の羽から想いが漏れ落ち、自分の肢体(からだ)を現行(いま)から遠退く生気の道標(しるべ)と定めた儘にて、自己(じこ)の独気(オーラ)が俗世(このよ)を照らせる俗世(このよ)の活気に満ち溢れていた。俺の横には俺の白紙にそのまま流行(なが)れる万葉(ことば)の水面(みなも)が勝手に仕上がり、奇妙な背中を蹴上がる〝屯(たむろ)〟は俺の背後へ逃水(オアシス)を引き、俺の背後(うしろ)に隠れた男女は欲の跳力(ちから)で何度も何度も〝果ての観得ない神秘の目下(ふもと)〟へ悠々辿り、御仕舞から観て非俗(ひぞく)の審理に闊歩するのは、無機に富め得る人から異質の行始(ぎょうし)に落ち着く。〝死んだ作家〟が独歩を呈する微弱な集体(シグマ)を俺の意図する気色に置き去り、黄泉の郷(くに)まで自分を射止める独身(ひとり)の讃歌を列強(つよ)くしている。拘りさえ無い〝生(せい)〟の産地の女床(なえどこ)から観て、泡(あぶく)を着飾る無理の空巣(あきす)は未知を踏まえて俺と対峙し、思い出人(びと)まで独語に起せる得体の空慮(くうりょ)を拡散して居る。むずむず疼(かゆ)さを俺へ仕留めて、旧友(とも)の伽藍(ならく)が俺の背後に常に在るのは、俺の感覚(いしき)が空(くう)を射止めぬ空気(しとね)の真綿を女性(おんな)に観て採り、俗世(このよ)の男・女(だんじょ)の不様が目にする古来(むかしながら)の自活(かて)の多くが〝意味〟を忘れた現世(このよ)の空気(しとね)を藁に窄めて、固陋の順序が秩序を保(も)たずに大和(やまと)へ還れる向きの前進(すすみ)を尊く観て居た。俺の共友(とも)から人煙(のろし)の上がれる猟奇を睨(ね)め取り、執拗(しつこ)く這い出る空気(しとね)に埋れた〝門戸〟の木枠は、俺の過去から何時(いつ)しか見取れる夜目(よめ)の審理が矛盾を見付けて旧友(とも)の容姿(すがた)を俗世(このよ)に置かない自然淘汰を愛して在った。何を言っても一向消えずに、俺の実(み)を待つ延命(いのち)の木の実は、俗世(このよ)の共友(とも)から人間(ひと)の温味(ぬくみ)を一切片付け、俺の躰を俗世(このよ)に生かせる自然原理を〝密壺〟へと容れ、〝愛してます〟など自然の消去に衰退して生く無垢の気質は〝白紙〟の上から暗黙(どこか)へ跳んだ。俺の心身(からだ)は神の息吹を揚々求めて〝自然淘汰〟に追随して生く〝人間(ひと)に見得ない基準〟の浮沈(ながれ)を、女性(おんな)を観るまま男性(おとこ)を観る儘、潔白(しろ)い主情(こころ)に逆立ちして行く気色を立てつつ、俺の思惑(こころ)は未完(みじゅく)を忘れて鵜呑みにして行く人生(ぶたい)の袖から幕間(まくま)に落ち着き、人間(ひと)に対する苦手意識を不問に問いつつ布団の内(なか)にて、俗世(このよ)の進歩を消して詠めない〝塒の境地〟に還って入(い)った。
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…周りの社員は女も含めて、
「まだですかぁ?…」
等と馬鹿にしたような口振りで中年男(かれ)を揶揄し、やがて聞き付けた店長に又その中年男はこっぴどく叱られそうな空気が在った(それ以上は知らない)。
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人生(みち)の奈落(した)から宙(うえ)を仰いで、当面豊かな景色を識(し)りつつ泥濘から成る空気(しとね)の〝呼笛(あいず)〟は俺をも見限り、覆面被(かぶ)った中年男(おとこ)の気色を女性(おんな)の目前(まえ)から遠避(とおざ)けても行き、俗世(このよ)の〝檻〟にて馬鹿に威張れる能無し主(あるじ)を亡き者にした。
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…その中年男(おとこ)が又或る夜に、沢山並んだ本を、ビルから落下する空間に面した棚からばさばさばさばさと何冊も落した。俺には、態とに見えた。
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狂った祈りの全てから観て俺の文句(ことば)は黄泉へと下れる延命(いのち)の水源(もと)へと滑空し続け、無垢の表情(かお)した女性(おんな)の〝夜〟には破局の〝輪舞曲(ロンド)〟が恰好(かたち)を頬張り、男性(おとこ)の眼(め)をした火の鳥から観て何も感じぬ〝夜空〟を天駆(あまが)け、俗世(このよ)の目下(もと)から果てが観得ない二局の主(あるじ)の目当(ことば)を聴いた。二局(ふたつ)の主(あるじ)は人間(ひと)の孤独を空気(しとね)に透せる無局(むきょく)の生地を空転(ころ)がし続けて、「何処(どこ)から一体宙(そら)が在るのか…?」何も解らぬ色紙を携え、常時(いつも)誰かに排斥され生く〝気味〟の論理を構築して居り、俺の姿勢(すがた)が息衝く〝論理〟は俗世(このよ)の古巣に二度と見(まみ)えぬ幻想(ゆめ)の進化と結託して活き、俗世(このよ)に居座る盛(さか)えた男性(おとこ)と栄えた女性(おんな)に刃物を突き付け〝夜〟を訓(おし)える無刻の〝信徒〟を俺へと遣った。初めから無い〝無為の境地〟は審理を呼び付け、俗世(このよ)の〝古巣〟を段々離れる自然の並びに俺を列(なら)べた。他(ひと)の脆差(もろさ)に合せ損ねた俺の幻(ゆめ)には、未知が居座る〝勇者の並び〟が後退し始め、夜(よ)な夜(よ)な宙(そら)まで自己(おのれ)を追い込む未覚(みかく)の真理が遊泳して活き、俗世(このよ)の範囲(おり)では他(ひと)へ添えない奇妙の妙味を推算(すいさん)して居る………―――。
*
…或る夜、中年男が、まるで大学の講義時に毎回出すコメント用紙に、(改革派教会の長老のように)「仕事はしません」と言った旨の自分の思いをしっかりとはっきりと書いて出して居たようで、そうした自分のコメントを、そのコンビニ店の店長として収まって居た白シャツ・黒スーツの髪がてかてか男に渡していて、初め店長は「何?しません?」等とぎょっとして居たが、中年男に諭され、少しは納得して居た。
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躰の脚力(ちから)が抜けて来るのを宙(そら)を見上げて痛感しながら、独り暮らしの人間(ひと)の記憶が暗躍(やみ)を目掛けて猛進して活き、他(ひと)と介する新たな出来事(こと)など何を一つも吟味(あじ)わえない内、一つ大きく黄泉の理想郷(くに)へと、股を拡げて闊歩したのだ。俗世(このよ)の余録(よろく)に不意と気付ける過失(あやまり)を観て、端正(きれい)の屍(かばね)をどんどん築ける無謀を拝して満月を盛(も)り、女性(おんな)の如きを鵜呑みにし得ない幼い遊女と相対(あいたい)しながら俺の〝姑息〟は幻想(ゆめ)に這い擦(ず)る素人癖(しろうとへき)さえ内包して居た。明るい果実が赤味(あかみ)を呈して宙(そら)を遠退き、現代人(ひと)の全裸(すべて)が膨(ふく)れて傅く満月(つき)の笑みから微笑を整え真冬の最中(さなか)に閃光(ひかり)を遮る脆(よわ)い香女(おんな)の頬杖を観て、俺の白紙が滅法汚い幻(ゆめ)の形成(かたち)を愛して行くのを、俗世(このよ)を食み出る蝙蝠傘からちょこんと仰け反る自活の演技は、滅法拡がる宙(そら)の辞書へと文句(ことば)を書いた。俺の周囲(まわり)に誰も見得ない自由が生き着く古郷(ふるさと)が在り、色褪せないまま奇妙に籠れる俺の密室(へや)には温度が灯らず、発音(おと)の虚しい美欲(びよく)の酸化が著しく成り無駄に死に逝く古い規律(おきて)が俗世(このよ)の黄泉へと還って行った。黒い人影(かげ)から赤い実(み)が出て、現代人(ひと)の俗世(このよ)に原罪(つみ)が無いのを暗(やみ)に埋(うず)まる〝盲者(もうじゃ)〟に聞き留(と)め、明日(あす)の盛(さか)りを器用に生き抜く未完(みじゅく)の欲への概(おお)きな闊歩は、明日(あす)を生き抜く嗣業の芽に観て、幼い延命(いのち)の開刻(かいこく)である。
男性(おとこ)の〝早見表(はやみひょう)〟から女性(おんな)を抜き取り、陳列台にて転々(ころころ)空転(ころ)がる身軽(かる)い分業(ノルマ)を達成して活き、俗世(ぞくせ)の檻(うち)にて奇妙に保(たも)てる男女の哀れを次第に悦び赤々燃えて、尽きない強靭(つよ)い快感(オルガ)を期待して居た。俗世(このよ)の男女に幻(ゆめ)の万葉(ことば)は空々(からから)舞い落ち、掛値の酔えない無為の独語(かたり)が延々片付き、容易い男性(おとこ)の腕力(ちから)に呆ける無難の表情(かお)には、俗世(このよ)の正義を詰らなくした小言の恋慕が対峙して居る。………――。
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その中年男の周りに友人の様(よう)な人は居たが、皆、彼を本気で見定めようとする者は居ず、流行(なが)れで人物評価をしていた為、その中年男は損をさせられて居た。
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俗世(このよ)に集まる男女(だんじょ)の人群(むれ)には俺に解らぬ〝心(こころ)〟の摂理が道具と称して飛び交い続けて、一向添え得ぬ幻(ゆめ)の範囲(うち)には、俗世(このよ)の審理が〝何〟と判らず悶絶するのを「俺の定めへ始めに置かれた孤独の定規」は解決して活き、人の定めに〝二物(にぶつ)〟を与える〝審理の密室(へや)〟には、過去の経歴(きおく)を全く識(し)らない不快の順序が成熟して居た。俺の思惑(こころ)は母を愛して、母の孤独を治す為にとあらゆる好意を並べて在ったが、俺の成熟(ナイズ)が幼い形で生長した為、幻(ゆめ)を活かせぬ雌雄の糸目が柔濃(やわこ)く観得たが、肌身離さぬ生気の微動(うごき)は解散され得ず、俗世(このよ)の暇(ひま)から空気(しとね)に活き得る無重の有機は宙(そら)へ還った。俗世(このよ)の全野(ぜんや)を独りで活き得る俺の分身(かわり)はそのうち実体(からだ)を集め損ねて、幼い余命(いのち)の感無(かんむ)を報せる事象を観るが、純白(しろ)い紙には俺の気力が把握され得る空気(しとね)の赤味(あかみ)が自分を保(も)ち上げ、奇妙に遺棄するmonkの落度(かげり)を絶交して居る。俗世(このよ)の「明日(あす)」から無理を着飾る命が蹴上がり、自分の仕手から苦慮に仕上げる無憶(むおく)の想起は粘着を識(し)り、何処(どこ)かの混沌刻(カオス)が無憶に連なり日本人(ひと)を失(け)すのも、電子に纏わる不断の呼気(いき)から一掃して行く〝自役(テロ)〟の有利に拡散している。空白(しろ)い上気は人間(ひと)の孤独を暗(やみ)へと葬り、清閑(しずか)な奈落へ丁度行き着け〝この日〟を観るのを、俗世(このよ)の信義(しんぎ)に欠ける日中(ひなか)に送信するまま黄泉の水面(みなも)に脚力(ちから)を費やす自己(おのれ)の知識を有名にした。
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一人鵜辰(うだつ)の上がらない、中年の男(見た目は
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人が果て逝く苦力(くりき)の果てから無想に際立つ明朗が漏れ、明日(あす)の明光(ひかり)が三度、三度、の支度をする頃、俺の日毎は無意(むい)に関する記録をして居た。女性(おんな)が滅びる俗世(ぞくせ)の跡には、俄かに誇れる奇妙が先立ち、「自分を記(き)する…」と強靭(つよ)く絆せる俺の故意には「態と…」が顕れ、明日(あす)の気力に散々蠢く未知に赴く嘆きの心裏は、俗世(このよ)に活き得る早い内から俺に運ばれ凄惨に在る。二手間どころか俄かに先立つ晴嵐(あらし)の御前(まえ)でも男性(おとこ)と女性(おんな)の両極(ふたつ)の性(せい)から「故意」が先立ち、俺の純性(ピュア)には女性(おんな)の艶体(からだ)を起点として活(ゆ)く烈しい色気が横行して生き、俗世(このよ)の果てから二度と消えない人間(ひと)の迷想(こどく)が失踪(まよい)を産んだ。俺と人間(ひと)との迷想(まよい)の矛先(さき)から俺を費やす両親(おや)の存在(あたり)が邪魔と成り生き、人間(ひと)が活き行く倣いの果てには如何(どう)にも問えない狭い知識がが視野を拡げて、遊び道具を俗世(このよ)に残さぬ不乱の遊戯を形象して生(ゆ)く俺の具体(つぶさ)を講じて在った。覚醒時にさえ、安眠時にすら、身元を定めぬ概(おお)きな晴嵐(あらし)が俺の周囲(まわり)を静かに飛び交い、そのうち段々俺の立場を好く好く固める神秘の絆の地固めをして、俺の見得行くあらゆる分野(ばしょ)から姿形(すがた)を潜ます緩い談義が明光(ひかり)の内から燃え広がって、この世を活き抜く旧い倫理を俺の目下(ふもと)へこっそり預けて自体(おのれ)の効果を順に侍らす無垢の赤身を引っ張り続けた。俺の周囲(まわり)は誰にも寄れない深い奈落を構築して居り、深い奈落に白壁(かべ)が成り立つ旧い信徒を純(うぶ)に着飾り、旧い儀式(かたち)を大事に捨て生く真冬の恰好(かたち)を上手に頬張り、自分に着飾る常識(かたち)の程度は学(がく)にも留(と)めない「自然原理」の開発から観て、何気に〝旧巣(ふるす)〟を解体して行く斬新(あらた)な音頭を発音している。俺に採られた旧い鼓膜は他(ひと)の発語(ことば)を聴き取れないまま古い定規に〝自分〟を寝かせる皮肉の成果を賛嘆して置き、詰らぬ俗世(このよ)に活き続けて居る人群(むれ)の酸化へ嫌気が差しつつ、無言に終れる身欲の進歩を宙(そら)へ返すは、俺に採られた〝独り弄(あそ)び〟の耄碌して行く俗世(このよ)の摂理に準じて在った。
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白いカッターシャツに黒に近いスーツを着た、誰にとっても上司の様(よう)な男が現れ、俺に警戒させながら、職先での出世を阻んだり担ったりする存在に落ち着いて居た。
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無意味の〝真理(しんり)〟が俺の許容(うち)から女性(おんな)に顕れ、道標(みちしるべ)に立つ目下(ふもと)の審理は無為を損ねた悪の参議に、恰好(かたち)に落ち着く保身を落ち着け、俺の躰が端麗(きれい)な陽光(ひかり)に翻(かえ)って生くのに、一新して行く愚かの行為は欲に宛がう人光(ひかり)の暗(やみ)から〝鵜辰(うだつ)〟の観得ない小鳥(とり)の鳴声(こえ)など散行(さんこう)して生き、俺の目下(ふもと)を漂う宙(そら)には〝行き場を忘れた血色(ちいろ)の酒宴(うたげ)〟が自体(からだ)を拡げて横行して居る。夢想(ゆめ)の範囲(うち)から両親(おや)に掛かれる保身の発声(こえ)には、俺の全身(すべて)が精神(こころ)を八つ裂く旧い論理が生来息衝き、俄かに増え生く斬新(あらた)を計れぬ現行(いま)の夜目(よめ)には、素人張りした黄泉の堅固に自明を掲げて前進して生く。他人(ひと)と人との俗世(このよ)の堅固に頂戴して行く俺の生気は独気(オーラ)を従え、女性(おんな)の肢体(からだ)が女性(おんな)を透して柔裸(やわら)を伝道(つた)える古来(むかしながら)の作法が留(とど)まり、俺の心身(からだ)と打ち解け始めて古郷(こきょう)を得るのは暗(やみ)の内でも悶絶に在り、身軽(かる)い女性(おんな)に軟派を識(し)り生く旧来(むかしながら)の生態から観て、俺の発声(こえ)には幻夢(ゆめ)が懐かぬ旧い奥義が閑燦(かんさん)とも在る。
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…後で振り返った際に見たコンビニは、少々その内実を俺に取って化(か)えた代物(もの)と成っていたが、でもまぁ比較的働き易い仕事場には変わりが無かった。
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無刻が経ち生く静かな広場に俺の背体(からだ)が殉死して生く身欲の独気(オーラ)が散光(さんこう)して居り、旧い〝軒端〟に俺の残像(のこり)が独歩を始める、孤高の脚色(いろ)した魅惑の勇者が、俗世(このよ)で観て来た〝始め伝(づた)い〟に〝生裸(せいら)〟の謳歌を愉しんでもいる。女性(おんな)の集体(シグマ)に掴み損ねた「女性(おんな)の倫理(モラル)」を暗(あん)に葬り、俗世(このよ)の底から何処(どこ)まで入(い)っても〝魅惑の情緒〟は解理(かいり)を識(し)らずに、初めから無い無理の審理は童貞色した〝向き〟の柔味(やわみ)を自分の過去まで膨(おお)きく引き摺る嫉妬の弄(あそ)びに順々引き付け、自己(おのれ)の潔白差(しろさ)を〝生(せい)〟に射止めて俗世(このよ)を活き抜く身欲の讃歌を夢見て居ながら、俗世(このよ)の基地(そこ)から乖離(はな)れ始める〝生(せい)の生き血〟を欲して在った。人間(ひと)の微弱味(よわみ)を俗世(このよ)を離れた淡い敷地で、連々々々人煙(けむり)に巻き活く滑稽(おかし)な道理は両道を敷き、生(せい)の列(なら)びに身悶えして居る〝奈落上がりの生身(なまみ)の幻(ひと)〟には、初めから無い虚無の極致に生果を射止める無為の発砲(でかた)を概(おお)きく待った。俺を見据える二つの逆鏡(かがみ)が〝奈落〟の基底(そこ)から挙がって来る時、見慣れた表情(かお)した宙(そら)の土人(どじん)が俺に生れて概(おお)きく立った。漆黒(くろ)い幻(ゆめ)には俺が留(と)まれる余白が漂い、人間(ひと)に埋れた旧来(むかし)の〝進化〟がその実(み)を引き摺り、誰も彼もが大きく寝そべる旧い宮(みやこ)を女性(おんな)に観て識(し)り、俺の背後は奇妙が囀る欲の幻(ゆめ)から幻想して居る。
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調子乗りで「お笑い」に憧れた学生(おとこ)も誰かと、そのコンビニか何処(どこ)か別のコンビニで働いて居たようで、俺はその学生(おとこ)の働きっぷりから生活(生き方)のヒントのようなものを得ようとして居た節が在った。
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俺の身欲を外れて活きつつ、生(せい)に還れる〝運命論者〟は撲滅させられ、孤高の夜毎に大海(うみ)を観て生く〝薄仰(はっこう)信者〟に生命(いのち)を直せる独言(どくげん)を観て、頼りに成らない旧い頼りを顔を顰めて上手(じょうず)にたわらせ、明日(あす)の身元に上手く咲けない紺(あお)い花へとその実(み)を寄せた。人間(ひと)の我欲に厚味(あつみ)を成し生く〝運命信者〟は風呂の香りに自己(おのれ)を侍らせ、男女の身元へ頗る寄れない「宙(ちゅう)の身元」を改革して活き、旧い生理に自活を仰いで浸透して生く億尾の美女から納得を得て、〝孤独〟で居るのが何よりましだと自己(おのれ)を示せる審理を敷いた。俺に空転(ころ)がる初春(はる)の温度は温味(ぬくみ)を乱せず、遠い晩春(はる)から身近の近春(はる)まで、桃(あで)の芳香(かおり)に脚色付(いろづ)けして行く途方の感覚(いしき)を回想した儘、幾度も幾度も正坂(さか)を上がれる苦労の〝隔離〟を至純(しじゅん)に見定め、〝在る事無い事普通の暴挙に開拓して生く普遍の真理(しんり)〟を追い駆け出した。旧友(とも)の心裏は俗世(このよ)の基底(そこ)から端正(きれい)に上(のぼ)れる透った実体(からだ)に欲を呑ませて、初めから在る〝労苦〟の解(ほつ)れを黄泉に返して堂々とも在り、自分の身欲が「男女」を通して美欲(びよく)と成るのを、旧来(むかし)から見る旧友(とも)に従い翻(かえ)されるのは、俺の精神(こころ)に未完(みじゅく)に宿れる労(ろう)の主情(あるじ)の心配である。純白(しろ)い小鳥が俺の思惑(こころ)を存分跳び活き、羽根(はね)を拡げた未覚(みかく)の触手を奇麗さっぱり畳み終えては、明日(あす)の目下(ふもと)へ延長して行く経過(とき)の旧さにがっくりして居り、〝果て、果て〟困れる無為の進化を闊歩に引いては、微弱(よわ)い煽動(うごき)に換算され行く未覚の進化を劣等に退(よ)け、「決まり文句」の躍動(うごき)の素手には、独創(こごと)に寄らない旧い〝審理〟が女性(おんな)を携え男性(おとこ)に対し、「合せ文句」の一つからでも〝幻(ゆめ)〟に見果てぬ旧(ふる)びた〝尺度〟は夜目(よめ)に光った。
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…又、収入口が出来た事が嬉しかった為か、コンビニの話辺りに戻り、「働く事」に就いてのエピソードが始まって居た。
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黄泉の聖地へ段々昇れる憂いを失くせる学生(おとこ)の話は、人間(ひと)が束ねる常識(かたち)の規矩から没我を逸した流転を伴い、在る事無い事、二言三言の常識(かたち)に合せる現代人(ひと)の愚行(おろか)が基底(そこ)を這い活き、現代人(ひと)に観られる軟い〝進歩〟は加減を識(し)り得ぬ〝無駄の奥地〟へほっそり跳んだ。俺の背後を揺らめく光明(あかり)が瞬間(とき)の蓄積(シグマ)の功(こう)に倣って、明日(あす)の根底(した)から俺へと導く〝古郷(こきょう)の淡路〟が斜陽に照らされ、真っ直ぐ視(め)に付く微温間(ぬるま)の功徳を足蹴にして居た。俗に目に付く「ハッピーエンド」は俺の内心(うち)へと上手に揺られて、激しく咲け得る人間(ひと)の温度は態度を講じて極輪(きょくりん)を成し、五月蠅(あわ)い雑言(ノイズ)に巨躯を観るほど孤独な術(すべ)にて目的(あて)を諭した。始めて観るのが人間(ひと)の温度の小波(さざ)めく功(こう)なら、始終の生命(いのち)に見限る夢幻(ゆめ)には現代人(ひと)の愚図(おろか)が先行して活き、現代人(ひと)の心闇(やみ)へと「明日(あした)」を遣るのは、五月に尽きない桜(はな)の功(こう)からその実(み)を揺らせる。俗世(このよ)の進化に物理の醸せる進歩を見出し、物理の進歩に付いて生けない感情(おもい)の進歩は人間(ひと)へと懐き、孤独が押した斬新(あらた)な進化は、黄泉の目下(ふもと)に透って鳴けない現代人(ひと)の孤独を鵜呑みにして居る。俗世(このよ)の闇から人間(ひと)の暗(やみ)まで、宙(そら)を独歩(ある)ける労力(ちから)が小波(さざ)めき、明日(あす)の目下(ふもと)へ倣い生くのは「地道に仰げる個人(ひと)の思惑(こころ)」と自認して居り、現行(いま)を這わせる人間(ひと)と個人(ひと)との厚差(あつさ)の上では、一秒足りとも孤独に慣れない脆弱(よわ)い心裏(しんり)が暗(やみ)を造った。明日(あす)の集成(シグマ)へ概(おお)きく成り立つ無適(むてき)の様子は〝輪舞曲(ロンド)〟に煩い、輪廻に遺棄する幻想(ゆめ)の小言を膨(おお)きく掲げて天下を揺るがし、人間(ひと)の発声(こえ)には可弱(かよわ)く懐ける温味(ぬくみ)が寄り添い、昨日の無機から今日の〝向き〟へと概(おお)きく独歩(あゆ)める〝黄泉〟を創った。無適(むてき)の〝黄泉〟から自体(おのれ)を忍べる用途の向きには過去へ還れぬ旧来(むかし)の音叉が幻(ゆめ)を独語(かた)って、或いは旧来(むかし)が自戒の順序へ自滅して行く斬新(あらた)な見方を呈していたのか、俺の無為には徒労の僅かも定めなかった。
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…野方(のっぽ)の旧友が居たかも知れない。女子は壁の様(よう)に一様に、座って並んで居たようだった。
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白壁(かべ)の空間(すきま)を巧く脱(ぬ)けつつ、俺の孤独は天を仰げる死霊を観て居り、気取らぬ儘にて想いを馳せ得る端正(きれい)な賛美を黄泉へ下らせ、俺の体(からだ)と空気(しとね)の体(からだ)が宙(そら)へ打ち解け揚々たるのを、旧友(とも)の背後へゆっくり迫れる夢遊の信徒は按じ観て居る。俺の躰は他(ひと)に啄む易しさから成り、白壁(かべ)の沈まぬ固い奥地を灰色(グレー)の宙(そら)からじいっと見入(みい)り、「果てしないのは〝黄泉〟を着飾る夢想(ゆめ)の在り処」と、俗世(このよ)へ拡がる何処(どこ)へ入(い)っても矛盾を失(け)せない事始(こと)の進化にぎゅうぎゅう近寄り、目前(まえ)には膨(おお)きく拡がる大海(うみ)の静味(しずみ)に安心しながら、安堵の坩堝へしっとり窄める〝無適(むてき)〟の在り処を欲して在った。
意味の無意味に躰を奪われ鳴いて居るのは「黄泉」の在り処を弄(あそ)んで観付(みつ)ける無為の心情(なさけ)に帰還して活き、俺の孤独を「孤高」の水面(みなも)へ預けないまま日々の労力(ちから)を噴散(ふんさん)して行く百足の気力を大事に見て居り、虚無に対する人間(ひと)の虚構(ドラマ)は架空(そら)へ跳び立つ凶暴猿(さる)を描(えが)いた。
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温厚ながらに腹黒い旧友が隠れながら居た。夜に本能(ちから)を剥き出す旧友もその発声(こえ)を主(おも)に俺へ伝えて、見えないながらに隠れて在った。
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未完(みじゅく)を擁する旧い出窓は俺の過去からのそっと現れ、明日(あす)への寝具を揃え始める無音の条理を清閑(しずか)に観て居た。俗世(このよ)の〝向き〟から黄泉(あのよ)の〝向き〟まで〝意味〟に依存(たよ)らぬ若輩(やから)の人影(かげ)から俺の目下(ふもと)へしっかり突き出る〝病み〟の孤独を感受して居り、寝耳に峙つ他(ひと)の小言(はなし)に迷想(まよい)が留(と)まらぬ謳歌は疾走(はし)り、人生(みち)の傍(そば)にて傍観して居る小石の連れ立つ湯気の内から、現世(このよ)の現代人(ひと)には決して見取れぬ世迷(よまい)の成就が完成して居る………………―――。
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旧友達を一身に裏切り、自ら地獄へ落ちて逝くのを露とも気付かず、腹黒(くろ)い気をした幼児の本能(ちから)が身の毛を煽動(うご)かし旧友(とも)を造った。史上、最低の旧友(とも)である。その旧友(おとこ)は生地(ここ)には居なかった。
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俺の文句(ことば)が幻想(ゆめ)の外れを大きく揺(ぶ)れつつ〝右か左か…!?〟彷徨う間に女性(おんな)が現れ、一つの労苦の絶えない間に事毎乖離(はな)れる葛藤など観せ、漆黒(くろ)い繁茂を宙(そら)から下(おろ)せる怒気(どき)の狭間を揚々識(し)った。俺の日頃は俗世(ぞくせ)を啄む嗜好の最中(さなか)に〝男・女(だんじょ)〟に纏わる悪態を吐(つ)き、事毎〝繁茂〟に大手を振り抜く無意味の強靭(つよ)さを抱えて居たから、こうした女性(おんな)の顕れから観て「自分に欠け行く孤独の吟味を一層失う気持ち」には無く、寧ろ現行(ここ)から容易に跳び立つ無機の仕種に懐かしさを識(し)り、明日(あす)の〝向き〟へと変らず付き添う「自分の審理」を大事と出来た。女性(おんな)が寝そべる宙(そら)の内(うち)には俗世(このよ)に拡がる目抜き通りが五番の目をして延長して居り、俺が這入れる僅かな空間(すきま)を「俗世(このよ)の男・女(だんじょ)」が巧く寝付ける苗床(とこ)の構造(つくり)に生き写しに見て、「俺」に預ける俗世(このよ)の保守(まもり)は何時(いつ)に成っても雄々しく在る」等、俗世(このよ)の誰にも認め切れない無言の規律(おきて)が潜んで在るとのほんの拙い通知を知った。
自分の生気が白紙の上から空転(ころ)がり生くのを細い視(め)をして眺めて居ながら、女性(おんな)の体裁(かたち)に縋り付くのが自分から出る卑猥な情(こころ)と、大きく呼気(いき)した落胆へと伏し、明日(あす)が来るのを今か今かと俗世(ぞくせ)に並べる不静(ふせい)の若輩(やから)に意見して居た。昨日まで観た人間(ひと)から連なる世迷(よまい)の総てが儚くさえ成る。………―――。
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少し肥った性格の良くない男が居た。肥男(こいつ)は周囲(まわり)の女性(おんな)に調子を合せて、自分と対した脆弱(よわ)い善男(やつ)には、事毎嫌味を吐き付け、自慢の腕力(ちから)をひたすら誇示する小さい器の弱虫である。…気の好い返事をする者も居た。…写真を撮る、又はこれからの遊びか予定に就いて案を出した際に、出来るクラスの高校時に知り合った新之進(しんのしん)と言う男が「べーつにー」、「興味無いでーす」、「興味無いですから」と言うような冷めた返答をして居たのを憶えている。
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無理矢理言われた他(ひと)と相(あい)する文句(ことば)の隅には、俺が気遣う脆弱(よわ)い姿勢(すがた)が会話を切り出し、体好く振る舞い続ける無邪気な〝音頭〟は人の暗(やみ)へと闊歩をして活き、人間(ひと)の孤独を更に連れ添う無機の悪行(すぶり)を現しても生く。白紙の冒頭(あたま)に自己(おのれ)の煩悩(なやみ)を透して書き付け、俗世(このよ)に生き行く斬新(あらた)を押し生く無類の鈍化(どんか)を達成して活き、表情(かお)を観るのも憤怒を催す絶対豊穣(ぜったいゆたか)な気概の一つも、俺が生き行く〝進化〟の果(さ)きには不動を翻(かえ)して一緒に成れない。成れないばかりか人間(ひと)の温度に決して馴れない〝予定調和の性格〟さえ立つ。俺の心身(すべて)を総じて翻(かえ)せば、人と人間(ひと)との旧い空間(あいだ)に人の精神(こころ)にふわと寄り付くしどろもどろの懊悩(なやみ)が在った。未知逝く果(さ)きには俺に火照れる幻想(ゆめ)が煌(ひか)って、氷山(やま)の一角(ひとつ)に烈しく突き出た黄泉の監修(ナイズ)が如何(どう)にも拡がり、烈しい間(ま)に間(ま)に玄人(ひと)を奏でる若い専婦(せんぷ)は、選り取り見取りの男性(おとこ)を保(も)った。男性(おとこ)の性格(しつ)には夢想(ゆめ)に手向ける女性(おんな)が飛び出て、初めから無い空気(もぬけ)を合図を呼笛(よびぶえ)にして、幻想(ゆめ)を始める白紙の温度を心行くまで見定めながらも、旧友(とも)と相(あい)する無理の成らずは小言を独吐(どくは)き沈静して在る。孤独に活き生く〝無理を通せる五月蠅(あわ)い教癖(ドグマ)〟は俺(ひと)の過去から漸く仕上がり、俺(おれ)の男性(ひと)へと女性(おんな)を魅せ生く無理の流行(ながれ)を自然(あるじ)に採った。気味に落ち着く男女(りょうしゃ)の暗(やみ)には延命(いのち)を紡げる生気が有りつつ無為を保てる五月蠅(あわ)い真理が愈々棚引き、宙(そら)の目下(ふもと)へ愈々立てない孤独の吟味(ぎんみ)を色々識(し)った。
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…高校時代に識(し)り合った、顔と表情(こころ)の白っぽい、とっぽい旧友(とも)が出て来て〝お立ち台〟に立ち、バスケットボールの好きな器量の良くないながらに女性(おんな)に保(も)てた級友(おとこ)に声を掛けた。言葉は当時俺の周囲(まわり)で流行った東京弁である。
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幻夢(ゆめ)の現虚(うつろ)は旧友(とも)の姿勢(すがた)を級友(とも)へ化(か)えつつ、行方知れずの対人(ひと)の果(さ)きから自己(おのれ)を頼める夜気(よぎ)を連携(したが)え、溢れる人間性(しつ)には呼気(いき)の透れる余韻(おと)が適って、両親(おや)の過保護は自棄を連携(たずさ)え俺をも棄(す)てた。俺の両親(おや)から俗世(このよ)の異質に上がれる既成物(もの)には〝恨みの進化〟が殊に透れる他(ひと)の暗間(やみま)が如何(どう)にか活き付け、明日(あす)へ流行(なが)れる小躍(おどり)の波間は人間(ひと)の並間(なみま)に揚々近付き、脆(よわ)い男性(おとこ)と脆弱(よわ)い女性(おんな)が両方片付き果(さ)きへ生くのを、俗世(このよ)の流行(ながれ)に留(と)まらぬ俺には余程の独力(ちから)に観え始めて居た。漆黒(くろ)い暗間(やみま)は現代人(ひと)の〝便利〟に揚々解け込み、両脚(あし)に流行(なが)れる泥濘(どろ)の価値には〝無い物〟目掛けて欲して独歩(ある)ける個人(ひと)の独力(ちから)を宙(そら)へと凍て付け、「明日(あす)」の目下(ふもと)へ充分知れ行く夢想(むそう)の進化に直接手向ける〝大目〟を見ていた。女性(おんな)の肢体(からだ)は男性(おとこ)に問われず夢遊の真価を弄(あそ)びに秀出(ひいだ)し、俺の以前(むかし)に思惑(こころ)を拡げた「弱き器」の康成から観て、俺の背後に色濃く体裁(かたち)を棄(な)げ始めるのは〝無理を透せぬ人間(ひと)の進化〟に相違無かった。
*
…高校時代の進学組の奴らが妙に浮いて、場を仕切っているようだった。…高校時代の奴等(恐らく商業進級クラス、普通科クラス、進学組の奴等全員)と、記念写真を撮る予定か、もう撮り終えた後の座談会のようなものを、体育館の様(よう)な大きな館(かん)を借りて、誰かがお立ち台に立ち、その他大勢は椅子が在る席にて、わいわいと、写真映りや写真を撮った時のエピソードなんかに就いて楽しく語り合って居た。
*
幻(ゆめ)の扉を開(あ)けた底には、俺が居座る「高校時代」に要(よう)を手向けた旧い級友等(ともら)が大勢集まり、速い経過(ながれ)に常識(かたち)を取り継ぎ、生徒各自に充分識(し)れ得る幻(ゆめ)の体裁(かたち)を放送している…。取り分け目立てる幻夢(ゆめ)の脳裏は体熱(ねつ)に絆せる活気を見て取り、自体(おのれ)を飾れる幻(ゆめ)の本気に気力(ちから)を絞れる想起をした儘、女性(おんな)の色気は男性(おとこ)を囃せる動機を操り、活きる事への覇気を呈せぬ未完(みじゅく)な男性(おとこ)の覚醒から観て、写真に映れる男女の容姿は女性(おんな)を絡めて紅潮している……。苦労ばかりの〝百足の競歩〟に順応して活き、自分の果てから発声(こだま)を交響(かえ)せる露徒(ロト)の真価の世迷の許容(うち)には、今まで生き付け現代人(ひと)に観て来た常識(かたち)の露わがはっきり諭され、「自分に流行(なが)れる気力(ちから)の暗(やみ)から、如何(どう)して〝覇気〟など上げられようか?」と黄泉に生き着く我が実(み)から観て絶想(ぜっそう)して居り、活きる事には本気に馴れるも嘘気(うそき)に成れるも黄泉への進化は自分を足らしめ、現行(いま)を活き逝く無言の進化は〝俺〟を射止めて従順(すなお)に在った。
〝撰抜者(エリート)被(かぶ)れの愚かな想起〟が現行(いま)を生き逝く未完(みじゅく)の男性(おとこ)を葬り始めて、〝無理〟を通せる女性(おんな)の軟裸(やわら)に従順足るのも、俗世(このよ)に活き逝く男性(おとこ)の人群(むれ)にはぽっくり丁度の試算に成り立つ。俺の独創(こごと)は連呼を取り止め生気を擁し、女性(おんな)の禿頭(かむら)を裸体に見定め煩悩(なやみ)を遺棄して、女性(おんな)の全身(からだ)をそっくり葬る余程の独力(ちから)を有する事迄、男性(おとこ)の孤独を眺めながらに自分の思惑(こころ)に植え付け始める………。俺の境地に俗世(このよ)の常識(かたち)が規律(おきて)と成るのは、現行(いま)に始まる男性(おとこ)と女性(おんな)の稚拙な興味を覗いて見る内、斯くも成らない無為の至極を無言の信じた浪士に託され、俗世(このよ)に信じる孤独の晴嵐(あらし)の成就に会っては、無駄に解け入る他(ひと)の心中(こころ)と絶対乖離の心労に在る。純白(しろ)い瞬間(ページ)が経過の許容(うち)にて翻(かえ)って逝く間(ま)に、俺を離れる男・女(だんじょ)の寝姿(すがた)は自己(おのれ)の生気を操れないまま怒涛に羽ばたく無言の乖離の闇討ちに会う。級友(とも)の寝息は揚々静まり、朝陽が退(の)いても呼気(こき)を緩めず、幻想(ゆめ)の魅惑に順次始める自体(おのれ)の覚悟を、経過(とき)の狭間に換算しながら、在る事無い事儚い間(ま)に間(ま)に、〝斬新(あらた)〟を求めて自由に弄(あそ)べる「物(もの)」の集積(シグマ)を大事に観て居た。人間(ひと)を操る自然(しぜん)に対する「説明文句」を事毎排して立脚して活き蛸の四肢(てあし)を見紛う態(てい)して、人間(ひと)に対する理解の進化は真価を報せず無口を装う………。
*
…入る時間は十六時から二十時頃であり、疲れず、丁度好い時間帯でもあり、仕事帰りに車で何処(どこ)か立ち寄れそうな場所を見繕えるのも、特典と成った。
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俺の背後に段々狭まる女性(おんな)の霧から人間(ひと)の未完(みじゅく)が生長して生き皆無を識(し)る頃、何時(いつ)しか燃え立つ矛盾の定めは仄(ほ)んのり空転(ころ)がり仰天して居た。俺の心身(からだ)は天邪鬼から生気を牛耳(にぎ)られ、俗世(このよ)に活き得る全ての物事(こと)から〝楽〟を保(も)たされ試練(こころみ)から逸れ、金が無いのに有る振りしながら滔々生き行く試算を踏んだ。書きたい物から情緒を乱して、楽々努める「物書き」だけして無理を透せぬ脆弱(よわ)い躰を浮き彫らせて活き、活きる自活の生気を得るのに現代人(ひと)を葬り自分を立てた。自身(自信)の総てが人間(ひと)の生気を自体(おのれ)に吸い込み、朝な夕なと書斎で清閑(しずか)に物書きして生く自然(あるじ)の呼気(いき)から主観(しゅかん)を借りて、「俗世(このよ)の生涯(すべて)を全うするのに僅かな覚悟で済めば好いや」と人間(ひと)に肖り暗(やみ)へと紛れ、自分の精神(こころ)が細かく隔離(はな)れる独身(ひとつ)の寿命(いのち)に謳歌を期した。俗世(このよ)の縁(ふち)から何にも出来ない能力(ちから)に塗れて現代人(ひと)が奏でる無能の晴嵐(あらし)に現代人(ひと)の精神(こころ)が宇宙(やみ)へ飛び込む滑稽差を識(し)り、生き行く果てには現代人(ひと)の寿命(いのち)がとっくに止んでる感覚(センス)の死滅が登頂して居た。
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…何か、普段思う(踏襲する)暗い思いを吹っ切った時から、そのコンビニ店で上手く立ち回れるように成った。そこへ行く度に、漫才好きの男(又は他の男も一緒に)が散(ち)ら突いたり、一緒に働いたりして居り、若い奴等の真似をするように自分の在り方を操れば、上手く遣って行ける気がした。
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経過の逆さに自己(おのれ)を遮る快適差(かいてきさ)を識(し)り、現代人(ひと)の男性(おとこ)も現代人(ひと)の女性(おんな)も他(ひと)の才から拝借して来る自分の〝向き〟から無機へと縛られ、俗世(このよ)に逸れる常識(かたち)を外せぬ貧弱差(よわさ)の許容(うち)から如何に生気の平(たいら)を無理に透して闊達を牛耳(と)る。古代の現代人(ひと)から現行(いま)の現代人(ひと)まで濃白(しろ)い生気に自己(おのれ)を浮べて選り取り見取りの自然の〝呼笛(あいず)〟を勝手に仕立てる無難を識(し)ったが、薄い正義は現行(いま)に活き着く感覚(センス)を粉砕(くだ)き、現行(いま)に蔓延る概(おお)くの輩は暴力(ちから)だけ観て精神(こころ)は棄てた。他(ひと)の生気の泡(あぶく)を追っては嫉妬に絡まる暴力(ちから)に訴え、何をするにも自己(おのれ)を表明(あか)せぬ狡い生屍人(モンク)の姿形(すがた)に自体(おのれ)を留めて、人の才など露とも観れない身軽(かる)い芥に自己(おのれ)を変えた。宙(そら)の果てまでそうした主情(あるじ)を蔓延らせた儘、俗世(このよ)を活き抜く哀れな盲者は利損に息衝く盲目人(もうもくびと)へとその実(み)を翻(かえ)し、二度と幻想(ゆめ)には幻(ゆめ)を観れない〝真理(しんり)〟の生歴(きおく)を大事に保(も)った。俗世(このよ)の盲者が橙色(おれんじいろ)した夕日に観るのは純白(しろ)い貌(かお)した真綿の美欲(びよく)で、自分の審理を常に曲げない狡い得への心理が働き、知った被(かぶ)りして俗世(このよ)を語れる温(ぬる)い瞳(め)をした守銭奴に在る。潔白(しろ)い腕から人間(ひと)の怜悧が包容欲しさに俺の生気へ刺激を隠して〝居きる目的(あて)〟など上手に欲しがり、生気を得るのに危うい懸橋(はし)にて真っ向から観る微温味(ぬくみ)を欲しがり、「欲しがる」だらけの没我(ひと)の身欲(よく)から鋭利な鈍気(どんき)が生成され得て、何も知らない果ても知れない旧来(むかし)の経歴(きおく)が遺書を携え暗(やみ)へ向かった。
自由に溺れた死体の上がらぬ魅惑の基底(そこ)から人が活き得る俗世(このよ)の美味へとついつい手が出る病息(びょうそく)に生き、拙い心理は自然(しぜん)に肖る道理を取り継ぎ暗(やみ)へと這い出た旧来(むかし)の体温(おんど)を現行(いま)に捉えて、恰好(かたち)から成る神秘(ふしぎ)な気温(おんど)に宙(そら)の冷度(おんど)を重ね観た儘、現行(いま)の目下(ふもと)へ遍く突き出る人間(ひと)の興味は嘲笑(わら)って落ち着き、〝意味を解(と)くのに意味など要らぬ…〟と一つの審理に探究した儘、黄泉の寝息(ねごと)に聞き耳立て生く個人(ひと)の寿命(いのち)の儚さだけ観た。文句(ことば)が通じぬ現行(いま)の現代人(ひと)への憤怒を観て取り、明日(あす)への細小(ちい)さな幻夢(ゆめ)の衣(ころも)は空気(しとね)に巻かれて平々(ひらひら)揺られて、俺の両脚(あし)には漆黒(くろ)い〝火蓋〟が桎梏(かせ)を付け終え落着して居る。純白(しろ)い生命(いのち)は個人(ひと)の正義へその視(め)を拡げて軟い感無(オルガ)に重層(おも)く懸れる再構を識(し)り、俺の心身(からだ)が俗世(このよ)を乖離(はな)れて生き逝く間際に、自己(おのれ)の表情(かお)から久しく語れる無重の進化をその掌(て)に観て居た。現世(このよ)に活き得る男性(おとこ)と女性(おんな)の幼稚から観て、自分の知略が及ばないのを大目に観た上、自然淘汰に壊滅して逝く各自の牙城(とりで)を大事に観て採り、他(ひと)に対して強靭(つよ)い嫉妬を自分に託(あず)けず他(ひと)へと挙げて、〝自己中〟極まる算段豪華な試算を牛耳る。現代人(ひと)の暗(やみ)からその都度挙がれる〝自分頼みの綱引き〟から観て、現行(いま)を受け持つ稚拙を興じる現代人(ひと)の仕手には何時(いつ)まで経っても厚差(あつさ)の乱れぬ夢遊の輪舞曲(ロンド)の幕間(まくあい)が立ち、絢爛豪華な自尊を奏でる〝向き〟の盲想(ゆめ)には、純白(しろ)い「口火」に散々絡める人間(ひと)の〝愉快〟が両脇に在る。寡暮らしの漆黒(くら)い老婆が俺の孤独を値踏みして居り、足踏み始める現代人(ひと)の愚行(おろか)は一生費やす行為に観得た。俺の身元(もと)からふらりと跳び立つ催促上手の若い女主人(あるじ)は、自己(おのれ)に注げる事の偶奇を〝個人〟に宛がい放棄した儘、自分の背後に変らず迫れる高貴の上主(あるじ)に心酔して居た。現代人(ひと)の定めが定まらないのを俗世(このよ)の清閑(しずか)に傍観して居り、屈託無いまま退(ひ)けを取れない無欲を想わす二匹の〝悪〟には、俗世(このよ)の果(さ)きから何にも発(た)てない現代人(ひと)の死滅が先行していた。現代人(ひと)の肢体(からだ)を何処(どこ)かへ対して運(なら)べる空虚が人の懐(うち)から先行して活き、未だ見果てぬ経過(とき)に破れぬ未覚(みかく)の体温(おんど)は、俺と現代人(ひと)との消して変らぬ迷想(まよい)の競歩を進めて行った。
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…仕事を辞めてから初めての仕事先に、国道沿いのコンビニ店が決った。俺は喜んで居た。
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白い雲には自分の真横をふっと通れる微弱(よわ)い憤怒が傍観した儘、現代人(ひと)の行為に烈しく浮き立つ感覚(センス)の皆無が覇気を取り付け、夢想(ゆめ)さえ観れない〝理想論者〟を構築して居た。現代人(ひと)に見られるそうした行為は五月蠅(あわ)い〝向き〟から概(おお)きく還れる無重を奏でる無機質に在り、何を遣っても満足出来ずに他(ひと)を蔑み活きねば成らない我欲(よく)の賛歌を大目に観て居る。そうして捗る現代人(ひと)に操(と)られる〝理想論者〟は反抗ばかりで生気を逸する〝向き〟に従う横着論者で、目的(あて)を探せず文言(ことば)の内(なか)にて暗(やみ)に塗れる駄弁を頬張り、口先ばかりで理屈を費やす没理(ぼつり)の性(さが)には夢遊の進化が片付かないうち脆く壊れる自律の呼笛(あいず)が交響(こだま)し続け、自分の理想郷(くに)さえ見付けられない孤独の主観(あるじ)を応援して居た。―文末(さいご)へ活き着く―。
~逆転~(『夢時代』より) 天川裕司 @tenkawayuji
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