ハードな世界に転移
ガパオライス
第1話 転移
「はぁ…補習とかダルすぎ…もう7時じゃん」
俺はそう言って歩道橋を歩く。
時刻は19:00。
いつもなら、友達と帰っていた…のだが、テストで見事なやらかしをした俺は補習をさせられていたのだった。
あたりは、真っ暗と言うわけではないが遠くの方は夜になっている。
1人で帰る時、俺はいつも思っていることがある。
異世界に行って無双とかしてみてーなー
誰しもが一度くらいなら考えたことはあるだろう。
そして、高校2年生で平凡な日常を過ごしている田口光こと俺なら、余計にだ。
最近、異世界転生ものを読んだから、影響されているってのもある。
ただ、やっぱり憧れる。
モンスターやドラゴンを倒して、美人な女性に囲まれる。そんな生活。
「ま、無理だろうけどなー」
小学生ではない、そんなことは無理とわかっている。
こういう感情を持つだけなら別にいいだろう。
でも、やっぱり思う。
普通から抜け出したい、と
そんなことを思いながら俺は階段を下る…はずだった。
トン
背中に一瞬温もりを感じたかと思うと、俺は空中にいた。
飛んだわけではない、落ちているのだ。
あ、これ死ぬな
異様にゆっくりとなった世界で呑気にそう思った。
次に頭に強烈な痛みが来た。
今まで経験した怪我よりも痛い。
そして生暖かい液体を感じた。
血だった。
俺は見事に歩道橋の階段から落ちて、階段をほとんどすっ飛ばして地面に頭から着地してしまったらしい。
頭を強く打ったせいか、意識が朦朧とする。
最後に、犯人の顔だけでも
そう思い、痛む体を無理矢理捻り歩道橋を見る。
しかし、見えたのは足だけであった。
どこからか、馬鹿にしたような笑いが聞こえたが、今の俺に気にする余裕などなかった。
そして、そのまま視界が暗転した。
ハードな世界に転移 ガパオライス @gapao_raisu
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