反比例関係性
悪本不真面目(アクモトフマジメ)
第1話
私は幸せとは言えないだろ。さっきも自転車に乗った若者に、そんな目で見られた。あんな風にはなりたくないと言わんばかりのあの冷めた目。冷やし損ねた缶ビールでも持って来ればよかった。ビール飲まないけど。
皆さんは幸せですか?ま、幸せなんて後になって「そういえば・・・・・・」と思い出すようなもんとは思うけれど、私は幸せではない。幸せと言ってしまったらそれは強がりであって、幸せを舐めすぎていると言われても仕方がない。
私は幸せではない。でも誰かは幸せなのだ。そこで思う。それは私が幸せでないから誰かは幸せなのではないか?つまり私の犠牲の元に成り立っている幸せだと言いたいんだ。
運命の相手なんて言うが、大体はお互いにとって良い関係性を言うが、こういう関係性も運命の相手なんじゃないだろうか?これを私は「反比例関係性」と名付けた。
その方が幸せなると私は必然的、運命的に幸せじゃなくなる。逆もしかりだ私が幸せになれば、向こうが幸せじゃなくなる。
幸せそうな者を捕まえて、問いただせば、もしかしたら反比例関係性と言う名の運命の相手が見つかるかもしれないが、私はそれを望まない。
幸せにもはや興味がなくなったのだ。これは強がりじゃない。だから弱がりだ。最近CMで流れるギャラクシーの男女三人組がAIの機能を使って、聖地巡礼やアイドルが被ってる帽子を手に入れたりとキラキラ幸せそうにしているが、全く羨ましくない。むしろ嫌だ。なんだかつまらなく見えるのと、幸せじゃないがもはや通常な為か落ち着くんだ。
それでも私を幸せにしたいならば、反比例関係性の君が私と一つになればいい。
それは結婚でもいいだろう。そうすればお互いがお互いを支え合い、平凡な幸せにはなるだろうがお互いが幸せになれるはずだ。
君が私の犠牲の元で得る幸せでいいのなら関係のない話だが。
反比例関係性 悪本不真面目(アクモトフマジメ) @saikindou0615
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます