いつかの約束からここまで

諏訪彼方

追憶に誘う

とある日の深夜。


「果南に出会ってもう3年経つんだね。時間が経ってみると、懐かしいって感じるよ。あの日々が」

「そうだね」


果南と通話中、なんの展開かは分からないけど、いつのまにか果南と出会った頃の話になった。

「果南は昔と変わった?のかな」

「莉子はどう思う?」

「昔とは変わったところもあるなって思うよ。」

「そっか。莉子は相変わらず昔も今も大人びているよ。莉子は最初、私にも敬語で話してきたし」

「あれは……距離感がまだ掴めてなかった時の話で……」

今思えば、ずいぶん辿々しい様子だったのだろう。

無理もないよね。記憶がなくなってたんだし……


「そういえば、莉子は海辺に倒れてたのを見つけられたんだよね?」

「うん……気づいたら砂浜にいて、警察の人とかいっぱいいて……」

タイムスリップしてきた人なんて言われたこともあったな〜。多分違うけど。

「また詳しい話、聞かせてよ。まだ起きてられるならさ」

「いいよ。まだ眠れなそうだから。明日も休みだし。」


 私は過去の自分を振り返り始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

いつかの約束からここまで 諏訪彼方 @suwakanata

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画