神様チート転生で男性アイドルになろうとしたら、神様チート不本意TS転生だったので女性アイドルになる
ナインナインナイン
プロローグ
見目麗しい美少女が洗面台の鏡を見つめている。
制服のような服を着ているのを見ると、おそらく中学生なのであろう。
その美貌に浮かぶのは柔らかい微笑みで、その表情はどんな男でも見惚れてしまう代物だと言っても過言ではないものだ。
頭髪は背中の中ほどまでの長さで色は射干玉の黒色という、外見は大和撫子の見本といった感じである。
その美少女は身だしなみチェックをしているようで、確認が終わったのか最後に満面の笑顔でこう言った。
「よしっ! 問題無し。今日の私も可愛い♪」
「
「わかった。もう準備できたよ、ママ」
洗面所から玄関に移動すると、この少女の両親にしては年が行った男女が待っていた。
女性の方は普段着だが、男性の方は外出に問題ない恰好で手に車の鍵を持っている。
「美久里、遅いぞ」
「うん。ごめんね。パパ♪」
「……ま、まぁ、よっぽど渋滞しなければ、大丈夫だから」
どうやら、この男性が少女の父親らしい。
態度から娘にとても甘そうなのが、よくわかってしまう父親だ。
「それじゃ、いってらっしゃい。駄目でも全然おかしくないんだからね?」
「もう……、やっぱり、ママは反対なんだね」
「だって、ね……」
「その辺りは、もう充分に話し合っただろ。さあ、そろそろ行こう」
「わかった。それじゃ、ママ、行ってくるね」
「ええ、いってらっしゃい……」
母親に行ってきますの挨拶をして、少女は父親が開けた玄関のドアを通る。
「ううっ……。やっぱり、寒いや」
「早く車に乗るぞ」
「うん」
彼女は一般的なミニバンの二列目の席に荷物を放り込むと助手席に乗り込む。
父親が運転席に座りエンジンを始動させると、正面のナビ画面にテレビが映り出した。
「場所、わかってる?」
「大丈夫。ナビにも、ちゃんと入れてある」
「そう。じゃ、問題無しだね」
「ああ。……さて、そろそろ行くとするかっ!」
「うん。いざ、最終オーディションの会場へっ!」
二人は気合を入れると笑い合う。
そして車を発進させ自宅の駐車場から前の道に出た時、ナビ画面に映るニュース番組が一つの出来事を伝え出した。
『──死亡が確認されました。亡くなったのは、
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