第14話 「準決勝、浅井学園!舞との激戦」

全国大会で順調に勝ち進んできた桜井未来たちバレーボール部。いよいよ準決勝の舞台が迫る中、彼女たちは新たな強敵と対峙する準備を整えていた。


未来たちは最後の調整を行いながら、次の対戦相手である浅井学園について話し合っていた。浅井学園には「マジシャンセッター」として知られる白鳥舞がいる。彼女はその驚異的なトスワークで日本代表候補にも選ばれている選手だった。


「白鳥舞…彼女のトスはどんなスパイカーでも最高の形でボールを受け取れるようにするって聞いたことがある。」沙希が話す。


「そうだね。でも、私たちもこれまで数々の試練を乗り越えてきた。全力で挑もう!」未来が力強く応えた。


試合当日、会場は緊張感に包まれていた。浅井学園の選手たちは冷静で自信に満ちており、その中でも白鳥舞の存在感は一際目立っていた。彼女の軽やかな動きと確実なトスワークは、まさにマジシャンと呼ぶにふさわしいものだった。


試合開始のホイッスルが鳴り響き、両チームはコートに立った。白鳥舞は早速その才能を見せつける。彼女のトスはまるで魔法のようにスパイカーの手元にピタリと収まり、次々と強力なスパイクが未来たちのコートに突き刺さった。


「なんて正確なトスなんだ…」未来は驚きながらも必死に対応しようとした。


舞の変幻自在のトスワークは、未来たちのブロックを幾度も破り、得点を重ねていった。彼女のトスはどの方向からでもスパイクが打てるように調整されており、未来たちはその速さと正確さに圧倒されていた。


「次はフェイントを織り交ぜて攻撃を仕掛けるぞ!」沙希が冷静に指示を出す。


未来たちは新たな戦術を駆使し、フェイントやバックアタックを多用しながら攻撃を繰り出した。未来のクイックパスからのバックアタックが次々と決まり、観客席からは大きな歓声が上がった。


「未来、いいぞ!その調子だ!」沙希が叫ぶ。


一方で、白鳥舞のトスワークはますます光を放つ。彼女はコート上を縦横無尽に動き回り、どの位置からでも正確なトスを上げ続けた。彼女のトスに応えるスパイカーたちもまた、力強いスパイクで得点を重ねる。


「なんてすごいコンビネーションだ…」未来はそのプレーに感嘆しながらも、全力で対抗する決意を新たにした。


白鳥舞は時にはフェイントを混ぜ、時には速攻を仕掛けるなど、そのプレースタイルは変幻自在だった。未来たちはその攻撃に苦戦しながらも、諦めずにプレーを続けた。


「絶対に諦めない!」未来は心の中で自分に言い聞かせた。


試合は接戦が続き、両チームともに一歩も譲らない展開となった。セットポイントに達し、未来たちは勝利のチャンスを迎える。緊張が高まる中、沙希が冷静に指示を出す。


「次の攻撃で決めるんだ!未来、頼んだよ!」


最後のプレーが始まり、未来は全身全霊を込めてスパイクを放った。ボールは鋭く相手コートに向かい、浅井学園のディフェンスを突破するかに見えた。


しかし、白鳥舞が驚異的な反応でボールを拾い上げ、再びトスを上げた。スパイカーが強烈なスパイクを放ち、未来たちのコートに向かう。


「これは…」未来たちは息を呑んだ。


未来は反射的にボールに飛びつき、足でレシーブを試みた。そのボールは絶妙なタイミングであやねに渡り、あやねは冷静にトスを上げる。未来は再びバックアタックの体勢に入った。


「これで決める!」未来は心の中で叫び、全力でスパイクを放った。


ボールは相手コートに突き刺さり、観客席からは大歓声が上がった。浅井学園の選手たちもその力強いプレーに驚き、未来たちの勝利が確定した瞬間だった。


「やったー!」部員たちは歓声を上げ、未来たちは抱き合って喜びを分かち合った。


「みんな、本当にお疲れさま!これからも一緒に頑張ろう!」沙希が笑顔で声をかけると、部員たちは一斉に力強く頷いた。


「次はもっと強敵が待っている。でも、私たちなら絶対に勝てる!」未来が言うと、全員が一瞬緊張した表情を見せた。


「そうだね。でも、私たちは強くなったんだ。前回の試合で得た経験を活かして、必ず勝とう!」花音が力強く言った。


「その通り!私たちは一つになって戦うんだ!」沙希が続けた。


こうして、桜井未来たちの青春バレーボールストーリーは、新たな戦術と友情を経て、さらに輝きを増していく。次回もお楽しみに!


次回予告

浅井学園との激戦を終えた未来たち。次なる挑戦は、全国大会の決勝戦。新たな戦術とチームワークを駆使して、未来たちはどのようにして最高の舞台に立つのか?


次回、「決勝戦!勝利への挑戦」


未来の熱い戦いを見逃すな!

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