ロリっ子女神の人類滅亡

グレンディ

ロリっ子女神の人類滅亡!

太陽が照りつけるビーチ。とある異世界にある小島。金髪で青い瞳の幼女、

フィーナがそこにいた。彼女はただの幼女ではなく、実は女神。


「ノリでロリっ子になっちゃった!」


フィーナは無邪気な笑顔を浮かべて笑っていた。その後ろを汗だくで追いかけてくるのは、神官のキアラ。彼女はかつてフィーナの神託を受けていたが、

今ではフィーナの保護者のような存在だった。


「フィーナ様、少し落ち着いてください!」


キアラは息を切らしながら叫ぶが、フィーナはまるで聞いていないかのように、砂浜で遊び続けた。


突然、フィーナは立ち止まり、空を見上げながらつぶやいた。


「ねえキアラ、人類を滅ぼすってどんな感じかな?」


「フィーナ様、それは絶対にやめてください!」


とキアラは即座に反論するが、フィーナは無邪気な笑顔を浮かべたまま


「だって、面白そうじゃん?」


と彼女は砂の城を蹴飛ばしながら言った。蹴りで竜巻が発生したがそんなことは気にしない。


「そんなのダメです!」


とキアラは必死に止めるが時すでに遅し。フィーナは手をかざし、魔法を発動した。

「さあ、パーティータイムのお時間よ!」


とフィーナは叫んだ。


突然、フィーナの呪文が響く。


「終わりよ。何もかも、もうおしまいよ」


と呟きながら、キアラは嘆き、砂浜にへたり込んだ。

フィーナが指をパチンと鳴らすと、地面が揺れ始め、巨大な地割れがビーチに出現した。


「清らかな心の者だけがこの裂け目を越えるがよい!」


とフィーナが高らかに宣言すると、ビーチの人々は恐る恐る地割れを見つめたが、誰一人として進む者はいなかった。


「何よノリが悪いわね! じゃあ、汚れた心の持ち主はこの裂け目を越えるがよい!」


その瞬間、ビーチにいた人々は次々と吸い込まれるように地割れに向かって歩き出し、あっという間に次々と飲み込まれていった。地の底から人々の悲鳴が響き渡る。


「ねえねえ、見てみてキアラ!人が飲み込まれていくわ。まるでゴミみたい」


フィーナはキャッキャ言いながら人が地割れに吸い込まれていく様子を見て無邪気に笑い転げる。そして島から誰もいなくなった。フィーナとキアラを残して。

キアラは崩れ落ちながら


「そんな…ノリで人類が滅びるなんて」


と涙ながらに呟いた。


「さ、キアラ。帰るわよ」


フィーナはキアラを引きずって誰もいなくなったビーチを後にした。

他に人類がいることをフィーナが知らなかったのがこの世界の唯一の救いだった。

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ロリっ子女神の人類滅亡 グレンディ @artaiueo

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