大魔法師の弟子は魔法使いになって王国の滅亡を回避する。

菜乃みう

プロローグ

草木が生い茂る草原の真ん中。沈んでいく夕日を見つめながら、あたしは大魔法師を引退した師匠に問いかけた。


「師匠、10年前のことを覚えてますか?」


「ほとんど覚えてない。それに記憶なんて、覚える必要がない。」


師匠はすごく面倒くさがり。似た者同士の補佐官からは呆れられてる。その補佐官も師匠に呆れられてるけど。


「あたしは覚えてますよ。全部。最初は仲が悪かった人達とも、仲直りできて。アムアに来てよかったって、感じます。」


「そうか。」


魔導国アムア。魔法使いと才能のある見習いしか住むことが許されない国。あたしは例外だったけど。


フェートン王国の第4王女のあたし。兄弟の中で唯一なんの才能もなかった。才能の塊みたいな師匠に憧れて、弟子入りした。


「私も、今更ながら、お前を弟子にして良かったと思っている。オルラ。」


「……な、名前、初めて呼んでくれた。」


「そうだったか?」


師匠はいつもあたしのことを『弟子』と、呼んだ。なぜだかは本人にも分からないらしい。


補佐官や、あたしの友達のことを名前で呼んでいたのが、ずっと羨ましかった。気にしてないように見せてたけど、本当はずっと気にしてた。


「師匠、今からあたしの思い出話に付き合ってください!」


「……仕方ないな。私も、思い出しながら聞くとしよう。」


「確か、あたしと師匠がに弟子入りしたのは……」


-------❁ ❁ ❁-------

♡、☆、コメント、フォロー励みになります!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る