先行調査艦隊(8)

こちら、10月30日に間違って

間違って1度投稿した内容となっております


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【ベフォス=ダハス】


 …………ちょ、


「超能力だーーーー!!」


 俺は思わず叫んだ。



 

 ドワーフ人? が連れて来た魔道具師の人間と言うリ・マグという男が、俺達にデモンストレーションとして魔法を見せてくれた。


 最初は手から炎の玉が飛び出す魔法とやらだったが――


 タネは分からないが、俺達には手品にしか見えなかった。

 小さな機械を袖口に仕込んでいるのではと思い、少し見せて貰ったがそんな物は発見できなかった。

 けれど手品とはそう簡単にタネが分からないものだ。

 直ぐには見破れなくとも仕方のない事だろう。


 ……そう思っているのが俺達の表情から伺えたのか、リ・マグは納得していない顔の俺達に、次の魔法を披露すると言ってきた。


「私もあまり魔法は得意ではないのですが……ゴーレム魔法ならばもう少しマシに扱えます」


「ゴーレム魔法? それはどういった物なのでしょう?」


 デロス副艦長が問う。


「その名の通り、ゴーレムを生み出し操る魔法ですが……実際に使ってみた方が早いですね」


 リ・マグはそう言うと、両手を前に突き出した。


「<ゴーレム生成>」


 リ・マグがそう口にした次の瞬間だった。


 俺達とリ・マグの中間地点の地面がボコリと盛り上がり、そこから浮き上がった土がみるみると人の形をつくり上げていった。


 それは数秒で完全な人の形へとなると、腕をブンブンと振り回してみせた。


「これがゴーレム魔法です。そこのルスモスはこの魔法を魔法陣化したもので動いています――てっきり、あちらに見えているあなた方の戦艦も、同じ原理で動いていると思ったのですが――……」


「超能力だーーーー!!」


 俺はデロス副艦長の、相手の質問があるまでは喋るなという命令を無視した事に気が付いたが、副艦長を始め、それを責める者は居なかった。


「い、いえ。ですから魔法なのですが……」


 リ・マグは困ったように頬を掻いた。



 その後、彼等の許可を経てルスモスとやらを調べさせてもらったが……

 物の見事に機械のきの字も見つからなかった。


 装甲を外すと、内側にはびっしりと魔法陣とやらが描かれていて、その魔法陣に魔力を流す事で魔法が発動して、その魔法の力で動いているんだと――


 魔法――


 大昔の人間達は完全な発展を遂げた魔法技術は、魔法と見分けが付かない。みたいな事を言ったらしいが……

 だがどうだろう。

 今の俺達の技術で、さっきの様な事が出来るだろうか?


 ……いや、エンジニア達が本気で取り組めば出来そうだな。

 ただやる意味がないから、実際にそんな技術は生まれなそうだが。


「なるほどのぉ……魔法と言う物が存在せん場所から来たと……」

「あの巨大な物体を浮遊させるのに魔法の力を一切使っとらんとは信じがたいが――」

「ほうじゃの。じゃが興味はあるの。もしかしたら魔道具と組み合わせれば面白いもんが出来るかも知れん」


「……流石に仕組みを理解するのは不可能でしょうが――そちらが望むなら、幾つかの機械製品をプレゼントさせて頂きます」


 どうやらデロス副艦長はもう本題に入る様だ。

 俺としては、もっと詳しく魔法とやらに付いて、根掘り葉掘り聞いてみたいところなんだがな。


「ほほ! 貰えるんかの!」

「気前が良いの!」

「……見返りは?」


「先ず、出来ればこの国の代表の方とお話しさせて欲しいのですが――」


「それは次期にくるじゃろ。儂等はルスモスの研究や実験で大きな音を立てる事があるからと、街の外側に工房を設けておったから直ぐに来れただけじゃしな」


「そうですか……我々があなた方に望むのは、この街で食べられている物と魔法陣関連の書物などを少々。それと周辺の植物の採取の許可を頂きたい。それと……大変言いにくいお願いなのですが、出来れば――」


 ピーピーピー。


 デロス副艦長の台詞を遮ったのは、俺達の通信機の着信音だった。


『4人共、作戦は中止です。直ちに帰還して下さい』


 デロス副艦長が代表して、腕時計型の通信機のボタンを押して返事をする。


「何がございましたか?」


『ガファダ星団から派遣された調査艦が現地の戦力に戦闘を仕掛けた模様です。これは我々の任務内容から大きく逸脱しているため、我々はこれに介入し、現地人達を防衛、保護します。現場まで小ワープが使える距離です』


 ガファダ……好戦的でガラの悪い奴が多い事で有名なところだ。

 だからってここまで阿保だとは思わなかった――


「……皆様方、我々が急用が出来てしまったので、急ですがここで失礼させて頂きます」


「何じゃ――じゃあ玩具はお預けかの?」


「……ええ。用事を済ませてまた来ると思いますので、取引はその時に改めて――」


「ほうか。そいじゃあ美味い酒と肉でも用意しといてやるでの――って、お主等はび生物? っちゅうのが怖くて口に出来んのかの?」


 人口生成された物じゃない本物の肉?!

 一切れで俺の1ケ月分の給料が吹っ飛ぶ超高級品だぞ!


「……その時までには、諸々の解析を済ませて、食べられるようになっている様に努力しますよ」


「おう! 待っとるでな!」

「そっちもお土産を忘れるんじゃないぞぃ!」


 ああ……肉が遠ざかっていく……


 ……待てよ? もしかして道中で見たあの哺乳類とか鳥類の肉……もしかして食べれたりするのか?


 あの馬鹿デカさだ――もし食えるなら何人前の肉が取れただろうか……

 というか、彼等の言う肉とはあれらの動物の事なのだろうか?


 気になる。気になり過ぎる。


 どうせ艦内に戻れない俺が艦に戻っても何の役にの立てないし、俺だけ皆が戻ってくるまでここに残っちゃ駄目かな?


 ……それはそれで心細いな。


 仕方ない、戻るか。


 クソ~。全部ガファダの阿保共の所為だ!


 そんなに戦争がしたいなら調査なんかに参加しないで、元の次元に留まれば幾らでも戦争が出来るだろう!

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