閑話 戦いの終わりに

 君主、或いは首魁と言うべき者を亡くし、カドゥレーンは直ぐに降伏の意を示した。


 アーキセルの王国の装着型ゴーレムを装備した騎士たちが、カドゥレーンの中心部、さほど栄えているとは言えない、さほど立派とも言えない、そんな建物に乗り込んだ時、 黒、青、緑、紫の服を着た4人が待っていた。


 「我ら五老星……」

 「キージェンイェン様亡き後、この国のトップは我々と言う事になります」

 「カドゥレーンは降伏致します」

 「今回の騒動の、全ての責はキージェンイェンと我々に有ります、都合の良い事を申しますが、どうぞ、どうぞ民たちにはほんの少しの恩情をくださいますよう、伏してお願い申し上げます」


 とても信じられない話しだが、彼らの話しではキージェンイェンは500年以上生き続け、常にカドゥレーンにトップに居続けていたのだと言う。


 彼らとキージェンイェンの間には盟約が交わされていた。

 大昔に交わされた盟約だ


 キージェンイェンがダンジョンの奥深くに潜り、そこで得た魔道具を国の為に惜しみなく使う、代わりに、彼らは将来準備が整った時に、キージェンイェンがアーキセル王国を亡ぼす為に力を貸す。


 簡単に言ってしまえばそう言った内容の契りだ。


 当時のカドゥレーンは正に魔境と呼ばれるような土地だった。

 強力なモンスターは闊歩し、土地は枯れ、人が生きていくにはあまりに厳しい土地だった。

 だからこそ必要だった。

 そんな土地で生きていくために、キージェンイェンの力が、彼が齎す魔道具が。


 今では、国土のほんの2割に満たない地域に限られるが、漸く人が安定して暮らせるようになり始めていた。

 それでも、彼らがキージェンイェンとの盟約を守り続けていた理由は2つ。


 1つは、長年ダンジョンに潜り続けていたキージェンイェンが、当時から人の域を超えていたその力をさらに昇華させ、今では神に至るとまで思われていたからだった。


 結果は御覧の通りだったがと、黒い服の男が付け加えた。


 もう1つは、未だ国土の8割以上が魔境であるという事と、2割を維持しているのがキージェンイェンが齎した魔道具だという事実だった。


 彼らは期待しているのかもしれない。

 もしかすれば、アーキセルの属国になる事で開ける未来もあるかもしれないと。


 彼らは疲れていたのかも知れない。

 生きる事に、或いはカドゥレーンと言う国を生かす事に。


 どちらにしろ


 キージェンイェンはもう居ない。


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 私は………


 何の為に戦っていてたのだろう…


 そうだ復讐だ……


 キィの……

 ジェンの……

 イーエンの……


 ??……


 彼らはそんな名前だっただろうか……


 ああ……


 本当の名前すら……




 復讐を……


 違う……


 国民の……


 無辜の民の幸せを……


 友たちはその為に……


 私は一体いつから……


 なんの……為に……






 『3時間で蘇生できなくなるのは不便だな』


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