第215話 第3王子がガステアとの訓練の為に訓練場にやってきたので、

 第3王子がガステアとの訓練の為に訓練場にやってきたので、さっそくダンジョンに潜ってみないかと提案してみた。


 「なるほど、魔力値の上昇……それに身体能力の上昇か。それは確かに魅力的な話ではあるのだが、公務もあるので長期間城を離れるのが難しいのも事実だ」


 それはそうだろう。うーん……


 「例えば城から直にジェットパックを装備したゴーレムで空を飛んで移動して、ダンジョンに入るなり転移の魔道具で30階へ移動し、山羊頭を倒して速攻で戻って来るというのも難しいでしょうか?」


 「そうだな……訓練の時間を削れば可能だろうが……それは剣術やゴーレムの訓練の時間を割いてまで行う価値があるのだろうか?」


 「あると思います。もちろんそのどちらも疎かにして良いわけでは御座いませんが、例えば魔力値の最大値を上げておけば、ヨルレア・フェーレに積んでいる魔石の魔力が底をついても、暫くは自身の魔力で戦う事だ出来ますし、反射神経なども上昇するので回避などが容易くなるはずです」


 「むっ……そ、そうか」


 あれ?なんか第3王子が苦い顔をしている、もしかして既に魔力切れを経験済みか?ヨルレア・フェーレはかなり魔力を消費するからな。


 「分かった、父上に許可を求めてみる」


 「現地に到着したとき妻か義父に合流すれば例の山羊頭のモンスターを討伐するのも簡単かと思います」


 「いや、待て。ヌゼ殿とコーネリア夫人が王都を空けている時に私まで王都を離れるのは流石に不味い。2人とはスケジュールをズラすべきだろう」


 「では、こうするのはどうでしょう」


 俺はガステアに視線をやりながら話しを続けた。


 「私からガステア殿に搭乗型ゴーレムをプレゼントさせて頂きます。私が知る限り彼以上にゴーレムを上手く扱える人間はいません。殿下が留守にしている時にもしも巨大ゴブリンなどが現れた場合はガステア殿に出撃してもらえれば心強いと思いませんか?殿下が王都に居られる場合は反対にガステア殿にダンジョンに潜って貰って、魔力値などを鍛えてもらうのです。さすればこの国の守りはより強固なものになるでしょう」


 まぁ、守り以外も強化されるわけだけど。

 これなら王家は喜んで第3王子に許可を出すと思う。

 第3王子も力を付けれるし、搭乗型ゴーレムが1機タダでもらえるような物だからな。

 ガステアの家が力を付けることを王家が嫌がった場合は知らんが。


 「な、なるほど……それなら今と王都に常駐している搭乗型ゴーレムとその操縦者の数は変わらないということか……ガステア殿、貴殿はどうだろうか?普通貴族がダンジョンに潜るなどあり得ない事だし、騎士でもない貴殿を国防の戦力として扱う事になってしまうが」


 「え?あ、あの、ま、誠に申し訳ございません!自分用の搭乗型ゴーレムという言葉の響きが嬉しすぎて、真面に話を聞いておりませんでした」


 「ははは!ガステア殿らしいな。では改めて私の口から説明しよう―――」


 うん、これならガステアも頷いてくれそうだな。


 さぁて、ガステア専用機はどんな感じにしようかなぁ。


 そうだ、王城から【試しの遺跡】までジェットパック装備のパワードスーツゴーレムだとそこそこ時間が掛かっちゃうし、戦闘機型に変形する機構をつけたい。戦闘機型ならば、今より更にスピードが出せるはずだ。

 というか、普通に変形するロボットが作りたい。ガステアなら扱えないなんて事にはならないだろう。


 後は合体するゴーレムも作りたいんだよなぁ。

 ロボと言えば変形と合体は欠かせないのだ。


 やっぱり合体はゴーレムンジャーの4人がパイロットだよな。

 乗り物系か、動物系か、うーん迷うな。


 「わ、私としては問題ありません!ダンジョンに潜るだけで自分専用の搭乗型ゴーレムが授けて頂けるなら、喜んでダンジョンに潜らせて頂きます!」


 お、話が纏まったようだ。

 後は第3王子が国王から許可を貰えれば問題無いな。


 「それではガステア殿、ガステア殿の搭乗型ゴーレムの構想について話し合いましょう。私からの提案と致しましては変形機構を搭載したいと考えております」


 「へ、変形!?」


 「そうです、空を移動するのに特化した形と、通常の人型ゴーレムに自在に形を変えれるのです」


 「お、おお!そ、そのお話、是非詳しくお聞かせください!」


 「ええ、勿論です」


 「2人とも楽しそうだな、それでは私は父上に許可を取ってくる」


 「あ、きょ、今日の訓練――――」


 「後で構わん、今日のスケジュールは後ろにズラす事にする、ガステア殿はここでアーバン殿とゴーレムについての話を進めておいてくれ」


 「は、はい!」


 搭乗型ゴーレムについて熱く語り合う俺とガステアを横目に第3王子が退出していく。

 

 先に戻ってきたのはワーゲルとヌゼの方だった。

 よく見ると2人とも服があちこちボロボロだ。傷は見受けられない、多分城にいる回復魔法の使い手にでも治してもらったのだろう。


 「まさかここまで強くなっているとは、引退は早すぎたのではないか?ヌゼ殿」


 「ワーゲル様こそ、老いて益々その技は冴えておられました。正直侮っていた事をお詫び申し上げます」


 楽しそうで何よりである。

 よし、これからはヌゼの模擬戦の相手は出来るだけワーゲルに押し付けよう。

 ワーゲルも楽しそうだし問題ないだろう。

 

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