第172話 一応止めたのだがエファンはダンジョンに潜るのを遅らせるつもりはないそうだ。

 一応止めたのだがエファンはダンジョンに潜るのを遅らせるつもりはないそうだ。

 俺の役に立ちたいと本人は言ってくれてはいるが、おじちゃんは心配です。


 「多分ゴーレムで遊ぶのが楽しくて仕方ないんだと思う、です」


 「遊び感覚でダンジョンに潜るのは危険だとも思いますが……遊び感覚でなくとも危険なものだし、ゴーレムがあればむしろ注意している生身の人間より安全であると思います」


 「まずは浅い階層で様子見してみて、無理そうなら一度連れて帰る。出来るだけ俺たちで面倒を見るので安心してください」


 他の3人も止めなかったし、大丈夫だろう。

 サリーにも奴隷に感情移入しない方が良いと怒られたし、ここは素直に送り出してあげよう。




 ということで、いよいよ4人をダンジョンに潜らせる事にした。

 

 「お土産よろしくね」


 「お、お土産?ドロップアイテムや魔法陣の写真、ダンジョン内の写真のこと?ですか?」


 「そう。あ、あと何か珍しいモンスターの素材とかも出来たら欲しいかも」


 「次元収納があるからそれは元々持ち帰るつもりだった」


 「そう?じゃあそれもよろしく。エファン、ちゃんと3人の言う事を聞くんだぞ?無茶はしないように」


 「はい、がんばります!」


 「どれだけ奴隷に過保護なんですか。普通貴族にとってダンジョンに潜らせる奴隷なんて消耗品扱いですよ?」


 「イブも公爵のところではダンジョンに潜らされていたんだろ?」


 「まぁ、そうですが、私の場合はちょっと意味合いが違います」


 「というと?」


 「ダイエットです」


 「……は?」


 「私の引き締まった体型を維持させたかったようですよ?冒険者だった頃と同じような活動、同じような食事をさせれば体型を維持させられると考えたらしく、命の危険が出来るだけ少ないレベルの階層に定期的に潜れと命じられていました」


 「ドロップアイテムとかが目当てじゃ無かったの?」


 「一応5階層まで潜る許可は下りてましたけど、ドロップアイテムにはほとんど興味が無かったようでしたね。よほど珍しい物じゃ無ければそのまま懐にしまって良いとまで言われてましたし」


 「……へぇ」


 結果にコミットするダンジョンでも存在してるのか?


 「まぁ、他の貴族がどうかは知らないけど、少なくとも俺は顔見知りが死ぬのは嫌かな。エファンもそうだけど、他の3人も無理しすぎないようにね」


 「……過分なご配慮、痛み入ります。ご期待に沿えるように善処致します」


 あれぇ?何故かイブとの距離が開いた気がする。


 「それではそろそろ出発致します。3人とも、準備は良いわね?」


 「ああ」「ええ」「うん!」


 やはりリーダーはイブらしい。最年長だし、元の冒険者ランクも高いから当然と言えば当然だが、……まぁ、最近は連携も普通に取れるようになったし問題ないか。


 4人は馬車に乗り込んでダンジョンへ……向かう前に冒険者ギルドに向かった。なんでもダンジョンに潜る前には冒険者ギルドに報告する義務があるんだとか。パワードスーツゴーレムは馬車に積んだ次元収納内に収納している。流石にアレを着て街中を歩くのは目立ちすぎるからな。

 ちなみに今の4人の恰好は冒険者時代の恰好を元に適当に揃えたものだ。


 俺は馬車が小さくなるまで見送ってから、工房に戻った。

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