第140話 卒業式を10日後に控えたある日、俺はライジングに呼び出されてこんな事を聞かれた。

 卒業式を10日後に控えたある日、俺はライジングに呼び出されてこんな事を聞かれた。


 「マジファン3という言葉を聞いた事があるか?」


 ……いや知らん。出来るだけ頑張って思い出そうとしてみたが全く記憶にない。


 「いや、聞いた事無いな。それゴーレムに係わる言葉?」


 「なんでゴーレム?その様子だと本当に知らないんだな。それじゃあオリビエという平民の女性に魔法を習った事はあるか?」


 おっと?何でこいつがオリビエ先生の事を知ってるんだ?しかも俺の家庭教師だった事まで知ってるようだ。……さて、何て答えるのが正解だろう。


 「そのオリビエって人を知っていると何かあるの?」


 「お前……嘘とか隠し事とかヘタクソだろ」


 そんな事はない。アーバン君は何でもそつなくこなせるのだ。


 「……そうか、オリビエがアーバンの家庭教師だったところはゲームのままなのか……」


 ライジングが何かぶつぶつ言っている。


 「ゲーム?」


 「何でもない、こっちの話だ」


 気ーにーなーるー。なんだいなんだい。思わせぶりなこと言っちゃって。


 「お前、オリビエにセクハラしようとして抵抗された腹いせに焼き印を押したか?」


 「あん?」


 失礼な、何故俺がそんな事を………セクハラはしたな。


 「……焼き印なんて押してないよ」


 「何だよ今の間は」


 「っていうかさっきから何の質問なのこれ?」


 「……本当に焼き印は押してないんだな?」


 こっちの質問には一切答える気はないのかい?


 「ああ」


 「……その段階で既に齟齬が生じているのか。こうなるとストーリー関係はゲームの知識は殆ど役に立ちそうにないな」


 「さっきから何の話?」


 「気にしないでくれ。こっちの話だ」


 どっちの話だよ。俺もう戻っていいかな?


 「最後の質問だ」


 まだ駄目だった。


 「お前……てんs……いや、やっぱりいい」


 質問を途中で止める奴がわたしゃ一番嫌いだよ。

 とはいえどうせ聞き直しても答えるつもりは無さそうだとこれまでのやり取りで判断した俺はさっさと話しを切り上げる。


 「もう戻っても良いかな?」


 「ああ、時間を取らせて悪かったな」


 俺はその場にとどまり未だぶつぶつと何かを呟いているライジングを残して教室に戻った。

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