第127話 俺は今、前世の知識を元にゲーミングチェアに近い形の椅子を作っている。
俺は今、前世の知識を元にゲーミングチェアに近い形の椅子を作っている。俺専用搭乗用ゴーレムのコックピットシートとして積み込むためだ。
前に作った2機はどちらも立って操縦するスタイルだったのでコックピットシートを搭載するのは始めてとなるので、色々試行錯誤している。
部室で作っているとノーザンがそれはどんな魔道具なのですか?と尋ねて来たので「只の椅子だけど?」と答えると。
「またまた、アーバン先輩が普通の椅子を作るわけ無いじゃありませんか。教えてくださいよ」
……まぁゴーレムに積み込む予定の椅子なので、広義では魔道具の一部と言えなくはないが。
「俺専用の搭乗用ゴーレムのコックピットシートにしようと思って」
と伝えると、興味を無くしてさっさとどっかに行ってしまった。
そういうとこだぞノーザン君。第5王子なら興味があるふりをして最後まで話を聞いてくれるぞ?そして俺は最後まで話すぞ。
クッション性やら触り心地やらを追及していると椅子の制作だけで10日も使ってしまった。ただその甲斐あって満足の出来る仕上がりになっている。ついでに足を細くしてキャスターを付けた本当にただのゲーミングチェアを自分用に作って部室に置いておこう。
「アーバン先輩それ、変わった形の椅子っすね」
完成したゲーミングチェアに座っていると、モルダンが物珍しそうにしながら尋ねて来たのでちょっと自慢してみる。
「これ?良いだろ?部室の椅子は硬くてお尻やら腰やらが痛いからな」
「腰が痛いって……ジジくさいですね」
……うるさいよミランダ。若くても痛い物は痛いだろ。
「そんなに硬いっすか?ちゃんとクッションも付いてっるすけど」
その辺、流石貴族が通う学園だよな。学園の全ての椅子にクッションが組み込まれている。それでもずっと座っていると腰が痛いのだ。
「ちょっと座ってみる?」
「良いんっすか?それじゃあ早速――」
俺は立ち上がって席をモルダンに譲る。
「………―――これは、なかなか……」
「座って直ぐはちょっと座り心地が良い程度に感じるだけかもだけど、長時間座ってても疲れにくいって特徴があるんだよ、その椅子」
「いえ、ちょっと座っただけでもかなり良いっすよこの椅子。体にフィットするような安定感もあって、かなりの座り心地っす」
「気に入ったならモルダンの分も作ろうか?」
「良いんっすか?!」
試行錯誤に苦労しただけで、作るの事態は素材さえあればゴーレム魔法でちょちょいだ。ちなみに素材は部費から出ている。そして魔道具研究部にはかなり潤沢な部費と次元収納があるので、色々と素材を買いまくって備蓄しているのだ。
さっそくモルダンの分の椅子をちょちょい――のちょい。
約10分で完成。ふっ、1年生の時の俺なら30分は掛かったろうが、成長しているな俺も。
「はい、完成。座ってみて改良して欲しいとこが有ったら言って」
「失礼するっす。………うん、完璧っす!改良の余地は無いっす!」
「なら良かった」
満足して俺が自分の椅子に戻ろうとすると、そこにはミランダが座っていた。
「何してるの?」
「…………………私にも作って下さい」
「さっきジジくさいとか言ってなかった?」
「言ってません。先輩の気のせいです。お願いします」
「……まぁ良いけど」
美少女じゃなきゃ断ってるとこだよキミ。
結局俺は全員分の椅子を作る羽目になった。
これが部長としての初仕事である。
部長ってこういうものだっけ?
まぁ全員気に入ってくれたみたいだし、いっか。
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