第110話 「さぁ、いよいよ始まります、魔道具研究部主催、第1回王立学園ゴーレム大会!!

 「さぁ、いよいよ始まります、魔道具研究部主催、第1回王立学園ゴーレム大会!!実況は私、放送部のメロウ=スタックがお届けさせていただきます!!」


 いつの間にかリンクの脇に実況席が設置されており、そこで女生徒が声を張り上げていた。拡声器のような魔道具を使っているのでかなり遠くまで響く。

 メロウと名乗った女生徒の隣には空席があり、もしかしたら別の部員と交代で実況する予定なのかもしれない。


 「では今大会のルールを説明させて頂きます。1チーム5人による勝ち抜き戦になっております。ゴーレム戦はポイント制で先に100ポイント先取した方の勝ちとなります。また場外に出てしまった機体はその場で失格。戦線には復帰出来ませんのでご注意ください。制限時間は15分。それまでに決着が付かなかった場合は、その時点でポイントの多い方の勝利となります。使用するゴーレムは全て魔道具研究部が所蔵するHMGシリーズと呼ばれるゴーレムをレンタルして使用して頂きます。第1試合は10分後の開始を予定しております。また、観客席は全てフリー席になっております。十分なスペースを確保しておりますので、お好きな場所でご観戦下さい」


 え?怖い。なんでそんなに詳しいの?


 「あ、私が説明しておいたんだよ。実況させてくれって言われた時についでに」


 俺が不思議そうにしているとサリーが説明してくれた。


 「私たちは魔道玩具を貸し出してた受付の場所で観戦できるよ」


 という事でそちらに向かう。


 そして待つこと10分。


 「皆さま大変長らくお待たせいたしました!それではこれより第1試合を開始いたします!改めまして実況は放送部のメロウ=スタック!そして解説には魔道具研究部所属のムスタファ=ゴドウィンさんにお越しいただきました。ゴドウィンさん一言お願いします」

 

 先ほどまで空席だった実況の隣の席にムスタファが座っている。


 「ふふ、華麗なる解説をお届けする事を約束するよ」


 ……なにやってんだアイツ。

 というかそんなにゴーレム戦に詳しくないだろムスタファは。


 「えー、本来解説をお願いしておりました生徒会長なのですが、急遽入った重要なご用時でお越しになれないとの事です。大変ご多忙な方であらせられますから仕方ありませんね。皆さんゴドウィンさんで我慢してくださいね~!」


 「おい!」


 会場に小さな笑いが起きる。

 あの放送部員、中々ムスタファの扱いが分かってるな。

 それにしても生徒会長はそんな事まで引き受けていたのか。大変だな。


 「それでは選手の入場です!青コーナー、チーム馬術部代表!」


 紹介と同時に5人の生徒たちが入ってくる。男子生徒4人と女子生徒1人のチームだ。全員乗馬の時に着る紺色のポロシャツと白いパンツ、茶色いブーツで衣装を統一している。ハットは被っていない。


 「チーム馬術部代表はその名の通り全員馬術部で構成されたチームです。果たしてゴーレムの手綱捌きは如何ほどの腕前か?!」


 紹介された馬術部代表の5人が手を振ると観客席から拍手が起きた。


 「続きまして、赤コーナー、チーム3年B組なかよし5人組!」


 こちらは男子生徒5人のチームだ。普通に制服を着ている。


 「チーム3年B組なかよし5人組は学園に入学する以前から仲良しなんだそうです!長年育んできたチームワークを見せつけてくれ!」


 こちらも紹介に合わせて手を振る。先ほどと同程度の拍手が聞こえた。


 「それでは選手の皆さまは各々ゴーレムに魔力を流して下さい」


 リンクの横でチラズが選手たちに声を掛ける。今回審判はチラズとノーザンに任せている。俺はゴーレムのメンテ要員として待機だ。まぁ、ポイント戦用に威力を落とした武器を使っているので、メンテが必要になるとは思えないが、念のためだ。


 「準備は良いですか?」


 選手たちが頷く。


 「それでは―――――はじめ!!」


 

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