第93話 文化祭2日目。

 文化祭2日目。


 「ぜ~~~~~~~ったいに、い・や!!」


 お化け屋敷に誘ったサリーにから帰ってきた返事がこれだった。


 どうやら昨日、すでにクラスの友達と足を運んだらしい。相当怖かったようで2度と入りたくないと言われた。

 これだよ!こういう反応だよ!カミーユさんも見習ってください。

 価値観が違い過ぎて、こちらの世界の人間には怖くないのかも?とまで考えたが、これ多分カミーユが特殊なだけだ。いや、もしかしたらサリーが特別怖がりな可能性も……


 他の部員たちにも尋ねると、ほとんどがお化け屋敷に寄っていた。感想としては半々、何が怖いのか分からなかったという意見と、結構怖くて面白かったという意見だ。ようは前世と同じ、人によるという事だろう。


 ちなみに今日は殆どの部員と行動を共にする。別行動なのは2丁拳銃ゴーレムの女子生徒と2斧流ゴーレムの男子生徒だ。……………リア充め。


 今更だが、2丁拳銃ゴーレムの女子生徒はヒルダ=バスコートという名前で、男爵家の長女らしい。

 彼氏の方の2斧流ゴーレムの男子生徒はフル=ガーミット、こちらは子爵家の次男だそうだ。


 他の4人は機会があれば紹介しよう。


 さて、いきなりお化け屋敷に行く計画がとん挫してしまったので、どうするかと皆で話し合う。

 結局、みんなのクラスの出し物を見て回る事になった。

 ……またあのクリスタルに数字が表示されているだけの展示を見る羽目になるとは。


 「おお!!流石アーバン先輩!もの凄い数字ですね。こんな数字初めて見ましたよ僕」


 「すごーい、アーバン君って剣術だけじゃ無くて魔法の成績も凄いんだね」


 「魔道具を作る才能だけじゃなく、魔法の威力までずば抜けているなんて……いや、もしかしたら2つには密接な関係が?例えば魔法陣の理解度を深める事で……ぶつぶつ………」


 「アーバン先輩って、ただのゴーレム馬鹿じゃなかったんですね」


 ………………………どやぁ!!


 こほん、ちょっと良い気分になってしまった。失敬。

 ん?最後ちょっと悪口が入っていた気が……気のせいか。


 サリーのクラスの出し物についての説明は昨日見たので割愛するが、展示スペースの中央にあったドレスは大公家の長女に命令されてサリーが仕方なく作った物だと説明された。その割にサリーの名前は連名で小さく乗っているだけだったのは何故かと尋ねると、あんな事で大公家の長女様の御機嫌が取れるなら安いもんだよと言われた。

 それにしても、あのドレスもサリーが作っていたとは驚いた。ゴーレム作りの時も思ったが、彼女の器用さと美的センスは天元突破している気がする。




 次に見に行ったのはチラズのクラスの出し物だ。

 2年Dクラスが彼が在籍するクラスだ。

 展示していたのは……土?砂?と、植物が少し。説明書きを読んでみると、各地方の特産となる食物と、その食物が育つ風土の特徴について、とタイトルが書かれている。


 チラズの説明によると、彼のクラスの殆どは地方の貴族で、その多くは卒業後、親の後を継いで領地経営を行う事になるそうだ。その為に勉強や研究が盛んで、これもその一環なのだとか。


 「とは言っても、僕は5男なんであまり関係ないんですけどね」


 とチラズ。

 なんでも領地経営に携わるのは、爵位と領地を継ぐ長男(稀に異なる)とそのサポート兼スペアとして次男(稀に異なる)が残る程度で、3男以降はそれぞれ何かしらの職に就く事が多いらしい。余程富んだ領地だとまた話は別だとも説明された。


 言うまでもないが、我がグランシェルド家に領地などない。

 収入は父の商いと、国から貴族に支給されるものぐらいだ。

 資産としては先祖が残した財産などがあるし、国から支給される額も伯爵ともなると結構な額なのでお金の心配は無いんだぞと、以前父に余計な事を言った時に説明された。


 まぁ、俺は次元収納のロイヤリティがあるので元々お金の心配はしていない。

 ちなみに、魔法反射と透過の魔道具についてだが、魔法反射は再現に苦労しているらしく、まだ作成に成功していないらしい。透過の魔道具の方もまだ作成に成功していないが、こちらは仮に作成できるようになっても販売に制限を設けるらしい。俺の方でも販売する際は逐一王家に許可を取って欲しいとの事だ。

 という訳でその2つの魔道具の使用料はまだ1銭も入っていない。



 ノーザンのクラスの出し物は数少ない飲食店だった。

 そう、昨日俺とカミーユが足を運んで、直ぐに踵を返した場所だ。

 昨日は気づかなかったが料理を作っているのは生徒では無く、その使用人たちのようだ。

 ……なんか、思てたんと違う。

 相変わらずの盛況ぶりだったので、今日も飲食はせずに、少し見学しただけでその場を離れた。


 昼食は食堂で取り、午後は他の6人のクラスを見て回った。

 とは言ってもA組が2人とB組が2人、それとC組が1人とE組が1人なので、実際に見たのは4クラスだった。


 そしてそのウチ2つ、A組とB組はお家自慢の様な貴族の歴史だった。C組は昨日すでに覗いた、俺のクラスと被るクリスタルの数字を発表する展示だった。

 最後にE組だが、ご当地銘菓を各種取り揃えて販売していた。日持ちする物は領地から取り寄せて、日持ちしない物は使用人に作らせたようだ。個人的にはオレンジピューレみたいな奴が入った最中のようなお菓子が気に入った。


 最後に、1・2日目のクラスの出し物で、貴方が1番良かったと思うクラスに投票してください。というアンケートがあったので、俺は迷わずお化け屋敷に1票を投じた。


 こうして、文化祭2日目は終了した。

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