第74話 結局、今日も先日と同じネフィス家の客室に泊る事になった。

 結局、今日も先日と同じネフィス家の客室に泊る事になった。

 当然チラズも同室だ。

 昨日に引き続きネフィス姉妹と話す機会は殆どなさそうだ。これではチラズと2人のお泊り会の様だ。……ロボット談義は楽しいので良いのだが。


 ――が、今日も楽しいロボット談義は直ぐに中断させられた。

 部屋の扉がノックされ、返事をしたらヌゼが入ってきたのだ。

 しかし、鬼の形相は鳴りを潜め今は穏やかな表情をしている。


 「アーバン=グランシェル……殿。先ほどは失礼した。娘の事となるとどうも冷静さを欠いてしまってね」


 「いえ、娘さん思いなんですね」


 「貴族としては……いや、人として失格だったな。申し訳なかった。それとお礼を言わせて欲しい。アーバン殿、それにチラズ殿。コーネリアの危機を救ってくれた事、父として心からお礼申し上げる」


 ヌゼは深く頭を下げた。先ほどとはまるで別人の様だ。


 「ど、どう致しまして」


 とはいえ何が地雷になるか分からないので端的に応える。チラズも同じ様にしているようだ。


 「念話での連絡が来て、私は城の騎士を、他の貴族たちも私兵を動員したのだが、現地に着いたのは君たちが現地を離れた後だった。情けない話だ。君たち以外の誰も間に合わなかったのだからな」


 まぁ、俺たちは空を飛んで一直線に現場に向かったからな。それもかなりのスピードで。

 アレ?だとしたら第4王子たちはかなりのスピードで現地に来れた事になるな。アレで意外に優秀だったのか?


 「君たちがいなければ私は大事な娘を亡くしてしまっていただろう。それだけではない、あの場で大貴族の子息令嬢の多くが亡くなってしまっていた場合、国が傾く結果になっていただろう。1人の父としても、この国の侯爵としても、キミ達には本当に感謝している、ありがとう」


 ん?いくらなんでも国が傾く程の事では無いのではないだろうか?そりゃ国の未来を担う者たちだろうけど……ダンジョンに潜っていたのは精々5年生の3分の1ぐらいだったし。ちょっと大げさな気がする。


 「謝礼に関しては後日国を通して渡す事になっている」


 「はい、伺っております」


 「そうか。では、私はこれで失礼するよ」


 ヌゼは踵を返して部屋から去る……素振りを見せたが急に顔だけ振り向いた。


 「だが、娘に手を出すことは許さんからな!!」


 それだけ言い残して、今度こそ部屋を出て行った。

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