第66話 卒業試験の騒動の後、
卒業試験の騒動の後、5日ほどでコーネリアにプレゼントする搭乗用騎士ゴーレムの最終調整が終わった。やはり日中に作業できるのがデカい。
コックピットの向きが固定される機能は取り外し、代わりにショックアブソーバーをコックピットとゴーレム本体の間に設けている。とはいえゴーレムが転倒した際には結構な衝撃があるので次機の制作時にはより良い物を制作できるように頑張ろう。
そういえば、あの騒動の後にちょっとした変化があった。
サリーがゴーレムを使って戦ってくれるようになったのだ。次何かあった時に置いて行かれるのはごめんだとの事。これは非常にありがたい。別に戦力が増えるからではない。単純に遊び相手が増えるからだ。
普段のぬいぐるみゴーレムの操作から気付いていた通り、彼女のゴーレムの操作は相当緻密で、僅か5日の間にコーネリアやチラズに並ぶ腕前になってしまった。
今はコーネリアのテオを借りて遊んでいるが、手が空いたらサリー専用機も作りたい。
コーネリアは搭乗用騎士ゴーレムにナイトロードと名付けた。
遠隔的に動かして戦う小型ゴーレムより肌に合うと喜んでくれている。とは言っても動かす仕組みは同じなので、実質遠隔操作のようなものなのだが。
ナイトロードの最終調整の翌日問題が発生した。
ナイトロードを収納する場所だ。この機体は全長7メートル。重量は11トンを越えるゴーレムだ。貴族の家がデカいとは言え普段は邪魔だろう。
ちなみに今は完成した状態でグラウンドの片隅に体育座りをさせている。
その解決策として、俺がネフィス家に赴いて扉型の次元収納の魔道具を設置する事になった。学園で作ってそれを運ばせる手も考えたのだが、ナイトロードの大きさを考えると魔道具の高さは10メートル近くになってしまう。流石に運搬が大変だと言うのと、コーネリアが是非家に遊びに来てくれと言うのもあって、ネフィス家で直接作ることになったのだ。
ナイトロードは一旦ばらして次元収納に入れて持ち運ぶ。
後々気づいたのだが、高さ10メートル、幅4メートルの扉だとしても、恐らく幅は1メートルぐらいだ。ならば高さ4メートル、幅1メートルの次元収納の魔道具を作り、それに入れ、更に高さ幅共に1メートルの次元収納の魔道具に入れれば問題は解決したのではないだろうか?
次元収納の魔法を使う手もあるが、アレだけの大きさの物を収納できる使い手を探すのは面倒だろう。……俺なら多分できるが、事前に作って持っていくより、現地でデザインなどを決めながら作った方が良いだろう。
……まぁ、せっかく友達の家におよばれしたのだ。今生初の友達のお宅だ。遊びに行ったっていいじゃないか。しかも相手は美少女姉妹だぞ、前世を加味しても初めてじゃないだろうか?
ネフィス家に赴くのはコーネリアが卒業後、長期休暇期間を利用してサリーに同行する形でとなった。もちろんチラズも一緒だ。
あ、そうそう。別にどうでも良いが第4王子は正式に廃嫡されたらしい。
表向きは謎の奇病の完治は難しく、公務をまともにこなせない為との事。
それと、【試しの遺跡】内部ではぐれたという第4王子の部下は死体で発見されたらしい、Aランクのモンスターに食い殺されたようだ。
おバカな王子に無理やり付き合わされただけなのだろうに、可愛そうに。せめて冥福を祈ろう。
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