第32話 翌朝、緊急の全校集会が行われた。

 翌朝、緊急の全校集会が行われた。


 「生徒の皆さん、突然ですが重大なお知らせがあります。第4王子様が謎の奇病に掛かり治療の為お城に隔離されました。それに伴ない急遽新しい生徒会長には1年生ではありますが第5王子様に就任して頂く事になりました。また、会計のセムナント=ゴールドが実家の都合で海外に留学する事になりましたので、そちらは後日新しいメンバーを募集します。さらに書記のアーバン=グランシェルドが一身上の都合で生徒会を退会する事になりましたのでこれを受理しました。こちらも後日改めて募集します」


 元々の生徒会のメンバーが、会長、副会長、会計2人、書記3人、そして書記という名の雑用1人。計8人。このうち3人が同時に辞めるというニュースは結構な衝撃をもたらしたらしい。生徒たちがざわついている。

 生徒たちの騒めきも収まらぬなか、先ほど新生徒会長に指名された第5王子が壇上にたった。

 流石に王族の前で騒ぐのは不敬と考えたのか少しして場が静かになった。


 「改めまして、新しく生徒会長に任命されました第5王子です。まだ1年生の若輩ではありますが、諸先輩方や教師の皆さま方の助けを借りながら、少しでも学園を良いものに出来るよう精一杯務めさせていただきますので、皆様もご理解とご助力頂けると幸いです」


 第4と比べると随分腰が低い。というか王族があんなに腰を低くして大丈夫なのか心配になるレベルの挨拶をした第5王子は、最後に深く頭を下げてその場を離れた。


 それにしても奇病ってなんだよ。理由付けが適当過ぎて怖いよ。そしてあっという間に王子を幽閉する行動力も怖いよ。こちらとしては厳重注意からの解放ぐらいで事を済ませようと考えていたのだが、どうやら王様は俺が思っている以上に次元収納の魔道具を高く評価しているらしい。

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