第19話 「すごい!かわいい!!」
「すごい!かわいい!!」
入学から凡そ半年。
相変わらずクラスではボッチだが、部活の先輩であるサリーとコーネリアとは仲良くなれた気がする。
俺がゴーレムの改造が出来ると話すと二人は疑いの眼差しを向けて来たので、証明の為に100cmぐらいの巨大なシロクマのぬいぐるみをゴーレムを作り変えてサリーにプレゼントしてみた。
どうやら気に入って貰えたようだ。
「凄いな、本当に魔道具の改造が出来るとは。驚いた」
コーネリアは素直に驚愕と称賛の声を掛けてくれた。
「と言ってもあくまで寮で出来る範囲の改造ですけどね。実家に戻れば色々道具が揃っているので、もっと本格的な改修作業が出来るんですけど。せっかく魔道具研究部なんて名前なんですから部費で道具を買い揃えたり出来ませんかね?」
「う~ん、そうは言っても実績も無いし、部員もたった3人。顧問も居ないんじゃ部費の増額は難しいな。魔道具はあれで結構高いからな、この部室にある魔道具の殆どがわたし達か卒業した先輩が持ち込んだものなんだ」
「持ち込みは可能なんですね。実家から色々持ってこようかな」
「一応学園側の許可は必要だよ?危険物と判断されたら持ち込みは難しいかもね。実際に幾つかの魔道具は許可が降りなくて断念したしね」
「工具類は大丈夫そうかな。問題は部室が狭いことですかね」
魔道具研究部の部室は10坪程度。決して狭くはないのだが魔道具が所狭しと置かれているため、実際は中央にあるソファーとテーブルのスペースぐらいしか活動できる場所がない。
「これだけ大きのにシェルより滑らかに動かせる。アーバンくん、本当にこの子貰っても良いの!」
俺とコーネリアが今後の部活動の方針について話をしている間、サリーはすっかり巨大なシロクマのぬいぐるみに夢中なようだ。
「はい。大事にしてくれるとうれしいです」
「もちろんだよ!そうだなぁ……よし!キミの名前は今日からスノーだよ」
サリーは嬉しそうにスノーに抱き着くと、スノーはサリーを抱きかかえてクルクルとまわり始めた。
サリーは中々ゴーレムの動かし方が上手い。
この半年、コーネリアとは良くゴーレムで戦う。ちなみに結果は俺の全勝だ。だが、サリーとは1度も戦ったことが無い。何でも戦いとかは苦手なんだと相手をして貰えないのだ。俺の見立てではコーネリアより数段強い気がしているので、いつか手合わせしてみたいが、本人が嫌なのなら仕方がない。
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