第18話 イラ共和国崩壊とその後のトルコテ王国


 キシュウ帝国がイラ共和国を席巻しキシュウ帝国と成った事でトルコテ王国は慌てていた、俺に元父親を使者に送って来たが逆効果だった事で頭を悩ましていたが名案が有った、ルゴイア・アランタを使者に建てて同盟を申し入れる事にしたが果たしてルゴイア・アランタが引き受けて呉れるかが問題だった、彼は今は大佐だが中将に昇格させトロイア軍の総大将に任命してから使者に建てると言う物だった、ここ迄すれば彼も受けて呉れるだろうと踏んでいたし彼の妻はグラント・キシュウの姉だルゴイア・アランタは妻に惚れていて妻以外の妾を持って居なかったし子供は二人目を妊娠中だと聞く、そんな彼に使者として行って貰うのには覚悟が要る彼に全権を与えると言う覚悟だったがそうしないと往けないと首脳陣は考えていた、とに角早くキシュウ帝国と同盟を結びたいと言う気持ちで焦りが有った事は否めない、そんな焦りの元にルゴイア・アランタを中将に任命して帝都ライに向かわせていた。


 ライに着いた中将の一行は総勢200人と言う大所帯だった、インタナ湖迄は普通の道を選択したが人数が多い所為か歩みが遅いインタナ湖の南のアランタまでに10日は掛つていた、やっとの思いでインタナ湖に着きここからは船で湖の向かいの城塞都市クライに1日で着いた、ここからは帝国自慢の高速街道が敷設されている事は知って居たので次の日その道に入る事が許されて進み出した、この道はほぼトンネルで出来ていて偶に外に出る事は有るが魔物避けのガードが有り空は見えるが周りの景色は見えなかった、その道を4日で走破して帝都に着いた事に皆驚いているしこの道を見ただけでも帝国に勝てる見込みが無い事も分かっただろうと思っていたが、一部の貴族はそんな事も解らないのか帝都に着いた時点で迎えが無い事に怒り心頭に訴えて来たが俺は無視を決め込んだ、高速街道を走破して外で休憩していると数人の軍人と思われる人物が近づいて来た、其の内の一人には顔見知りだったので声を掛けると「ルゴイア・アランタ中将よくお越し下さいました」と言いながら近づいて来たのはグラントの弟子のひとりホルトだったが彼も今や伯爵様だった。


 ホルト伯爵に案内されて今俺達は大きな宿に連れて来られた、そしてホルト伯爵が「本日はここに宿泊して頂きます。明日10時にお迎えに上がります」と言って帰って行った、宿には温泉が引かれ同行者には風呂にも入った事が無い者もいたが皆が温泉と言う物は何と気持ちのいい物かと言いあって居た、その後の食事も美味しくて海の幸と山の幸が上手くミックスした上品な味でもう一度食べたくなる味だった、次の日には帝城に行く予定だが10人に絞る様に言われて居たので役職の高い順番に選別して

訪問した、そして帝城で第1回目の話し合いが持たれたのだった。


 ルゴイア・アランタはトルコテ王国の全権を持たされていたが其れは建前だと思っていた、そうしないと帝国とのつり合いが取れないし今やトルコテ王国は何時でも滅亡する事が不思議でない状況に成っていた、帝国はこの短時間でエランプルト王国も落していたのだ、其処にム-ヌ王国との提携が進み技術開発も発展して行き帝国は今や30万人の兵力が有りトルコテの10倍近い戦力な上に近代化が進んでいた、しかし帝国はルゴイア・アランタに遠慮していたのは事実でグラント・キシュウの恩人の彼が居たから今のキシュウが有るのだ、そんな事でトルコテ側は帝国と条約を結び今後5年ごとに改正をするか延長するか話し合う事で合意した。


 そんな話し合いが終わりルゴイア・アランタは連れて来ていた妻のユキナと帝城に招かれていた、姉さんよく来たねと現れたグラントは護衛の兵士の世話を近習に頼み二人を連れて妻たちが要る後宮に連れて来た、そして楽しいディナーを食べながらトルコテの王家は如何して誰も来なかったのと質問した、アランタは其処を聞かれるとは予想してなくてちょっと慌てたが王家は今は継者問題で揉めていてそれどころじゃ無いと吐き捨てた、グラントは成る程そう言う事かと言うと国王は隠居すると言って居るのかいと尋ねるとアランタはそう言う事だと言って顔を曇らせた、するとセリカがそんな話ばかりしないでもっと話題は無いの例えば子供の事とかと言うと、グラントは2人の子供と後は3人の妻が今妊娠中だと言った、するとセリカが「貴方お盛んねまさかあのおとなしかったグラントがこの様に成るとは思いもしなかった」と言って「奥さんは大事にしなさいよ特にセリカさんとグリ-ンさんを大事にする様に」と言うと、二人の妻が嬉しそうに「お姉様有難うございます」と言い出して「グラントの出世前からの付き合いですものね」と二人を称え子供もっ可愛いしと言った、其処で俺は爆弾発言をした「これはまだ内緒にして置いて欲しいのですが、近々機関車と言う物が出来上がります。今は試作段階ですがこれが出来ると帝都からイラ迄2日で行ける様に成るでしょう帝都からトルコテ迄は今の所直接つながりませんが3日有れば行ける様に成ります。全て帝都からの繋がりに成りますが世界の旅がし易く成り馬車の時代が終わります」と言った。


 ルゴイア・アランタとその妻ユキナは聞いてはいけない事を聞いた気がした、グラントが言った事が本当ならこの地方は全て帝国に成るだろうとアランタが言った、ユキナもそうねそうなるわねそしてトルコテも滅びるわねと人事の様に言った、次の見直しの5年後にはトルコテは無くして帝国に成る方が良さそうだしその線で俺は今後を進めて行くよとユキナにアランタは言った。


 そんな二人の苦悩も知らない様に家族でお風呂を楽しんでいる家族だった、その二日後にトルコテの一行は帰って行くがそこでグリ-ンに話し出した、「グリ-ンの父親と子供たちを帝国領内に引っ越して貰う積りで土地を用意しているし開拓村を一つ任せて村長に成って呉れる様にお願いして呉れ」と言った、「それか帝都に越して来て貴族に成るか」の何方かを選んで欲しいと言うと、グリ-ンが「分かりました母にも相談して父に話します」と返事をした、「もしこれからもトルコテ領内に居ると人質にされたりする可能性が有るし何時襲われるかも分らないこれが最良の選択だ」とグラントは説明した。


 トルコテ一行は14日程で帰り着き王都に報告に上がった、そして帝国の発展ぶりと今の内に対策をしないとトルコテが無くなると言うと王城の住人が怒り出した、何を見て来たか知らないが一軍人にそこまで言われる事は無い暫く謹慎しろと言われた事に腹を立てたがアランタは大人しく帰り、妻に事の顛末を話して家で謹慎していると

軍部のアランタ派が騒ぎ出した、その後トルコテ王都が騒然となったがアランタが軍の第1軍と2軍の2万を連れてインタナ湖から帝国に亡命してしまった、慌てたのは王家で此れで軍が4軍と5軍しか残らずにまともに戦えるのは4軍の1万だけに成った、5軍は元々輜重部隊を中心にした部隊なので戦いは苦手だった、そんな話が直ぐに帝国にも届けられ直ぐに軍が発進した。

 

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