9話【SS・手相】天夜・占奈&萩村
授業が終わり、教室に戻ると、
「昨日テレビで手相やっててさ、俺、金持ちになれる手相があるみたいなんだわ!」
「本当に?それってどんな手相なの?」
「この線だよ、見てみろよ」
「天夜、お前は手相見たことあるか?」
「いや、見たことないな」
「じゃあ、
「え!?ちょっと、
「おーい、
「あ、
「挑戦してみていい?」
「もちろん!」
「うーん……」
「昨日テレビで見たやつだと、お金持ちになれるらしいんだけど」
「えー分からない。どれ??」
「この線が……」
二人が仲良さそうに話しているのを見て、僕は少し嫉妬心が芽生える。
(僕だって、占奈さんにそんな風に見てほしい)
自分の気持ちを抑えきれず、僕は一瞬目を逸らす。しかし、心の中ではどうしようもない焦燥感が広がっていく。
「おい、
「
(手汗、大丈夫かな……)
(占奈さんに見てもらえるなんて……)
心の中で思わず嬉しさが込み上げてくる。
「あ!」
「私と同じ形の線あるよ!!」
満面の笑みで嬉しそうに言う
「ほらー! 見てー」
「ここ!」
「あ、ほんとだね」
お互いに相手の手を見つめ合いながら、その手のぬくもりを感じる瞬間がたまらなく愛おしい。心臓がさらにドキドキと音を立てるのを感じた。
「これって何の手相なの?」
「えっと、ごめん、分からない」
目を細めて笑う
「あれ、それって昨日テレビで見たような、たしか、す……」
「は!
「あー手相見てくれてありがとう、
「つ、次の授業もう始まっちゃうよ」
僕は次の授業の準備をしながら、
○ ● ○ ● ○
授業が終わり、
「
「ムカつくから絶対教えねー」
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